尾張徳川家の宝物がずらり!見ごたえたっぷり「徳川美術館」で知る大名文化
東海ウォーカー
織田信長・豊臣秀吉・徳川家康という戦国時代を彩った三英傑にゆかりのある名古屋。徳川家の歴史とリンクした美術館が、名古屋市東区にある徳川美術館だ。1935年に開館した私設美術館で、尾張徳川家が有した数々の宝物を収蔵する。
御三家とは?
徳川家康が全国統一を成し遂げてから、250年以上に及んだ「パクス・トクガワーナ」と称された平和な時代を作り上げた徳川家。将軍家に次ぐ地位を保っていた、尾張・紀州・水戸の徳川家を通称「御三家」と呼ぶ。尾張徳川家は御三家の中でも筆頭格に当たり、家康の九男・義直を初代藩主として長きにわたり大きな力を発揮した。
豪華な生活をうかがい知ることができる展示空間
徳川美術館では、初代将軍・家康の遺品を中心に、初代藩主であった義直以下代々の遺愛品、いわゆる「大名道具」を中心に1万件あまりを所蔵。多くの展示品がただガラスケースの中に展示されるのではなく、再現された当時の大名たちの生活空間の中に展示されている。尾張徳川家の居住空間および藩政を行う場所だったのが名古屋城二之丸御殿。6つの名品コレクション展示室では、テーマ別に当時の生活を垣間見ることができる。
茶の湯文化を紹介する第2展示室は、日本三大茶席の一つとされる「猿面の茶室」を再現。様々な茶具を展示し、武家の公式行事に取り入れられ、外交手段の一つでもあった「茶の湯」の世界を紹介する。
第4展示室では、名古屋城二之丸御殿内の御広間前にあった表能舞台を再現。総ヒノキ造りの大きな舞台を中心に、豪華な能装束や能面・狂言面を展示する。豊富なコレクションゆえ、展示品は時期に応じて入れ替えられる。
数々の国宝を展示
最大の注目は、三代将軍・家光の娘であった千代姫の婚礼調度品だ。尾張徳川家2代藩主・徳川光友の元に嫁いだ際に持参した棚や化粧道具は、「日本一豪華な嫁入り道具」とも呼ばれている。
また、『源氏物語』の「初音」の帖をモチーフにした蒔絵を施すなど、当時最高の蒔絵師が手がけ、徳川家だからこそ成し得たこだわりが見られる。
国宝「源氏物語絵巻」も国内最多となる三巻を所蔵。尾張徳川家19代義親により、1932年に巻物装を解き、額面貼付に装丁し直す形で保存されている。原本の展示は、例年11月中旬と極めて短期間に制限されているため、第6展示室では、複製と映像により作品を紹介する。
尾張徳川家の旧蔵書を引き継いだ名古屋市蓬左文庫を併設。ガーデンレストラン「徳川園」や日本料理「宝善亭」など食事ができるスポットもあり。緑豊かな徳川園と合わせて、ゆったりとしたひと時を楽しんでみよう。
山田晃裕
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