特別名勝 栗林公園の楽しみ方を徹底紹介!日本最大の広さを誇る文化財庭園を散策【コロナ対策情報付き】

東京ウォーカー(全国版)

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特別名勝 栗林(りつりん)公園の見どころからグルメ・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介しているイベントや施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)

特別名勝 栗林公園ってどんなところ?変化に富んだ「一歩一景」はシャッターチャンスの連続!

特別名勝 栗林公園の代表的な景色を一望できる「飛来峰」

1631年ごろに、土木技術家・西嶋八兵衛(にしじまはちべえ)によって庭園の基礎が築かれた特別名勝 栗林公園。庭造りは1642年に初代高松藩主・松平頼重(よりしげ)に引き継がれ、1745年の5代藩主・頼恭(よりたか)の時代に完成。以来、歴代藩主により修築され、別邸として使用されてきた。1875年に一般公開されると、1953年に国の特別名勝に指定。2009年にはフランスの旅行ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で最高評価の三ツ星に格付けされ、大名庭園の傑作として多くの人々の心を癒やし続けている。

敷地面積は、東京ドーム16個分にあたる約75万ヘクタールと、文化財に指定された庭園のなかで日本最大。緑豊かな「紫雲山(しうんざん)」を背景にした6つの池と13の築山、優れた作庭技術を取り入れた地割りや石組み、四季折々の木花など歩くほどに変わる景色は、「一歩一景」と評されるほど多彩だ。なかでも、富士山に見立てて造られたともいわれる築山「飛来峰(ひらいほう)」は、園内随一のシャッタースポット。「紫雲山や南湖、茶屋風建物の掬月亭(きくげつてい)といった、公園を象徴する眺望を写真に収めることができますよ」と、公園スタッフもイチオシ。

文化財庭園として日本一の広さを誇る

春はサクラ、秋はモミジなど季節の木花が咲く


【見どころ1】歴代藩主が愛した大茶屋「掬月亭」で侘び寂びを感じる

豊かな自然のなかに佇む「掬月亭」

南湖にせり出す場所にある「掬月亭」は、江戸時代の初期に建てられた数寄屋造りの和風建築。園内にある茶屋風建物の中で最も大きいことから「大茶屋」と呼ばれ、歴代藩主にこよなく愛されてきた。四方に正面があるため園内のどの方向からでも出入りができ、散策中の小休止にぴったり。床から湖面までは手が届きそうなほどの近さで、まるで船に乗っているような感覚を覚える。「飛来峰の逆側に建っているので、また違った景色を眺められます。お殿様になった気分でくつろげますよ」と公園スタッフ。開放感抜群の座敷に腰を下ろし、お菓子付きの抹茶(大人税込700円)や煎茶(大人税込500円)を味わいながら、ゆったりとした時の流れを感じよう(入亭のみの利用は不可)。

静寂に包まれた「掬月亭」でリラックス


【見どころ2】巨大な松やユニークな置石などの木石にも注目!

特別名勝 栗林公園の作庭様式は池泉回遊式と呼ばれるもので、池泉を囲むようにさまざまな木々や石組みなどが配されている。約1400本ある松のうち約1000本が職人によって手入れされており、まるで盆栽のような枝ぶりが見事。亀に似た石組みの上に鶴を彷彿とさせる松がそびえる「鶴亀松(つるかめまつ)」、その名の通り箱の形をした「箱松」など鑑賞ポイントが充実している。特に、徳川11代将軍・家斉(いえなり)から贈られた「根上り五葉松」は、高さ約8メートル、幹周り約3.5メートルと圧巻。鉢植えの盆栽が成長したと伝えられており、その力強い生命力に思わず息を飲む。ほかに、獅子が後ろを振り返っているように見える「見返り獅子」やボタンの花に見える「牡丹石」など、一風変わった置石も必見だ。

「掬月亭」の脇で圧倒的な存在感を放つ「根上り五葉松」

「見返り獅子」は、まるで庭園でくつろぐ獅子のよう


【回り方・混雑情報】時間がない場合は南庭エリアを周遊!実は雨が降った日も狙い目

広大な園内は主に南庭と北庭の2つのエリアに分かれており、それぞれ南庭周遊コース(所要時間約60分)と北庭周遊コース(所要時間約40分)で巡ることができる。時間が限られている場合は、南庭周遊コースをチョイス。先ほど紹介した「掬月亭」「根上り五葉松」「見返り獅子」といった代表的な鑑賞スポットがお待ちかねだ。もっと大名気分を味わいたいなら、南湖を約30分かけて巡る周遊和船「千秋丸」「迎春丸」(大人1人1回税込620円、小中学生1人1回税込310円、未就学児無料)を利用しよう。歴代藩主が愛した四季の風情を、船上でゆったりと揺られながら体感できる。※和船は利用日が属する月の前月1日から利用日の前日までの要予約。3歳未満の乗船不可。詳細は公園の公式サイトを参照。

船頭による解説を聞きながら南湖を巡る和船


なお、日本有数の大名庭園ということで、週末にもなれば県内外から多くの客が訪れる。混雑を避けるなら平日がベストだが、難しい場合は開園直後の朝7時を狙おう。朝霧が残る静かな庭園を散歩していると、すがすがしい気分になれるはずだ。ところで、せっかくの行楽も雨が降ってしまったら台無し…と思われがちだが、そこはご心配なく。「雨の日はお客さんが少なくなるぶん、いつもよりゆっくり鑑賞できますよ。なによりも、しっとりとした趣が魅力です」と公園スタッフ。傘を片手に、心ゆくまで雨の風情を感じよう。

【イベント】夜の景色も格別!春と秋は幻想的な灯りの世界が広がる

園内では、春は約300本のサクラ、夏は湖の畔を彩るハナショウブ、秋は燃えるようなモミジ、冬は鮮やかな赤が映えるマンリョウなど、いつ行っても四季の美しさに触れられる。特に、春と秋の見ごろに合わせてライトアップされるサクラとモミジは一見の価値あり。通常は17時までの営業だが、この時期だけは特別に21時まで延長される(入園は20時30分まで)。闇夜に浮かび上がる夜桜に、湖面に映し出される紅葉。昼間とはひと味違う幽玄の美に、しばらくその場に立ち尽くして見とれてしまいそうだ。

ライトアップされた紅葉は目を見張るほどの美しさ


【グルメ】風光明媚な庭園を眺めながらの食事は贅沢の極み!

