今夏フェス中止200件超。専門メディア代表が語る「生存のカギはハイブリッド化」

東京ウォーカー(全国版)

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フェスが社会のためにできることを模索。行政・企業と連帯した仕組み作り


リアルの場で生の音楽を楽しむこと、そしてそれぞれのフェスが持つバックグラウンドや文化といった音楽以外での楽しみと出会えるのが代えがたい醍醐味であり、それをオンラインだけで再現しようとするのは難しい。しかし、「こういったタイミングだからこそ、フェスが社会に提案できることも増えてくるはず」と津田さんは話す。

「例えば、地域のお祭りやイベントはほとんどが中止になっています。そういったなかで、オンライン配信や規模を縮小した新しいフェスが、日進月歩で作られている。そのノウハウをほかのイベント主催者や行政にオープンソースとして提供することで、新しい時代の新しいイベントの形を、地域社会とともに模索していくことができるのではないかと考えています」

約6億4000万円にも上る経済効果を生んだと言われている、福井発のローカルフェス「ワンパークフェスティバル」「ONE PARK FESTIVAL」


当たり前だった日常が一変してしまった今。日本が世界に誇るフェス文化を守り、その存在価値を示すためにも、これまで以上に行政や地域との連携が求められる。“音楽を楽しむ場”だけではない役割、社会的・文化的貢献度や経済効果といったさまざまな角度からフェスを捉え、その必要性を問い直すことが必要なのかもしれない。

「国や地方自治体から大まかな指針は出てくるかもしれないが、誰も体験したことがない状況なので、現場に立っている人たち自身が新しい基準を作っていくこと、それがさまざまな現場に展開していくことに期待したいです。今後は、フェスやイベントへの協賛企業も減っていくかもしれません。経済的な側面だけでなく、文化的な側面、さらには地域活性化といった面からも企業と協力し合うような動きが起こればと願っています」

「ドライブインフェス」の様子©Afro&Co.


音楽を媒介にして人々へ感動を与え、アーティストや業界に正しく還元し、地域を潤す。コロナ禍においてフェスがその真価を発揮するためには、ガイドラインや収益モデルの策定といった新たな仕組み作りが必要となり、まだまだ課題は山積みだ。音楽ファンとアーティスト、業界内外、さらには企業や行政とも連帯を図り、日本の夏に欠かせないフェス文化を取り戻すために、一丸となって立ち上がることが求められているのかもしれない。

取材・文/佐藤理沙子

※開催日程等は7月31日時点での情報です。取材日以降のフェス開催状況については、変更になっている場合があります。
※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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