いよいよ本格的なシーズン開幕!フィギュアスケートの国内大会情報をご紹介!(ジュニア女子、東京ブロック編)

東海ウォーカー

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今回は東京ブロック、中部ブロックよりジュニア選手を取り上げたい。ジュニアグランプリと日程が被り、ブロック大会に出場していない有力選手も多いのだが、今の日本は魅力的な選手には事欠かない。そうした、なかなかメディアで取り上げられない魅力的な選手を見つけられるのもブロック大会ならではの楽しみだ。

うれしい初優勝!独創的な振付と豊かな表現力が魅力、平金桐


平金桐、サマーカップでのショートプログラムの演技。独創的な振付だ中村 康一(Image Works)


ローカル大会にも通う、熱心なファンには以前からお馴染みの選手なのだが、こうして記事になることは今までなかったように思う。実際、スケート人生において優勝の経験はあまりないとのこと。抜群の表現力が魅力の選手だが、それは星野有衣子コーチの独創的な振付によるところも大きい。昨シーズンから星野コーチに師事するようになってから長足の進歩を遂げ、今回、うれしい東京ブロック初優勝となった。

以前はムサシノクラブに所属していた。星野コーチに教わるようになったきっかけは、「前のクラブで行き詰まりを感じていた時、以前のコーチが振付師として星野コーチを勧めてくれて、それが縁で練習にも参加させてもらえるようになりました。それがとても新鮮だったんです。意を決して移籍をお願いしに行きました」。

星野コーチといえば、シンクロナイズドスケーティングの選手として世界のトップチームで活躍した経験があり、振付も現代的で独創的なものを得意としている。特にショートプログラムが印象的だ。

「コーチが曲の編集からこだわりを持って作ってくれています。音にはめる表現が多いので、自分が少しでもミスをして外れてしまうと世界観を表現できなくなってしまいます」と、演じる側としては苦労も多いようだが、その苦労がいい経験になっているようだ。そして、移籍後に特に力を入れるようになった点に、スケーティングの強化がある。

「私はスケーティングが下手なんですが、星野先生はとても上手なんです。クラブの小さな子どもたちも上手で、『この級でこのスケーティング?』!と驚かされました」と、スケーティングの強化に励むようになったのだという。

今季、サマーカップ、夏季フィギュアではフリーの出来栄えはあまりよくなかった。シーズン前に怪我をしてしまい、その影響が尾を引いたのだそうだ。

「怪我をした時点では、ブロックに間に合えばいいね、という状況でした。思ったよりも早期に復帰できたんですが、練習量が少なく、滑り込みが足りていませんでした」。

今後はさらにスケーティングを改善し、後半まで体力が持つようにしたい、と意欲的に語ってくれた。

「東日本選手権では、もっとスピードのある、迫力のある演技をしたい。自分だけの空気感を大事にして堂々と演技したいです」。

全日本ジュニアでは演技が放送されるはずだ。ぜひ彼女ならではの世界観をご覧いただきたい。

度重なる怪我からようやくの復活!松岡あかり


松岡あかり、東京ブロックでのフリースケーティング中村 康一(Image Works)


まだまだ本来の演技ではない。難度を落とした構成をようやくこなせた段階だ。それでもリンクに戻れた喜びに満ちた姿に、観客からの万雷の拍手が降り注いだ。まずは復帰戦となった、8月の夏季フィギュアの様子からご紹介したい。

「試合は昨年の全日本ジュニア以来です。足を骨折して、1か月ぐらい休んで、ジャンプ練習を再開していたんですが、再び別の箇所を骨折してしまいました」。

全日本ジュニアの前から痛みを我慢していたそうだが、12月に検査して骨折が判明したという。復帰後に踵を骨折。しっかりと治さずに無理に練習したことで長引いてしまったようだ。さらに夏季フィギュアの1か月半前には転倒して右手を骨折、さらに1週間前には左手も骨折したという。合計、この1年弱で4、5回の骨折を経験したそうだ。「これ以上は怪我しないと思うので」と笑っていたが、心からそう願いたい。

今季のショートプログラムは“ムーンリバー”。振付は佐藤紀子先生だ。「強い、早い曲よりもゆっくりした曲を使いたかったんです」。昨シーズン、強い曲調のショートでミスが多かったことも理由の一つだそうだ。松岡選手にぴったりの美しいプログラムに仕上がっている。東京ブロックに向けての足慣らしとして出場したこの夏季フィギュアでは、すべてのジャンプを1回転に抑えたこともありフリーには進めなかったが、復活に向けた手応えを大いに感じる試合となった。

