松井玲奈の書き下ろしエッセイ 『ろうそくを吹き消す瞬間』インタビュー「一瞬で消えてしまうけれど、大切なものは確かにある」
東京ウォーカー(全国版)
自分の中にある小さな幸せを、少しずつ発信していきたい
――収録されたエッセイの中で、特別な一編を挙げるとしたらどれでしょうか?
【松井玲奈】「ろうそくを吹き消す前に」は、タイトルが先に浮かんだからこそ生まれたエッセイで、最後から2番目くらいに書いたものなんです。「これまで書いてきたことをすべて集約させたのが、このエッセイかもしれない」と思いながら書いたので、やっぱり一番思い入れがあります。
「決意表明」も印象に残っています。自分の書いたエッセイに対し、「これ、ライターさんが書いたんですよね」と言われたときの話で、書きながら当時の悔しさを思い出しました。でも、その悔しさが「自分はこれからどうなりたいのか」という道しるべを作ってくれた気もして。読んでくれる方々に「私はお芝居もずっと続けていくし、書くこともやめない」とはっきり明言できたのは、自分にとってすごく大きな変化だったなと思います。言ったからには逃げられないなという思いもありますけど(笑)。
楽しみながら書いたのは、兄の結婚式について綴った「私のヒーローはヒップホップスター」です。楽しみながら書きましたし、家で声に出して確認しながら読んだときも、自分で笑っちゃうくらいおもしろくて。書いていても読んでいても、すごく楽しかった思い出の一編です。
――1冊を書き終えて、「自分ってこんな人だったんだ」「こんなことに幸せを感じていたんだ」と、あらためて気づいたことはありますか?
【松井玲奈】食べ物のことを書いているときが、一番幸せそうだなと思いました(笑)。
あとは、これまでのエッセイでも子どものころの話はたくさん書いてきたんですが、今回は特に幼少期の思い出が多かったなと感じました。その出発点をたどっていくと、両親がいつも忙しくて一緒に過ごす時間が取れなかったことなんです。だから、「見てほしい」「かまってほしい」「何かしてほしい」という気持ちが満たされたときに、「自分はここにいるんだ」「認めてもらえたんだ」という幸せにつながっていたんだなと思いました。「子どものころはあまり言葉にしてこなかったけれど、実は私、寂しかったんだな」と、過去の自分の気持ちをあらためて知ることができたのは、大きな気づきでした。
それと同時に、今後エッセイを書くときは、もう少し先の記憶も掘り起こしていかないといけないと思いました。中高時代の話は、全然書いていないんです。このエッセイ集で幼少期は一度書き切ったということで、次に進みたいなと思っています。
――このエッセイを書いたことで、幸せとの向き合い方に変化はありましたか?
【松井玲奈】今回のエッセイ集の出発点になった“幸せ自慢”については、まだ明確な答えが出ていません。でも、受け取る側それぞれに幸せについての価値観、幸せを発信することへの思いがあるので、振り回されることなく自分は自分の軸で大切にしたいものを守っていけたらと思います。自分の中にある小さな幸せを、少しずつエッセイなどの形で発信していきたい。そんなふうに考えるようになりました。
取材・文=野本由起
写真=TOWA
ヘア&メイク=菅井彩佳
スタイリング=船橋翔大
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