フィギュアスケート・全日本ノービスで見つけた未来のスター候補達 【ノービスアイスダンス、ノービスB男子、ノービスB女子】

東京ウォーカー(全国版)

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ノービスながら素敵なアイスダンスを披露!吉田唄菜・杉山匠海組


全日本ノービスで優勝を決め、全日本ジュニアへの推薦出場も決まった


今回、意外な驚きとなったのがこのカップル、吉田唄菜・杉山匠海組だ。まだ体格の小さな二人だが、実に本格的なアイスダンスを披露してくれたのだ。彼らはカップルを組んで1年目だという。だがとてもそうとは思えないほどツイズルもリフトも上手だ。

吉田「アイスダンスを始めたのは小学校1年生の時です。元々はシングルの選手で、今も両方やっています」

杉山「僕は2年前にアイスダンスを始めました。京都から倉敷に引っ越したんですが、そこに高橋大輔選手が育ったリンクがあって、やってみたら楽しかったんです。アイスダンスを初めて見たのはNHK杯です。ジャンプはないけど綺麗だな、と思って憧れました」

わずかな期間で上達したことについては、二人とも口を揃えて「先生の教え方が合っていたかな、と思います」と、有川梨絵コーチの指導のおかげだと話す。二人に自分の長所を尋ねてみると

吉田「リフト、ツイズルはまだまだですが、スケーティングは自信があります。これが武器だと思っています」

杉山「自分のいいところは、リフトの時に頑張ってキープ出来ることです」

そう、杉山選手はまだ体格が小さいのに、リフトの際にしっかりとホールドしている。リードもとても上手な印象だ。

吉田「最初は怖かったんですけど、慣れてからは全部信頼しているので、安心してリフトされています」

二人ともアイスダンス、シングル、両方をやっているそうだが、今後はどうするのだろう?

吉田「アイスダンスをメインにするつもりです」

杉山「アイスダンスの方が楽しいので、僕もアイスダンスをメインにしたい」

と、嬉しいコメントを聞かせてくれた。将来の目標については、

吉田「私の憧れの選手はイリニフさん(ロシアのエレーナ・イリニフ)。彼女のようになりたい」

杉山「オリンピックに出て、今まで日本人に出来なかったことをしたい。メダルを取りたいです」

と、高い目標を掲げてくれた。彼らは今週末の全日本ジュニアに推薦出場する。その可愛らしいダンスに是非拍手を送ってあげてほしい。

また男子の逸材が現れた、有言実行、中村俊介


今はまだトリプルジャンプは2種類の構成だが、早く5種類を跳びたいという


昨年に引き続きノービスBクラスで2連覇を達成した中村俊介。このクラスでは敵なしの存在だ。直前の展望記事では「気が早いかもしれないが4連覇を期待したい」と私は書いた。ところが本人は、更にその上の目標を持って取り組んでいるようだ。この日、2連覇を意識していたかと聞かれた彼は、

「2連覇というよりも4連覇を目指しています」

そう、はっきりと答えた。そして憧れの存在、羽生結弦については

「目指しているというより、超えたい」

ノービスAの佐藤駿に続き、彼からも羽生結弦超えとの発言が聞かれた。とてつもなく大変な目標だとは思うが、幼少時からそうした意識を持って取り組むというのは素晴らしいことだ。

この日の調子について、「スケートの調子はいまいちでしたが心の調子はばっちりでした」と独特の言い回しで表現した。会見の端々に小学校5年生とは思えない、メンタルのコンディションを意識した強気な発言が目立つ。ただ「メンタルトレーニングは特にしていません」という。自然に出る発言なのだという。

5歳からスケートを始めた彼だが、小学校2年生までは並行してサッカーもしており、そちらでも才能を発揮していたという。だが「サッカーよりもスケートが楽しかったんです。サッカーに未練はありません」とのことで今はスケート一筋の生活のようだ。これだけ運動神経に優れたアスリートがフィギュアスケートに専念してくれることはとても喜ばしく、将来が実に楽しみだ。来季はノービスAクラスに上がるが、

「来年はノーミスして歴代最高得点で優勝したい」

と、これまた強気な発言を聞かせてくれた。今から楽しみに待ちたいと思う。

同じクラブのライバルを逆転、優勝を飾った吉田陽菜


吉田陽菜、全日本ノービスでのフリー演技


中部ブロックでは手嶋里佳に続き2位。その中部ブロックよりも良い演技が出来た印象だ。今季、急速に伸びた選手だが「先生に指導してもらったことをちゃんと守って練習していたらジャンプが跳べるようになったんです」という。

フィギュアスケートの魅力については「みんなの前で一人で楽しんで踊れるところが好き」だという。表現することが大好きなようだ。

今回、前評判では同じクラブの手嶋里佳が有力視されていた。

「手嶋さんはライバルですけど、いつもは仲良く練習しています。いつも手嶋さんの方が先にトリプルのジャンプを跳べるようになって、私が追いかける形です」

そんな吉田選手の憧れの選手は本田真凜だという。スケーティングの美しさに惹かれているそうだ。

「いつかはトリプルアクセルを跳びたい」

そう将来の目標を語る吉田選手だが、当面の課題としては、ジャンプをクリーンに跳べるようになること、そしてまだ跳べないループジャンプの習得を挙げていた。元気な曲が好きで、観客を楽しませる明るい演技が持ち味の吉田選手。今後の成長を期待したい。

実力はこのクラスでナンバーワンながら、ミスが響いた手嶋里佳


”黒鳥”はノービスの選手には難しいテーマだが、見事に表現した


中部ブロックで86.16というハイスコアで優勝。ノービスBクラス初の90点台も期待された手嶋里佳だが、コンビネーションジャンプなどいくつかのミスが響き、2位に終わった。その背景には、中部ブロックの演技後に今後の課題として話してくれた、ルッツのエッジ矯正があったようだ。全日本ノービスに向けエッジ矯正に取り組んだのだが、そのことによりジャンプを崩してしまい、ジャンプの確率が上がってこなかったのだ。とはいえ将来のことを考えれば、エッジ矯正に取り組むことは正しい選択だ。この努力が実を結ぶことを期待したい。

ジャンプのミスはあったものの、表現面ではノービスBとは思えない素晴らしい演技だった。この年代には難しいはずの“黒鳥”を上手に表現できていた印象だ。

「クラシックのバレエのビデオ、鈴木明子選手、浅田真央選手、安藤美姫選手のビデオを見て表現の参考にしました。みんなが笑顔になるような演技、素敵だと思ってもらえる演技を目指したいです」

来季、手嶋選手はノービスAに上がる。ジャンプのボックスの数も6つに増える。3フリップ+3トウループが跳べる手嶋選手にとって、ボックスが5つしかないノービスBの尺はいささか窮屈だったようだが、来季はベストの構成で試合に臨めることだろう。

【東京ウォーカー/取材・文=中村康一(Image works)】

編集部

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