坂東龍汰「声の表現の深さにあらためて気づかされた」頭をフル回転させて挑んだ『ヒックとドラゴン』、ヒックとの共通点は「大自然の中で得た知識や経験」
東京ウォーカー(全国版)
『シュレック』『ボス・ベイビー』など、数々の世界的人気作を生みだしてきたドリームワークス・アニメーションが手掛けた同名アニメーション作品を実写映画化した『ヒックとドラゴン』。バイキングの少年ヒックの成長やドラゴンのトゥースとの友情を描いた本作で、主人公のヒックを、ハリウッドの洋画吹き替え初挑戦となる坂東龍汰さんが演じている。本作のアフレコを経験して感じたことや演じた役柄、さらに昔ハマったファンタジー作品について語ってもらった。

アフレコで印象深かったのは「ヒックと自分の変化がすごくリンクしていると気づいたこと」
――バイキングの一族が暮らすバーク島の若きバイキングで変わり者のヒックをどんな人物だと捉え、どのような準備をしてアフレコに挑みましたか?
【坂東龍汰】ヒックは父親のような立派なバイキングになりたいという願望を持ちつつも、ドラゴンから逃げ回ってしまうようなひ弱な少年として最初は登場します。どこか頼りないけれど、心優しくてピュアでまっすぐな性格のヒックをしっかりと演じたいと思いました。準備に関しては、まずヒック役に僕を選んでくださったポイントをスタッフの方に聞くことから始めました。
そしたら「普段の坂東くんからヒックっぽさを感じるし、ヒックを演じたメイソン・テムズさんと坂東くんの骨格や顔の作りが似ていると思うからありのまま演じてもらって大丈夫です」と言ってくださったので、そこから一気に不安はなくなって、台本を読み込んでいきました。スタッフさんの「似ている」という言葉はすごく大きかったですね。
――ヒックの吹き替えに挑戦されてみていかがでしたか?
【坂東龍汰】プロの声優さんは、あらゆるキャラクターのいろいろな感情を声だけで表現するという経験を積まれていて、その中で培ってきた技術がありますが、僕は昨年公開されたアニメーション映画『ふれる。』が初めての声のお仕事で、まだまだ技術が足りないんです。そんな自分が今回はメイソンさんのお芝居に声を合わせていく…これが想像以上に難しくて。「似ている」という言葉を信じて必死でアフレコをしていました。

――アフレコではどういったところに一番苦戦しましたか?
【坂東龍汰】日本語と英語では同じ内容のセリフでも言葉数が違うので、タイミングを合わせるのに苦戦しました。だけど“メイソンさんの口の動きに合わせること”に集中しすぎてしまうと、自分の間で演じられなくなってしまうので、常に頭をフル回転させながら最初はアフレコをやっていましたね。
途中からは少しずつ慣れてきて、自分の間を大事にするように意識しました。多少タイミングがズレてもあとで修正は可能ですし、ヒックの感情を細やかに捉えながら演じるやり方は正解だったんじゃないかなと思います。
――ヒックを演じたことで発見したことや、気づいたことがあれば教えていただけますか?
【坂東龍汰】アフレコ期間中に、ヒックと自分の変化がすごくリンクしていることに気づいて、それが一番印象深かったです。最初は弱かったヒックが、伝説のドラゴン・トゥースと出会って成長していくように、僕も実写の吹き替えというお仕事と出会い、声をあてていく中で少しずつ自信がついていったというか。
台本を読んで、ヒックの成長をしっかりと声で表現したいと思っていたので、自分自身の状況がうまくマッチしてよかったです。前半のヒックの声は弱々しいですが、後半のヒックは「やってやるよ!」と、自信満々な声になっているので(笑)、そこはぜひ注目していただきたいです。


ヒックとの共通点は「大自然の中で得た知識や経験が仕事に役立っているところ」
――苦悩しながらもドラゴンと共生する世界を実現させようと奮闘するヒックの姿に勇気づけられる人も多いと思います。坂東さんは困難に直面した時にどんな風に乗り越えてきましたか?
【坂東龍汰】自分はヒックと似たようなところがあって、たとえば、ヒックがトゥースとコミュニケーションを取っていく中でたまたまドラゴンの癖や特徴を見つけて、それを裏技みたいにドラゴントレーニングで活用するじゃないですか。僕も何か困難なことに挑む際に、直感的に“こうすれば突破できるんじゃないか”と閃くことがあるんです。
――ヒックのように一度経験したことが何かの形で活かされるということでしょうか?
【坂東龍汰】そういったことが多いような気がします。僕は北海道で育ったのですが、大自然の中で得た知識や経験が、このお仕事はもちろん、ほかにも意外なところで役立っていると感じます。そうやっていろいろなことを乗り越えてきたんじゃないかなと、今回アフレコをやっていく中であらためて気づかされました。メンタル面においても、気持ちを整理したい時や前向きになりたい時など、北海道での経験がいい意味で作用することがありますね。

――本作をご覧になって特に好きなシーンや印象的だったシーンを教えていただけますか?
【坂東龍汰】ヒックが初めてトゥースの背中に乗って飛んで、突然落下していくまでの一連のシーンは映像が素晴らしいですし、疾走感もすごくて圧巻でした。このシーンのアフレコはドラゴンに乗っている時のヒックを想像で演じなければいけなかったので、すごく難しかったのですが、やっているうちに自然とテンションが上がって、1発オッケーをもらえたのもうれしかったです。
アフレコ直後に僕の声を映像に重ねたものをスタッフさんと一緒に確認したら、あまりに興奮しちゃって「フーーーー!」とか「最高!!」とみんなで叫んだりして(笑)。「もうええやろ!」って周りからツッコミが入るまで何度も繰り返し見させていただきましたし、僕の中ですごく印象に残っているシーンです。
――ドラゴンライドのシーンをIMAXのスクリーンで観たら臨場感があって大興奮しそうです!
【坂東龍汰】IMAXカメラで撮っているので、大迫力の映像が楽しめると思います。ぜひIMAXや4Dで観ていただきたいです。

――2019年にシリーズ3作目『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』のプロモーションで来日したディーン・デュボア監督にインタビューしたのですが、その際にアニメのトゥースの動きや表情は、オオトカゲや猫、そして監督の愛犬などを参考にされたとおっしゃっていました。坂東さんはトゥースのどんな仕草や表情、行動が“かわいいな”、“おもしろいな”と思いましたか?
【坂東龍汰】アニメ版のトゥースの愛嬌のある表情やキュートな仕草が実写版で忠実に再現されていて、そこがまず最高だなと思いました。ディーン・デュボア監督がいろいろな動物の動きをモーションキャプチャーで取り入れてアニメ版のトゥースを完成させていったという記事を僕も以前拝見して、確かに非現実的で恐ろしいドラゴンではなく、身近なペットみたいなかわいらしさをトゥースから感じるなと思いました。

――ヒックが恐る恐るトゥースの鼻先に手で触れるシーンがありましたが、もしも坂東さんの目の前にトゥースが現れたらチャレンジできますか?
【坂東龍汰】“トゥースだったらいけるかも!?”と思わせてくれるかわいらしさはありますが、万が一パクッと噛まれたら困るので、迷うことなく逃げます(笑)。


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