真木よう子「私が思っていることを曲にしてくれている」兵役が終わるまで全員での活動がないのが寂しいと語るBTS愛
東京ウォーカー(全国版)

近年は映画「ある男」、「映画ネメシス 黄金螺旋の謎」、舞台「パラサイト」など話題作への出演が続く真木よう子。最新主演映画「アンダーカレント」では、あるトラウマを抱えて生きる銭湯の女主人を演じている。銭湯の女主人・かなえと、彼女を静かに見守る男・堀の奇妙な同居生活を軸に、人間の心の奥底を丁寧に描いた本作の撮影秘話や、演じた役柄について語ってもらった。
ほかの人が演じるぐらいなら「自分が全力でこの役に挑戦してみたいと思った」
――原作はフランスを中心に海外でも人気を誇る豊田徹也さんの長編コミックで、もともと真木さんは原作の大ファンだったと伺いました。
【真木よう子】原作は前から好きで読んでいたので、お話をいただいたときは驚きと同時に少し戸惑いました。私は大の漫画好きで、こんなことを言うのもなんですが、自分の好きな漫画を実写化してほしくない気持ちが強かったんです。でも、本作のお話をいただいて、“ほかの人が演じるかなえ(主人公の役名)を見るぐらいなら自分が全力でこの役に挑戦してみたい”と思ったので、覚悟を決めてお引き受けしました。
――好きな作品だからこそ“挑戦してみたい”と思われたのですね。
【真木よう子】そうです。自分と同じような原作ファンをガッカリさせないためにも、ワンシーンごとに慎重に取り組んでいました。現場には台本と原作漫画を持ち込んで、撮影するシーンと同じ場面のページを開きながら“このときのかなえはこういう表情をしているのか”と確認することも多々ありましたね。とにかく原作のかなえに近づける努力をしました。
――今泉力哉監督とご一緒することが決まったときはどう思いましたか?
【真木よう子】今泉監督と初めて会ったときに、なんとなくインスピレーションで“あ、この方と一緒に作品作りをしてみたい”と思ったんです。それもあって、今回のお話をお引き受けしたところもあります。
――かなえが営む銭湯で働くことになった謎の男・堀役の井浦新さんとのお芝居はいかがでしたか?
【真木よう子】井浦さんは、普段は心地いい距離感で接してくれる方なのですが、カメラが回った瞬間に“自分のことは語らないミステリアスな堀”に切り替わるんです。そのギャップがすごかったですね。すごく穏やかで一緒にいてとても安心できる方なので、堀を井浦さんが演じてくださってよかったなと思います。


――失踪した夫・悟とかなえの大学の同級生役の江口のりこさんとは舞台「パラサイト」でも共演されていましたが、撮影で印象に残っていることがあれば教えていただけますか。
【真木よう子】江口とは映画「パッチギ!」からの付き合いで仲が良すぎるので、お芝居中は普段の関係性が出すぎないように気をつけました。実は「パラサイト」の公演中もお互いの顔を見ると、なんでかわからないけど笑ってしまいそうになって、「できれば一緒にお芝居したくないね」みたいなことを冗談で言い合ったりしたんです(笑)。とはいえ私たちはキャピキャピとした仲良しこよしの感じでもないので、本作の役の関係性とはそこまで遠くなかったんじゃないかなと思います。

――共演者と関係性を作っていくうえで気をつけていることはありますか。
【真木よう子】役柄がどういう関係性なのかが大事で、例えば幼馴染みで親友と呼べるような役を演じる俳優さんには積極的に話しかけて、少しでもその人のことを知ろうと努力しますし、逆に対立するような関係性の役を演じる俳優さんには必要以上にコミュニケーションを取らなかったりします。
そういう意味で、一番気が楽なのは孤独なキャラクターを演じる現場。誰とも喋らずひとりで生きているような役を演じるときは、人間関係の構築がないので正直すごくラクです(笑)。

100パーセント相手を理解するのは無理でも「わかろうとする努力をしなければいけない」
――心の奥底にトラウマを抱えながら生きるかなえを演じるうえで、どんなところを大事にしましたか?
【真木よう子】かなえは消せない過去のトラウマを抱えていて、長い間辛いことに蓋をして生きてきた人なのですが、普通に笑ったりもするし、一見何もないように見えます。ところが夫が突然失踪し、とある出来事がきっかけで、心の奥底に沈めていた本心(アンダーカレント)と向き合わざるを得なくなる。
【真木よう子】だけど、きっと冒頭からラストまで、どの瞬間もトラウマは何かしらメンタルに影響しているはずなので、そこは絶対に忘れないように意識して演じていました。ずっと辛かったんだろうなと、かなえのことを思うと胸が痛かったですね。
――かなえを演じたことでなにか気づいたことはありましたか。
【真木よう子】「人をわかるってどういうことなのか」というセリフと、「本当のことなんか誰も知りたくない」というセリフが劇中に登場するのですが、この二つの言葉を台本で読んだときに、“これまで私は他人の感情を素通りしていたのかもしれない”と気づかされました。
【真木よう子】もちろん、100パーセント相手を理解するのは無理ですが、“この人はなんでこんなことをするのか”“なんでこんなことを言うのか”と、わかろうとする努力をしなければいけなかったんだと思いました。あともうひとつ本作をとおして感じたのが、“わかった気にならない”こと。
――他人の本心はわからないですし、“きっとあの人はこういうことが言いたかったんだろう”と決めつけるのもよくないですよね。
【真木よう子】そうなんです。「この人ってこういう人だよね」って悪気なく言ってしまっていたけれど、もしかしたら全然違った面を持っているかもしれないですし、家族にだって見せてない本心があるかもしれないですよね。
【真木よう子】あと、最初の印象でちょっと苦手だなと感じた人が、何回か会っているうちにものすごく気が合って話が弾んだなんてこともあったので、なるべく“この人はこうだ”と決めつけずにフラットに人と接していきたいなと思っています。

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