齋藤飛鳥「100%向いているとは思わない」と語る俳優業の魅力とは?乃木坂46卒業は「普段は悩まないのに葛藤した」

東京ウォーカー(全国版)

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――ちなみに、齋藤さんご自身は哲雄くらい距離感が近いお父さんでもアリですか?

【齋藤飛鳥】難しいですね(笑)。…100%鬱陶しいとは思わないですけど、必ず一度は鬱陶しいと感じると思います(笑)。でも、そう思われても、めげずに乗り越えてくれるお父さんはすてきだと思います。

――哲雄はもちろん、登場人物それぞれが葛藤を抱えている作品ということで、齋藤さんが最近葛藤した出来事を教えてください。

【齋藤飛鳥】普段あまり、葛藤することがないんですよ(笑)。人として大事なことだと思うので葛藤したいんですけど、悩みがあっても、これを選んだらいいんだろうなって解決策がすぐ浮かんじゃう。そうやって最短の距離を取ろうとしちゃうので、なかなか葛藤できなくて。…でも、グループ卒業のタイミングでは葛藤しましたね。みんなになんて伝えようかなとか、コンサートの構成をどういうふうにしようかなとか。自分のことも考えつつ、メンバーのことも考えつつ、ファンの方のことも考えつつ、全部のバランスをとるのがすごく難しかったです。関わる人が多い分、決めかねることが多かったですね。

「俳優業は100%向いているとは思わない」と語る理由は冷静な感覚

――グループ卒業後もマルチにご活躍されていますが、特に俳優業の魅力についてどう感じているか、最後に教えてください。

【齋藤飛鳥】俳優業は100%自分に向いている、とは思わないし、やらなくていいんだったら、やらない方がいいと思ったりもするんですけど…(笑)。と言いつつ、やってみると深みがすごくあるお仕事だなと思います。それこそお芝居って何が正解か不正解かわからないものじゃないですか。そんな正解がない中でこの仕事をずっと突き詰めていらっしゃる蔵之介さんをはじめとする方々が、この作品にすごく真摯に向き合っている姿を一番近くで見られたりして、とても刺激のあるお仕事だと思いました。

ただ楽しい、という気持ちだけではないですけど、やりがいはもちろんすごくあるし、今後もやりたいと声を大にはしないですが(笑)、私にいただける役があるのなら頑張れたらいいなと思っています。


――向いていないと思うのはなぜでしょうか?

【齋藤飛鳥】最近少しずつ、他人の人生を演じることのおもしろさもわかってきましたけど、よくよく考えると「それってどういうこと?」って思っちゃうんです。一瞬引いて見てしまうような、そういう冷静な感覚は俳優としてはいらないような気がするんですよね。

――では、本作のオファーがあったときはどういう気持ちだったんですか?

【齋藤飛鳥】めちゃくちゃ迷いました!でも、零花ちゃんの場面が多すぎなかったので少し安心したところもあって。原作もおもしろいし、蔵之介さんや皆さんのお芝居を見て勉強ができたらいいな、みたいな気持ちでした。映画では出番がすごく増えていて、「あれ、思ってたのと違うぞ」とはなりましたけど(笑)。

でも、やっぱり作品は抜群におもしろいですし、ドラマから一緒にやってきたメンバーでの映画だからこその深みのようなものがスクリーンを通して伝わったらうれしいので、ぜひたくさんの方に見ていただきたいです。


撮影=大塚秀美
ヘアメイク=秋鹿裕子(W)
スタイリスト=市野沢祐大(TEN10)
取材・文=大谷和美
衣裳協力=ピアス/ロードス(03-6416-1995)、その他スタイリスト私物

(C)2024 映画「マイホームヒーロー」製作委員会

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