【マンガで学ぶ相続手続き】遺言書は勝手に開けちゃダメ!?相続の専門家が「検認」について詳しく解説

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こんにちは。G1行政書士法人 代表の嶋田裕志です。相続・遺言専門の行政書士として10年以上、年間1000件を超えるご相談にお応えし、行政書士の範囲だけでなく、相続税や不動産など相続に関する幅広い知識をもって各専門家と共に相続手続きを代行しています。

突然ですが、皆さんは、身内の方を亡くされた経験はありますか?

亡くなった人が近しい関係であればあるほど、皆さんは「当事者」として死亡後の手続きに関わることになります。具体的には、その亡くなった瞬間から、通夜、葬儀、役所での手続きなど、とにかく時間に追われながらたくさんの手続きをしなければなりません。

悲しくて、寂しくて、つらくて、耐えがたい状況であっても、手続きは待ってくれません。特に死亡後すぐの手続きには期限があるものも多く、慣れない手続きで心身共に疲れてしまい、体調を崩してしまうという方もたくさんおられます。

ここでは、いざ皆さんが「当事者」になったときに困らず相続手続きができるよう、詳しく解説いたします。

今回は、手書きの遺言書が見つかった場合に必要な手続きである「検認」についてお話しします。

遺言書には3つの方式がありますが、その中の1つである手書きで作成された遺言書、つまり「自筆証書遺言」を見つけた場合は、必ず家庭裁判所で「検認」の手続きをしなければなりません(※遺言書が法務局で保管されていた場合を除く)。

自筆証書遺言は、遺言者にとっては気軽に作成できるメリットがありますが、相続人にとっては「検認」が必要になるため、実際に相続手続きをする際には時間も手間もかかることになります。

ここでは、検認とはどういうものなのか、そして、検認をする際に必要となる戸籍の取得について解説します。

「〈マンガ〉相田家と一緒に学ぶ!家族を亡くした後の相続手続き」3-1原案・監修:嶋田裕志/イラスト:フクイサチヨ

「〈マンガ〉相田家と一緒に学ぶ!家族を亡くした後の相続手続き」3-2原案・監修:嶋田裕志/イラスト:フクイサチヨ

「〈マンガ〉相田家と一緒に学ぶ!家族を亡くした後の相続手続き」3-3原案・監修:嶋田裕志/イラスト:フクイサチヨ

「〈マンガ〉相田家と一緒に学ぶ!家族を亡くした後の相続手続き」3-4原案・監修:嶋田裕志/イラスト:フクイサチヨ

「〈マンガ〉相田家と一緒に学ぶ!家族を亡くした後の相続手続き」3-5原案・監修:嶋田裕志/イラスト:フクイサチヨ

「〈マンガ〉相田家と一緒に学ぶ!家族を亡くした後の相続手続き」3-6原案・監修:嶋田裕志/イラスト:フクイサチヨ


■検認の概要

検認とは、遺言者の死亡後、遺言書を発見した人や保管していた人が家庭裁判所に申立てをし、相続人の立会いのもとで遺言書を確認する手続きです。

その目的は、大きく次の2つです。
・相続人に対して遺言の存在およびその内容を知らせること
・遺言書の形状 、加除訂正の状態、日付、署名など、検認の日現在における遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止すること

ここで最も重要なポイントは、 検認は遺言書の有効・無効を判断する手続きではない ということです。

検認さえすればどのような遺言書であっても有効と思われる方が多いのですが、法的に有効とみなされる要件を満たしていない遺言書であったとしても、検認は行われます。

私自身、数々の相続手続きに携わっている中で、 検認が完了した遺言書であっても要式の不備を理由に無効と判断され、その遺言書を使っての相続手続きをすることができなかった、というケースを何度も経験しています。

検認をするためには、必要書類をそろえ、家庭裁判所に提出します(「検認の申立て」といいます)。その後、家庭裁判所から日程の調整があり、検認の当日を迎えるという流れになります。

検認の申立ての流れについては、詳細を次回にお話します。ここでは、検認の申立てにおいて「相続人」を特定するために必要な戸籍謄本と、その取得について説明します。

■相続手続きには相続関係を明らかにする戸籍が必要

検認に限らず相続手続き全般において、相続関係を明らかにする戸籍が必要です。なぜなら、 相続手続きは相続人「全員」でしなければならず、それが誰なのかを証明するためには戸籍が必要だから です。そして、それは遺言書の検認においても同様です。

遺言書に記載されている人の戸籍だけで足りると思われるかもしれませんが、そもそもの検認の目的の一つは「相続人に対して遺言の存在およびその内容を知らせること」です。仮に遺言書が無効だった場合は法律上の相続人が相続することになるため、相続人にも遺言書がある旨、またその内容を知ってもらう必要があります。

