空気階段・水川かたまり「“誰も売れるな”と思っていた」売れる前の自身に重なる主人公役で舞台デビュー

東京ウォーカー(全国版)

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僕が過ごした20代を役に投影できたら

――「好きなものを作りたい」という気持ちと、「評価されたい」という、ものづくりをする人ならではの相反する気持ちについて、かたまりさんご自身はどう捉えていますか?

【水川かたまり】僕の場合は、場面によって変わります。ルミネtheよしもとなどの劇場で毎日行われている寄席の出番では、ウケることが正義だと思っています。吉本のお笑いを観に来たお客さんが、たくさん笑って帰る。それが一番大事で、そこではウケることが評価でもあります。

一方で、空気階段だけで2時間やる単独ライブでは、自分たちがやりたいこと、自分たちが見たいものを基準にしていますね。このバランス感覚は、経験を積まないとわからないものかもしれません。

――タイトルの『春よ来い、マジで来い』には、希望だけでなく焦りや切実さも感じます。この物語における“春”とは何だと思いますか?

【水川かたまり】夢も恋愛も含めて、いろいろなものを包括している言葉だと思います。孝志たちは、今の苦しい期間を「後々、伝説にするんだ」と言っています。この時期をいつか語れるところまで進むこと、恋愛も含めて次の段階へ進むことが、春なのかもしれません。今、パッと答えたので、明日考えたら全然違うことを言っているかもしれませんけど(笑)。


――夢がなかなか叶わず、まわりに取り残されていると感じている人に、この作品をどのように受け取ってほしいですか?

【水川かたまり】結果が出なければ、絶対に焦ります。そこには抗えない。でも、作品の中に「続ける才能」という言葉が出てくるんですけど、僕自身もそれは確かに才能だなと感じているんです。苦しい期間を、ただ苦しいだけだと思っていると、続けようという気概がどんどん削がれていく。結局、自分は楽しいからやっているんだろう、ということを思い返してほしいですね。

――最後に、かたまりさんが孝志を演じる意味を、どのように感じていますか。

【水川かたまり】芸人を始めたころから、「作家っぽい見た目」「構成作家っぽい見た目」と言われることが多かったので、まずビジュアル面はクリアできているのかなと(笑)。それだけでなく、芸人のなかでも僕は孝志とのリンク度が高い気がしています。30歳になるまでの感覚や、僕が過ごした20代を、役に投影できたらと思っています。

舞台『春よ来い、マジで来い』のキービジュアル


撮影=TOYO
取材・文=イワイユウ

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