コーヒーで旅する日本/四国編|10年を経てなお増す徳島への愛着。洗練を重ねたメニューで街の日常に溶け込む「sumiyoshi4丁目 COFFEE STAND」
東京ウォーカー(全国版)
住むほどに魅力を増す街の新たな日常の一部に

メニュー全体を見ても、カテゴリーは「コーヒー」と「トースト」だけ、といたってシンプルだ。ただ、だからこそ、一品にかける手間を惜しまず、完成度を高めることに腐心する。午前限定の提供で、モーニングやブランチとして人気のトーストも、名前からは想像できない彩りの鮮やかさに思わず目を見張る。皿に散りばめられた旬のフルーツは、食べやすさや味の感じ方によってカットを変えるという細やかさ。一品ごとにとことん磨きをかけたメニューは、この店の真骨頂であり、厚い支持を得る所以だ。
開店から10年を超えて、「初めのころより、随分肩の力が抜けました」という石さん。界隈にコーヒースタンドやエスプレッソ系のドリンクも珍しかった当初は、新たなコーヒーカルチャーを広げようとの気負いもあったが、「いまは無理せず自然体でコーヒー屋をしたいなと思えるようになりました。ライフスタイルに合わせて、街の日常の一部として、この店が馴染んでいけばいいなと」。穏やかな語り口には、新たな地元の拠り所として受け入れられてきた充実感もにじみ出る。

とはいえ、徳島にはじめて来たころに比べると、街の様子も大きく変わった。「大学にいたころはカフェがいっぱいあって、駅前もにぎやかでしたが、関西に6年いて戻ってきたらシャッターが目立ち、人がいなくなって寂しさを感じました。それでも、今またいろんなコーヒー店が増えてきたので、お客さんの選択肢が広がってきている。そこから街の新しい流れがうまれるかもしれないし、ここがそういう役割を担えたらいいなと思います」。偶然の縁に導かれ、住むほどに街の魅力を感じてきた石さん。徳島への愛着は今も増すばかりだ。

石さんレコメンドのコーヒーショップは「クエイル珈琲」
次回、紹介するのは、同じ徳島県石井町の「クエイル珈琲」。
「とよとみ珈琲で焙煎を教えてもらっていた当時、スタッフだったのが店主の井口さん。しっかり者で頼れる先輩で、お互い独立準備に向けて一緒に焙煎を勉強していました。お店はお遍路小屋みたいですが、井口さんの好きなものがぎゅっと詰まっている、宝箱のような場所。3坪しかないのに、焙煎機、エスプレッソマシン、豆やギフトの販売までちゃんと収まっているのがすごい。井口さんの大らかな人柄もあって、地元のお客さんに愛されている一軒です」(石さん)
【sumiyoshi4丁目 COFFEE STANDのコーヒーデータ】
●焙煎機/ディードリッヒ2.5キロ(半熱風式)
●抽出/ハンドドリップ(ハリオ、オリガミ)、エスプレッソマシン(スレイヤー)
●焙煎度合い/浅~深煎り
●テイクアウト/ あり(500円~)
●豆の販売/ブレンド4種、シングルオリジン2種、100グラム800円~
取材・文/田中慶一
撮影/直江泰治
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