90’sヒット曲が彩るアツい友情。懐かくてどこか新鮮な爽快青春ムービー!<連載/ウワサの映画 Vol.48>

東海ウォーカー

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自身は”コギャル”経験がなくても、その存在を知るすべての人(&初めて知る人も!)、そしてカラオケで”小室ファミリー”あたりを熱唱したことのあるすべての人が楽しめる「SUNNY 強い気持ち・強い愛」。韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」を元ネタに、舞台を80年代・ソウルから90年代・東京へ、シンディ・ローパーやボニー・Mらの楽曲をJ-POPへとチェンジ(音楽は小室哲哉が担当!)し、日本独自の90’sカルチャーを凝縮した本作。誰の心の中でも永遠に生き続ける”イタくて愛しい青春時代”と”二度とは得難い友情”にアツくなります!

主人公・奈美役の篠原涼子&広瀬すず。現代組と1990年組のキャストが意外と似てる! 特に、口の悪い裕子役の小池栄子&野田美桜は「あれがこうなる」ってのがわかりやすい!©2018「SUNNY」製作委員会


空前のコギャルブームに沸いた90年代。そんな時代に青春を謳歌した女子高生の仲良しグループ“サニー”の6人のメンバーは、20年以上の時を経て、それぞれ問題を抱える大人になっていました。専業主婦の奈美(篠原涼子)は、ある日久しぶりに、当時の親友でビジネスで成功を収めた芹香(板谷由香)と再会しますが、彼女が末期がんに冒されていることを知ります。「死ぬ前にもう一度だけ、みんなに会いたい」ー。そんな芹香の願いを叶えようと動き出す奈美でしたが...。というお話。

ある事件がきっかけで音信不通になっていたサニーの面々。再集結を願う芹香のため、奈美は探偵(リリー・フランキー)にメンバー探しを依頼します©2018「SUNNY」製作委員会


茶髪&細眉&ミニスカ&ルーズソックス、ミジェーンやアルバローザのショッパーにミルキーペンに写ルンですなどなど…。雑誌「egg」を愛読するのがチョべリグ(笑)なコギャルワールドが再現され、懐かしさを通り越してこっぱずかしく、一周回ってなんだか新鮮。1990年代中盤といえば、バブル崩壊の傷は癒えず阪神大震災やオウム真理教事件で社会は暗いし、ノストラダムスの予言も気になって…。そんな陰鬱さを蹴散らすがごとく登場したんですね、コギャルって。今思えば、消費さえも引っ張ったその文化は当時の日本には必然だった気がして、しみじみ。

…しかしコイツら、所かまわずウルさい。あの頃スマホいじりの文化があったなら、ガチトークで大盛り上がりして人様の迷惑になることもなかったかもな…。再び、じみじみ©2018「SUNNY」製作委員会


主人公・奈美を軸に、やんちゃな高校時代(1990年代)と、かつての威勢を失っちゃった現在(2018年)が交錯しつつドラマは展開。高収入の旦那と一人娘と共に何不自由のない生活を送りながらも「なんか物足りない」という奈美(贅沢...?)が、全力で輝いていた頃の自分と友情を取り戻していく姿はまさに2度目の青春です! 娘の制服を拝借して安室ちゃん気分に浸る(目撃した娘はドン引き)篠原涼子をはじめ、豊胸手術をしてセレブマダムに収まってる役が似合いすぎな小池栄子や、アルコール依存のシングルマザーを演じるともさかりえら、”中年サニー”のキャラが濃いっ。

篠原涼子も小室ファミリーの一員ということで、期待して観てましたが…。やっぱり「愛しさとせつなさと心強さと」などは流れませんでしたー。残念!©2018「SUNNY」製作委員会


再会した先生からは「ダサかったよね~」、リリー・フランキー扮する探偵からは「コギャルあがりは困るな~」…。約20年後にこんな扱いを受けるとは思いもよらない”女子高生サニー”を演じる面々も、未知なる時代を背景に奮闘してますよー。方言丸出しの転校生・奈美役の広瀬すずが、白目をむいてキレる場面はハンパないインパクト。尋常じゃない暴れぶりがひときわ”友情”を印象付ける名演技です! そんな田舎娘の奈美を受け入れる”イケてる集団・サニー”のリーダー役・山本舞香ちゃん&モデルをしてる設定の池田エライザちゃんもカリスマ的かっこよさ!

震災をきっかけに淡路島から転校してきた奈美(左)。お好み焼きを囲む彼女の家庭の、吉本新喜劇的なノリも見ものです©2018「SUNNY」製作委員会


自らリメイクを熱望したという「モテキ」などの大根 仁が監督とあって、”音楽映画”としての完成度も高い。 安室奈美恵、小沢健二、久保田利伸 with NAOMI CAMPBELL、hitomi、trf 、JUDY AND MARY、Charaらのヒット曲に否応なく当時に連れ去られます。その頃のモテ男をロン毛で好演する三浦春馬が、すずちゃんの耳にヘッドフォンを当てた瞬間に流れ出す”あの曲”に久々にトキメいちゃって…、歌と思い出って強力にリンクしてるんだなーと実感&赤面。

おしゃれな”渋谷系”・オザケン(=小沢健二。念のため)の「強い気持ち・強い愛」、安室奈美恵の「SWEET 19 BLUES」など…。今聞いても胸に響く名曲が満載!©2018「SUNNY」製作委員会


「自分(たち)サイコー!」と完全にツケ上がっていた高校時代の”自尊心のカタマリ”を取り戻したくなる1本でしたねぇ。再び閉塞感が漂う現代日本に、”パワーの象徴”として蘇ったコギャルたちが見せつける「”強い”気持ちと”強い”愛」。老いていろいろ弱まっていた私でしたが、鑑賞中からず~~っとカラオケに行きたくて身も心も猛烈なコーフン状態に! 何かが…、確実に強まった(笑)。【東海ウォーカー】

”現在”と”過去”が出会う、総勢200名が集結した体育館でのラスト・パフォーマンスも大迫力ですよー©2018「SUNNY」製作委員会


【映画ライター/おおまえ】年間200本以上の映画を鑑賞。ジャンル問わず鑑賞するが、駄作にはクソっ!っとポッーンを投げつける、という辛口な部分も。そんなライターが、良いも悪いも、最新映画をレビューします!  最近のお気に入りは「プーと大人になった僕」(9月14公開)のプーさん(ジム・カミングスの声がツボ)!

おおまえ

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