そして迎えた東京ブロック、松岡選手の本来の構成からはかなり難度を落とした演技となったが、2位に入賞し、無事に東日本選手権へと駒を進めることができた。

「トウループとループを入れての練習がそんなにできなかったので、本番で決めることができてよかったです」。

グループ最終滑走だったこともあり、その待ち時間に友人、家族と話をして、自信を持って臨もう、との強い気持ちを持てたようだ。

フリープログラムは2シーズン目の“黄昏のワルツ”、昨シーズンよりも演技が大きくなったと感じる。休んでいる間、スケーティングしかできない時期があったことがある意味、功を奏したようで、この点は「怪我をしてよかったこと」だと言う。

「難易度は低いんですが、フリーでこれだけできたことは自信になりました。もっと練習しないと全日本なんて行けないんですが、頑張ります」。

夏の時期には大きな目標を公言することすらできなかったが、ようやく自信を取り戻しつつあるようだ。全日本ジュニアで上位入賞し、全日本選手権に出場する目標を語ってくれた。昨シーズン、地元、東京での全日本選手権出場を目指しながら叶わなかった悔しさを、何とか晴らしてもらいたいものだ。

東京ブロックで2度目の3位入賞!表現力で魅せる、横谷杏林


横谷杏林、東京ブロックでのフリースケーティングの演技中村 康一(Image Works)


ショートプログラムでは1位、優勝も狙えるポジションだったのだが、フリーではミスが多く、総合3位となった。ただ、「夏の大会以降、ずっとボロボロの状態だったので、そこからだいぶよくなってきた」と、手応えを掴めた大会となったようだ。

2年前にも東京ブロックで3位入賞を果たしているのだが、その時とは内容が全く違う。前回は3回転ジャンプは2種類のみ。トウループ、サルコウだけを完璧に跳んでの結果。しかし今回はフリップ、ループも入れられた。さらなる飛躍を見込める、濃い内容のプログラムだ。

今季のプログラムは、ショート、フリーともに“グレイテスト・ショーマン”。2つのプログラムを合わせて完成する構成となっている。曲の順番は実際の劇中とは違うそうだが、曲調だけでなく、歌詞の意味も調べて自分からアイデアを出して作り上げたとのこと。表現者としての理想の高さがうかがえるエピソードだ。

今季、ショートではいつもいい演技をするのだが、フリーでのミスが目立つことが多い。ショートに比べてフリーが完成するのに2か月遅れたことで、フリーがまだ仕上がっていないのだそうだ。ただそれほど心配はしていないようで、「もうすぐ仕上がりそうです」と自信を見せた。今日の反省は、試合前に家に戻ってアップをやり過ぎたことだそうで、「太ももがパンパンに張った状態」で試合に臨むことになってしまったという。

そしてこの後、大の野球好きであることを話してくれた。前週の中部ブロックで佐々木晴也が野球愛を語ったことに刺激を受けたそうで、「将来はトップ選手になって始球式をやりたい!」との夢を語ってくれた。ぜひ実現することを願いたい。

高難度のプログラムで全日本ジュニアの頂点を目指す!住吉りをん


住吉りをん、夏季フィギュアでのショートプログラム。高難度のプログラムだ中村 康一(Image Works)


現在、東京のジュニア女子のエースと目される住吉りをん。ジュニアグランプリ出場のため、東京ブロックは棄権となったが、夏季フィギュアでの取材内容を交えてご紹介したい。

今季の住吉選手のショートプログラム“エデンの東”は、とても難しい振付だ。エレメンツの前後の高度な作り込みに加え、ステップも極めて高難度。ジュニアでここまでやるのか、と驚くほどだ。

「永井優香さんの“エデンの東”を見て感動して、いつかやりたいな、と思っていました。昨年のげんさんカップで大庭雅さんの“エデンの東”を見た時にも感動して、来年は絶対に滑ると心に決めていたんです。テーマは“平和”。綺麗な曲なので、そういうイメージを持って滑っています。仕上がりはまだまだです。もっと大きな表現ができるようになりたい」。

今季、彼女が最も得意とするフリップジャンプがソロジャンプに指定されている。そのためにショートプログラムでフリップのコンビネーションを跳ぶことができないハンデもあり、プログラムそのものの難しさも相まってショートプログラムはまだまだ不安定なようだ。とはいえ素晴らしいプログラムであることは間違いなく、早く完成形を見たいものだ。

一方、フリープログラムは昨年からの継続のため、仕上がりは良好だ。ジュニアグランプリでも素晴らしい演技を披露し、カナダ大会では3位と初の表彰台に立った。惜しくもファイナル進出は逃したものの、怪我の多かった昨シーズンまでと違い、今は順調に練習できているという。11月の全日本ジュニアでは優勝を争うことになるだろう。

中村康一(Image Works)

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