北海道ゆるっと鉄道旅~廃線跡編1:幻の橋と生まれ変わった街ナカの観光名所

2018年12月15日 11:00更新

北海道ウォーカー 川島信広

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北海道内には各地に廃止になった鉄道路線があります。線路や駅の跡は撤去され、街中の道路になっていたり自然の原野の中に埋もれていたりします。ただ、一部は観光資源として保存され、気軽に見ることができます。

糠平湖にあるタウシュベツ川橋梁。水位によって見え隠れする幻の橋として有名です

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「北海道ゆるっと鉄道旅」の連載記事の番外編として、廃止になった鉄道の線路跡などを活かした観光スポットを2回に分けて4か所を紹介します。今回は廃線跡を歩いて眺められるスポット、タウシュベツ川橋梁が有名な上士幌(かみしほろ)町にある旧国鉄士幌(しほろ)線の廃線跡と、小樽市の旧国鉄手宮線の廃線跡を巡ります。

幻の橋、タウシュベツ川橋梁は必見!旧国鉄士幌線跡

【写真を見る】タウシュベツ川橋梁。糠平湖の湖水の水位が低い時期は橋脚の下まですっきり全貌を拝めます

士幌線は、十勝平野の北部を走っていた鉄道路線。帯広駅から士幌駅や糠平(ぬかびら)駅などを経由して、大雪山系の山々が目の前に迫る十勝三股(とかちみつまた)駅までを結んでいました。木材や農産物の輸送と沿線住民の足として活躍しましたが、貨物需要も利用者も減少したことから1987(昭和62)年に廃止。その後線路や駅など鉄道設備の多くが撤去されました。

ただ、糠平駅付近から十勝三股駅までの間は山間地にあるうえ、全線廃止に先立ち長期運休していたことから放置され、川や湖を越えるコンクリート製のアーチ橋などが多数残りました。そのことが逆に日の目を見ることに。周囲の自然景観とともに橋の形状の美しさが注目を浴び、一部の橋やトンネルなどは国の登録有形文化財にも登録。なかでもタウシュベツ川橋梁は、全国的に有名な観光スポットになりました。

国内外から多くの人が訪れるタウシュベツ川橋梁

三の沢橋梁の付近は散策路として整備されていて、橋の上を歩くことも可能!(冬季除く)

糠平駅と十勝三股駅の中間にあった幌加(ほろか)駅付近も春から秋まで散策できるよう整備されています

糠平駅と十勝三股駅の間は、人造湖の糠平湖の建設のため一部路線が付け替えられ、旧路線の多くが湖底に沈んでいます。タウシュベツ川橋梁がある場所は旧線区間。橋はダムの水が減少する1月頃から凍結した湖面に姿を現し、水量が増える6月頃から沈み始め、夏から秋には湖底に沈みます(天候状況などにより時期は毎年変動)。これが、「幻の橋」と呼ばれる所以です。見えたり消えたりするミステリアスな存在と、古代ローマの遺跡を思い起こさせる橋の美しさで人気を集めました。

タウシュベツ川橋梁は、国道273号沿いにあるタウシュベツ展望台から遠望することが可能。ただ、せっかくなら橋の迫力ある姿を眺めに近くまで行きたいところ。橋の近くへ通じる林道は許可車両以外通行禁止のうえヒグマの生息地域なので、地元のガイドが引率する有料ツアーに参加しましょう。「ぬかびら温泉」を拠点に現地まで誘導してくれるうえ、詳しい解説も交えて案内してくれます。年々風化が進み、いつ崩壊してもおかしくないと言われている幻の橋。本当に幻と化す前に、ぜひその美しい姿を拝みに行きましょう!

風化が進むタウシュベツ川橋梁。崩落の危険性があるため橋の上や真下付近を歩くことはできませんが、近くで眺めることは可能です

小樽観光の定番スポット、旧国鉄手宮線跡

旧国鉄手宮線跡。線路脇に散策路がずっと先まで続きます

手宮線は、函館本線の南小樽駅から手宮駅までの間を結んでいた路線。全区間が小樽市内の街中を通ります。歴史は古く、1880(明治13)年に官営幌内(ほろない)鉄道として、空知(そらち)地方の石炭を小樽港から運ぶことを目的に手宮駅から札幌駅まで開業したことがはじまりです。その後、北海道炭礦鉄道を経て国鉄の路線となり、長年貨物輸送と旅客輸送を担いました。ただ、近隣に函館本線の小樽駅があるため乗客が少なかったため、昭和時代中期に旅客営業を中止。昭和時代後期には貨物の輸送量も減少したことから、1985(昭和60)年に廃止されました。

街中にありながらも廃線跡は再開発などで消えることなく残り、2001(平成13)年に小樽市がJR北海道より廃線跡の一部を購入し、オープンスペースとして整備しました。ここでは市民や観光客が散策できるほか、「小樽がらす市」などイベントの会場として使用さえています。なかでも、小樽市の冬の一大イベント「小樽雪あかりの路」では、雪や氷でできたさまざまなオブジェを無数のロウソクが照らす、幻想的な空間に生まれ変わります。

小樽雪あかりの路、手宮線会場の様子

さらに、2016(平成28)年には手宮駅があった場所にある小樽市総合博物館付近までの廃線跡も整備され、総延長約1600mにもなる廃線跡の散策路になりました。JR小樽駅から散策路までは最短でも歩いて5分程度なので、小樽観光ではぜひ訪れたいスポットです。

沿道では春は桜色で夏は草色、秋は赤や黄色に染まり、冬は雪景色が広がるなど、四季を通じて楽しめます

列車に乗ることができなくても、歩いて見て回るだけでも鉄道の歴史と風情を感じられるのが廃線巡りのいいところ。今回紹介したところはともに有名な観光スポットです。人気があるというだけあり、とても絵になる素敵なところ。機会があればぜひ訪れてみましょう!

次回は廃線巡りの後編、実際に乗車できる廃線跡を紹介します。廃線なのに乗車!?どこ?どういうこと?その答えは次回!

NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンター(タウシュベツ川橋梁ガイドツアーなど催行) ■住所:上士幌町字ぬかびら源泉郷 糠平温泉文化ホール内 ■電話:01564・4・2261 ※ツアーは内容や時期により複数あり。詳細は問合せを。

※掲載内容は2018年11月現在の情報です。

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