水川あさみ「プライベートがお芝居に反映される」30代後半で意識するようになった、人間力と経験値を上げる方法

東京ウォーカー(全国版)

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30代後半になって私生活と俳優の仕事が「深く繋がっていることに気づいた」

――先日、主人公の母親役を演じられた映画「霧の淵」が釜山国際映画祭で上映されて、現地にも行かれていましたよね。2019年に釜山国際映画祭にお客として参加したことがあるのですが、韓国に住んでいる方々の映画に対する熱量の高さに驚きました。水川さんは釜山国際映画祭で刺激を受けた部分はありましたか?

【水川あさみ】街をあげての一大イベントという雰囲気に圧倒されました。「霧の淵」は小規模な日本映画にもかかわらず、多くのお客様が来てくださって、それがすごくうれしかったです。上映後のQ&Aでは、みなさん鋭い視点からの質問をたくさんしてくださって、こちらが話す言葉を熱心に聞き入ってくれました。その時の映画への熱量と関心の深さに感動しました。

あと、映画のチケットを何枚も持って会場を走り回ってはしごされている方がいて、その姿に“映画が文化として根付いているんだな”と感じました。それはすごく刺激になりましたし、同じような光景を日本でも観られるようになるにはどうすればいいのかを考えさせられましたね。

――今後、俳優として挑戦してみたいことを教えていただけますか。

【水川あさみ】“いい作品を作りたい”と思っている人が周りにたくさんいるので、そういう方々と一緒にお仕事をし続けられるような俳優でありたいなと思っています。

それから、孝之がプロデューサーとして映画を作っていることや、自分も監督として短編映画を撮った経験をとおして、俳優が作り手側に回ってゼロから作品作りを経験することも大事だなと思ったので、それを周りに伝えていくために何かできることがないか探していきたいです。

撮影=三橋優美子


――10代の頃から俳優として長いキャリアを築いてこられた水川さんですが、ご自身で“変化したな”と感じた部分はありますか?

【水川あさみ】10代、20代の頃は、ひとつでも多くの作品に関わろうという意識でお仕事していたのですが、30代になってそういう気持ちが一旦落ち着いて、だんだん自分が本当にやりたいことや関わっていきたい人が明確になっていったんです。それは私にとって大きな変化だったと思います。

あと、もうひとつ変わったことがあって、昔は私生活が俳優のお仕事に影響するとはあまり思っていなかったのですが、30代後半になって、その二つは深く繋がっていることに気付いたんです。プライベートで起きた出来事って、お芝居にちゃんと反映されるんだなと実感するようになりました。

――その気付きを経て、どんなことを意識するようになりましたか?

【水川あさみ】人間力と経験値を上げるためにも日常生活を疎かにせず、日々を大事に過ごす意識を持つようになりました。それからあまり先のことは心配せず、“あの時こうすればよかった”と後悔もしすぎずに、今、目の前にある作品とどう関わるかということにしっかりと向き合うようになりましたね。

そう意識することで、お仕事にもいい影響が出ているように思います。もしも俳優の仕事を死ぬまで続けることができたら、人生を終える頃には「うん」というたった一言に説得力を持たせられるような俳優になっていたいので、そのためにも一つひとつの作品を大事にしていきたいですね。

【写真】ミステリアスな女性“刺す女”を演じた水川あさみ撮影=三橋優美子


取材・文=奥村百恵

◆スタイリスト:番場直美
◆ヘアメイク:岡野瑞恵

(C)2023「唄う六人の女」製作委員会

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