「ガーデンカフェ栗林」の「讃岐古代米と讃岐の旬な野菜カレー※ミニサラダ付き」(1200円)

広々とした園内には、お腹も心も満たしてくれる魅力的な飲食店が点在している。「ガーデンカフェ栗林」では、香川県産の食材や調味料をふんだんに使った創作料理が人気。さらに前述の「掬月亭」をはじめ、茅葺きの草庵型の茶室でぜんざいや抹茶を味わえる「日暮亭(ひぐらしてい)」、店の縁台に座って抹茶や団子で一服できる「吹上亭(ふきあげてい)」「小松亭(こまつてい)」、優雅に泳ぐ錦鯉を眺めながら過ごせる「皐月亭(さつきてい) 」と、気軽に利用できる休憩スポットも充実している。早朝に訪れて散歩をしたあとは、北湖の畔に佇む「花園亭(はなぞのてい)」で、名物の朝粥で一日の元気をチャージしよう。※店舗によっては不定期営業の場合があるため、出かける前に問い合わせを。

【お土産】大名庭園を散策したあとは香川ならではの逸品をゲット!

お土産やグッズは、香川県のアンテナショップ・かがわ物産館「栗林庵」で購入できる。ヒノキの香りに包まれた店内には、スタッフが日々アンテナを張って集めた約2500点もの商品がずらり。香川漆器や高松張子といった伝統的工芸品、讃岐うどんや素麺、オリーブ製品といった食品とラインナップも豊富だ。「栗林庵限定 結い手まりYUITEMARIストラップ・さくらんぼ」(税込2970円)や「栗林庵オリジナル サコッシュ」(税込1980円)、「栗林庵オリジナルさぬきうどん 3人前」(税込540円)など、実店舗ではここでしか買えない商品も揃っている。公園の東門の横にあり入園券がなくても入店できるので、買い忘れの心配もない。

「栗林庵オリジナル サコッシュ」(税込1980円)。写真のようにリアルな刺繍が特徴

国内産小麦を100%使用した「栗林庵オリジナルさぬきうどん 3人前」(税込540円)


【アクセス】マイカーやバスなどさまざまな交通手段に対応!

高松市の中心エリアに位置する特別名勝 栗林公園は、マイカーや公共の交通機関で簡単にアクセスできる。でかける前に、自分に合った交通手段をチェックしておこう。

■車の場合
高松自動車道高松中央ICから国道11号を直進し、上天神町で右折して高松南バイパスへ。そのまま約2キロ進むと特別名勝 栗林公園に到着。高松自動車道高松中央ICからの所要時間約は約15分。県営駐車場は、東門駐車場(乗用車30台)と北門前駐車場(乗用車32台) があり、それぞれ普通自動車の駐車料金は25分ごとに100円。周辺には民営駐車場もある。

■バスの場合
「高松駅」バス停または「高松築港」バス停から、ことでんバス「ショッピング・レインボー循環バス」の西廻りに乗車し「栗林公園前」バス停で下車。所要時間は約19分、運賃は大人150円。

■電車の場合
JR高松駅から高徳線の三本松行きや徳島行きに乗り、JR栗林公園北口駅で下車(所要時間5分、運賃大人210円)。JR栗林公園北口駅から県道173号(きたもん通り)に出て、そのまま南へ進むと特別名勝 栗林公園に到着(所要時間徒歩約3分)。

【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】

<来園いただく方へのお願い>
・発熱時や体調が悪い時のご来園はお控えください。
・こまめな手洗い、手指の消毒をお願いします。
・咳エチケットを徹底し、マスクの着用にご協力ください。
・人と人との間隔はできるだけ2メートル以上(最低1メートル)空けてください。
・和船の定員は3名までとし、乗船前に検温、マスクの着用をお願いします。

<園内における取り組み>
・毎朝、検温を行い、体調管理を徹底します。
・こまめな手洗い、手指の消毒を徹底します。
・咳エチケット、マスクの着用を徹底します。
・適切な人と人との間隔を確保します。
・複数の人の手が触れる扉や共用部分は、定期的に消毒します。
・車イスやベビーカーなどの貸出物は、使用の都度、消毒します。
・屋内施設では、定期的な換気を行い、出入り口には消毒液を設置します。
・和船を利用する方は、乗船前に検温、マスクの着用をお願いしています。

取材・文=岩佐企画

<施設情報>
・住所:香川県高松市栗林町1-20-16
・アクセス:【電車】JR栗林公園北口駅から徒歩3分 【車】高松自動車道高松中央ICから約15分
・営業時間:7:00~17:00(季節により変動あり)
・定休日:なし
・駐車場:75台(普通自動車100円/25分、大型車510円/30分 北門・東門小型62台、東門大型13台)
・料金:大人410円、中学生・小学生170円、未就学児無料。元旦と開園記念日(3月16日)は無料開放

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

※2020年8月時点の情報です。

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