相続関係を明らかにするためにそろえるべき戸籍は、
・亡くなった人の出生から死亡までの一連の戸籍
・相続人の現在戸籍
です。特に「亡くなった人の出生から死亡までの一連の戸籍」を集めるのは骨が折れる作業です。

そもそも戸籍は、結婚や離婚、本籍地の変更、戸籍法の改正などによって一生涯のうちに何度も編製されます。そのため、「出生から死亡までの一連の戸籍」は複数枚におよぶことがほとんどで、それらをひとつずつ遡っては内容を読み解き、出生時点のものまでそろえていくことになります。

戸籍の取得という作業自体はそれほど難しくなかったとしても、戸籍の内容を読み解くことは、旧字体があったり字が潰れていたり独特な字体で書かれていることがあるので、ここでつまずかれる方が多いです。

では、どうやって亡くなった人の一連の戸籍をさかのぼって取得していくのか見ていきましょう。

まず、亡くなった人の本籍のある役所で「この役所で取得できるすべての戸籍」を請求します。

どれだけの戸籍があるかは人によりますが、少なくとも死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本)とその前の戸籍である改製原戸籍(かいせいはらこせき)が取得できる場合がほとんどです。 改製原戸籍とは、戸籍法等の改正によって戸籍の様式に変更があった場合に、その「変更される前の戸籍」を指します。

なお、「かいせいげんこせき」と読んでも間違いではありませんが、「現在の戸籍」を「現戸籍(げんこせき)」と呼ぶことがあるため、それらを明確に区別するために「はらこせき」と呼ばれることが多いです。

この改製原戸籍を読み解くことで、亡くなった人の以前(今の本籍地になる前)の本籍地がわかります。次はその本籍地を管轄する役所で戸籍を取得しましょう。

この作業を繰り返して戸籍を順に遡っていくことで、亡くなった人の出生から死亡までの一連の戸籍がそろい、出生、婚姻(離婚)、養子縁組、婚外子の認知、死亡などの事実が確認できます。そして、それによって誰が相続人かが明らかになります。

誰が相続人かがわかれば、あとはその相続人の現在戸籍をそろえます。その相続人が現時点も存命かどうかを確認するためです。ただし、亡くなった人の除籍謄本と相続人の現在戸籍が同一の場合は、一つの戸籍で両方の確認ができますので、改めて戸籍をそろえる必要はありません。

■戸籍は郵送でも取得することができる!

戸籍は住所地の役所ではなく、本籍地の役所で取得します。もし本籍地が不明な場合は、住所地の役所で本籍地が記載されている住民票を取得して確認しましょう。

役所での証明書の取得というと、窓口で書類を書いて呼ばれるのを待って…というイメージが強いかもしれません。また、そもそも本籍地がはるか遠くの他府県ということもよくあります。

実は、戸籍は郵送で請求することが可能です。「〇〇市 戸籍 郵送請求」などのキーワードでインターネットで調べてみましょう。必要書類をそろえて郵送することで、わざわざ窓口に足を運ぶことなく戸籍を取得することができます。

郵送で戸籍を請求する場合は、いくつか注意点があります。

戸籍の発行には、各役所が定める発行手数料がかかりますが、郵送の場合は現金を同封することができません。その代わりに、ゆうちょ銀行で購入できる「定額小為替(ていがくこがわせ)」を申請書類と同封して支払うことになります。なお、定額小為替の購入にも、1枚につき200円の手数料が別途かかります。

また、郵送請求の場合は窓口受取の時より、取得までに時間がかかります。
・必要書類をそろえて投函してから郵便が役所に届くまでに〈2日程度〉
・役所が書類を受け取ってから処理されるまでに〈2~5日程度〉
・役所から手元に郵便が届くまでに〈2日程度〉

つまり、1つの役所に郵送請求するだけで1週間~10日ぐらいはかかることになります。そのため、仮に3つの役所に順番に請求をすることになれば、それだけで単純に3週間~1カ月程度はかかってしまうということを覚えておきましょう。相続放棄など、期限のある手続きをする場合は特に注意が必要です。

今回は、手書きの遺言書を見つけた際に必要な手続きである「検認」の概要と、検認などの相続手続きにおいて必要な戸籍謄本について説明しました。

再度お伝えしますが、検認は遺言書の有効・無効の判断ではなく、確かに遺言書があったことの確認であることを覚えておきましょう。また、相続人を確定するためには、亡くなった人の一生涯の戸籍と、相続人の現在戸籍が必要になります。

次回は、検認の申立ての詳しい流れを説明します。

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