コーヒーで旅する日本/四国編|幼いころから親しんだコーヒーが天職に。日々、実感するロースターの醍醐味。「Nao Coffee」

東京ウォーカー(全国版)

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コーヒーが苦手な人にこそ多彩な魅力を届けたい

「ボリビアのアグロタケシという銘柄が好きなので、いつか産地に行ってみたい」と佐々木さん

現在、コーヒーのラインナップはシングルオリジン5種類を、時季ごとに入れ替えて提案。黒糖のような甘味とトロピカルなニュアンスを持つコロンビア、フローラルな香りが華やかなエチオピア、チョコレートライクな余韻が印象的なグァテマラなど、多彩な個性を生かした浅煎りの豆がそろう。「チョコ系、フルーツ系、トロピカル系など、風味が重複しないようにセレクトしています。深煎り主体のお店はすでにいっぱいあるからほかに任せて、浅煎り主体で、自分が感動したスペシャルティコーヒーの醍醐味を伝えたい」

念願のロースターとしてスタートして4年。店を始めてみて気づくことも多いという佐々木さん。「お客さんとプロの視点は違うなと感じます。プロは細かいところに目がいきがちですが、お客さんは気にしてなくて、単純においしいかどうかだけを判断する。見ているところが全然違う。店にこもって焙煎しているとすごく気になることも、例えばイベント出店でお客さんの反応に触れると、そうでもないことに気づく。このコーヒーを飲むのは誰か、という意識を忘れてはいけないなと思います」

豆を購入したお客にはコーヒーを1杯サービス


一方で、スペシャルティコーヒーの登場以来、コーヒーシーンは常に変化を続け、豆の品種やプロセスもさらに進化を続けている。「同じ国や農園でも、年ごとにどんどん新しい風味が出てきて、産地の人もチャレンジしていることがわかる。いつか産地にも行ってみたいですね」と、ロースターの醍醐味を日々実感している。そんな佐々木さんが、自ら作ったコーヒーを届けたいのは、同世代の友人たちだという。「私はずっとコーヒー好きでしたが、学生時代までは周りに同じように好きな人はいなくて、専門学校で初めて同好の人に出合ったくらいで。カフェに行っても、みんなスイーツの話題が多かったですね。コーヒーが苦手な理由を聞くと苦い、渋いという子が多かったんですが、そればっかりじゃなくて、コーヒーはもっとバラエティ豊かだと伝えたい。今、苦手な人ほど飲んでほしいし、逆にそういう人ほど、一度知ればはまると思っています。向こうから関心は持たないので、それをどう届けるかが大事になる。イベントや異業種とのコラボとか、ジャンルの外で間口を広げていきたいですね」

佐々木さんレコメンドのコーヒーショップは「Peaceful Coffee Roaster」

次回、紹介するのは、同じ愛媛県松山市の「Peaceful Coffee Roaster」。
「私とほぼ同時期にオープンした、店主の島田さんのこだわりが詰まったコーヒーショップ。“好きなものしか売らない”というスタンスがはっきりしていてすごいなと感じます。コーヒーの焙煎はもちろん、独自のスイーツやカップのチョイスなど、店のすみずみまで島田さんの目が届いています。着眼点が新鮮で、行くたびに新しい要素が加わっていて、コーヒー以外のジャンルにも詳しい。お店を訪ねて、話していると、いつも刺激をもらえます」(佐々木さん)

【Nao Coffeeのコーヒーデータ】
●焙煎機/フジローヤル 5キロ(半熱風式)
●抽出/フレンチプレス
●焙煎度合い/浅~深煎り
●テイクアウト/ なし
●豆の販売/シングルオリジン5種、100グラム850円~


取材・文/田中慶一
撮影/直江泰治

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

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