オリンピック種目採用を目指す!シンクロナイズドスケーティングの注目チームを紹介!!

2019年11月8日 20:47更新

東海ウォーカー 中村康一(Image Works)

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2019年11月8(金)から10(日)まで、「ダイドードリンコアイスアリーナ」(東京都西東京市)で、「第72回 都民体育大会フィギュアスケート競技会」が開催される。全国中学校大会、インターハイ、そして国体の東京都予選を兼ねており、東京の選手にとってはとても重要な大会だ。そして本大会では、シンクロナイズドスケーティングの競技も同時に開催される。シンクロナイズドスケーティングとは、シングル、ペア、アイスダンスに続く、団体競技である。

神宮Ice Messengers Intermediateがジュニアに昇格!

まだまだメジャーな競技とは言い難いシンクロナイズドスケーティングだが、現在オリンピック種目採用を目指している競技のひとつ。近年は全国各地にチームが徐々に増えており、多くの選手が練習に励んでいる。そして2019年、日本におけるシンクロナイズドスケーティングをよりメジャーな存在にしてくれるかもしれないチーム「神宮Ice Messengers Intermediate」がジュニアに昇格した。

神宮Ice Messengers Intermediate、夏季フィギュアでの演技

神宮Ice Messengers Intermediate、夏季フィギュアでの演技

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シンクロナイズドスケーティングは、マイナーな存在だったことに加え、どうしても “ジャンプが跳べなくなったシングル選手がやる競技”といったイメージがあったこともあり、早期からシンクロ競技に専念する選手達は少ない。ある程度の年齢に達してからシングル競技から転向するケースが多い中、このチームはジュベナイル年代(ノービスよりも下の年代)からずっとシンクロ競技を続けてきたメンバーが中心となっている。今回はキャプテンである大橋きくの選手のコメントを交え「神宮Ice Messengers Intermediate」を紹介する。※コメントは東京夏季フィギュアの際のもの

メンバー不足に悩むも、国際大会を目指す

将来の活躍に期待が集まる「神宮Ice Messengers Intermediate」だが、実は夏の段階では、人数が14人しかいなかった。シンクロナイズドスケーティングは16人で演技をするのが本来の姿。春にはサブメンバーがいたほど余裕があったはずが、夏にはフルメンバーが組めないほどに減ってしまっていた。

「ジュニアになったということで、大変な挑戦が多くて、辛いことがメンバーそれぞれあったと思うんですけど、それを乗り越えて今日、という感じです」

その言葉通り、さまざまな困難を乗り越えてきた彼女たち。

「今年、高校生になった選手が学業の方で忙しくなって、何人か辞めてしまったんです。今は新規のメンバーを募集しようと声をかけている状態です。元々いたメンバーもちゃんと引っ張っていけるように、今年は一人一人が積極的に、先生に言われなくてもやる、ということをモットーにやっています」

今回の大会エントリーでは16名をそろえることができたよう。ただ、レベルの高いチームだけあって、新メンバーは追いつくのが大変だろうということは想像に難くない。しかしジュニアに上がった今季からは、世界ジュニアを筆頭に、国際大会での活躍のチャンスも広がる。「みんな、国際大会に出たくて本気で頑張っています」とのことなので、その活躍に期待は膨らむ。

夏季フィギュアで演じたプログラムは“ホーム・アローン”。シンクロナイズドスケーティングでは、スタート位置について演技の準備ができたことをレフェリーに知らせるためにキャプテンが合図をする。その時にコミカルなポーズを取ることは良くあるのだが、このプログラムでは寝ているポーズから伸びをする、という面白い趣向でスタートする。昨シーズンまでと大きく異なるのは、ジュベナイルまでは試合に入れることができなかったエレメンツが増えていることだ。

ジュベナイルの年代からずっと同じメンバーを中心にシンクロ競技を続け、ジュニアにまで上がってきたチームは日本で初めてのはずだ。そのことがこれほどのパフォーマンスの違いを生むのかと、感動を覚える演技だった。

【写真を見る】ジュニアに上がった今年からプログラムに入れられるようになったリフト。4体そろった演技が楽しみだ

【写真を見る】ジュニアに上がった今年からプログラムに入れられるようになったリフト。4体そろった演技が楽しみだ

「やっぱりジュニアになったということで、リフトができるようになったことが大きいです。今は人数が足りなくて2体しかできないんですが、人数がそろって4体のリフトを組めるようになるのが楽しみです。最初の二重円の部分は、怪しい感じで泥棒が入ってきたことを、サークルの部分は、ケビンと泥棒が追いかけっこをしている様子を、終盤はお母さんとやっと会えた、という安心感を表現しました」

プログラムの中でちゃんとストーリーを表現しているのだという。16名そろったということで4体のリフトにも期待したい。いずれこのチームがシニアに昇格する頃、大げさでなく世界のトップをねらえる位置に来ることだろう。2022北京五輪での正式種目採用は残念ながら難しい状況だが、2026ミラノ五輪では採用の可能性がある。ぜひ今から注目していきたい。

シニアチームの仕上がりにも目が離せない

神宮Ice Messengers、2019全日本シンクロでのフリースケーティング。美しいブロック

神宮Ice Messengers、2019全日本シンクロでのフリースケーティング。美しいブロック

シニアチームの「神宮Ice Messengers」にも注目したい。毎年世界選手権で活躍しているチームだが、同時に毎年メンバーをそろえることに苦労している状態。ただ今年は比較的順調にメンバーがそろったようで、今回の大会には18名を登録している。とはいえ志尾コーチ曰く、メンバーが入れ替わってからチームを仕上げるまでには大変な苦労があるようだ。

「シンクロとなりますと、決められた時間に一緒に練習しなければならないんです。スケジュール的に拘束されることがきつい選手が多い。またシングルと違って、貸し切りでしか練習できません。リンク事情、費用の問題が出てきます。外国の上位チームは週に16時間ほど練習しているところ、神宮のチームは3時間程度しか練習できない。それを合宿で補うようにしています」

都内でスケートリンクを貸し切るとなると、早朝もしくは深夜にしか予約が取れず、さらにその時間にメンバーが揃って練習することの大変さは、練習を取材した際にも感じることができた。そうした逆境の中、毎年世界選手権で10位前後の成績を収めているというのだから驚きだ。今年はどんなチームに仕上げてくるのか、こちらも楽しみにしたい。

シンクロ競技は9日(土)の8時30分から開始予定。早起きして観に来る価値は大いにある。東京都近郊の方はぜひ現地で観戦してもらいたい。

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