金刀比羅宮を徹底紹介!長い石段にグルメ、絶景、宝物館などお楽しみがいっぱい【コロナ対策情報付き】

東京ウォーカー(全国版)

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金刀比羅宮の見どころからグルメ・お土産まで、おでかけの前に知っておくと便利な情報を徹底レポート!(※記事内で紹介している展示やイベント、施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください)

金刀比羅宮ってどんなところ?合計1368段の石段を登る「こんぴら参り」を体験!

香川県・象頭山(ぞうずさん)の中腹に鎮座する金刀比羅宮

古くから「さぬきのこんぴらさん」と呼ばれ、庶民信仰のメッカとして親しまれてきた金刀比羅宮(ことひらぐう)。全国にある金刀比羅神社の総御本宮で、海の神様として崇められる大物主神(おおものぬしのかみ)が祀られている。

江戸時代は庶民にとって、伊勢神宮(三重県)の「お伊勢参り」などと並ぶ一生に一度の大イベントだった「こんぴら参り」。当人に変わって参拝する旅人もいて、なかには飼い犬がその役目を果たすこともあったとか。この犬は「こんぴら狗(いぬ)」と呼ばれ、旅人に連れられて街道筋の人々に世話をされながら代参。参道を進んでいると、可愛らしい「こんぴら狗」の銅像が迎えてくれる。

「こんぴら狗」の銅像に元気をもらって先を目指そう

金刀比羅宮といえば、長く伸びた参道の階段が有名。御本宮まで785段、そして奥社まではなんと1368段にもおよぶ。決して楽ではないが、道中には重要文化財や美術品を展示した建物が点在しているため、歴史と文化を楽しみながら登ることができる。

【見どころ1】まずは785段の石段に挑戦!疲れを忘れさせてくれる文化財や宝物に釘付け

石段へと続く門前町の参道には、土産店や飲食店、旅館などが並び、多くの参拝客で賑わっている。軽く腹ごしらえをして、飲み物など必要最低限の物資を揃えたら、さっそく御本宮を目指そう。

御本宮までは全785段あり、片道の所要時間は50分ほど。少し登っていくと113段目に「一之坂鳥居」が現れ、しばらく「一之坂」と呼ばれる急勾配が続く。坂には1858年(安政5年)に建てられた重要有形民俗文化財「燈明堂(とうみょうどう)」があり、夜になると多数の釣燈籠が参道を美しく照らし出す。

参道の長い石段。登り終えたときの達成感はひとしお

365段まで歩を進めると、江戸時代に水戸光圀(みとみつくに)の兄で讃岐国高松藩主、松平頼重(まつだいらよりしげ)から寄進された「大門」が現れる。ここから先は境内となり、瀬戸内海国立公園の一部となり、国の名勝・天然記念物に指定されている。

「大門」から150メートルほど続く石畳の道は、「桜馬場」と呼ばれる花見の名所。毎年4月10日の「桜花祭(さくらさい)」では、冠に桜の枝を挿した神職と、桜の枝を持った巫女による艶やかな行列に目を奪われる。また「桜馬場」の右手には、重要文化財の十一面観音立像などを展示した「宝物館」が建っている。

春になると両側の桜が満開になる「桜馬場」

明治38年(1905年)に建てられた「宝物館」は、和洋折衷の重厚な造り

その後も、“日本洋画の開拓者”と称される高橋由一(たかはしゆいち)の作品27点を常設展示した「高橋由一館」、写生派の祖・円山応挙(まるやまおうきょ)による障壁画が見事な「表書院」、天保時代の芸術の精華を集めた「旭社」など、見どころはまだまだ続く。そして「御前四段坂」と呼ばれる133段の石段を登りきると、ついに海抜251メートルに鎮座する御本宮に到着する。

御本宮。壁板や天井には、見事な蒔絵が描かれている

展望台からは、讃岐平野や瀬戸大橋、讃岐富士などを一望できる

お参りを済ませたら、そのまま境内にある展望台へ。神社の関係者が「広大な讃岐平野に加えて、晴れた日には瀬戸内海や瀬戸大橋まで望むことができますよ」と語るその景色は、これまでの疲れを吹き飛ばしてくれるほどの美しさだ。

【見どころ2】さらなる高みへ!583段の石段を登ってパワースポットの奥社を目指そう

御本宮に到着後、もしも体力に余裕があれば、さらに奥へと進んでみよう。御本宮から向かって右側に建つ鳥居をくぐると、約1.2キロメートル、全583段の石段が続いている。これが、霊験あらたかな「厳魂神社(いづたまじんじゃ)」(通称、奥社)へと繋がる参道だ。

「樹木が生い茂る静かな山道となっていて、御本宮までの参道とは雰囲気ががらりと変わります」と神社の関係者。気持ちをグッと引き締めて、いざ奥社へ!

緑に包まれた参道。全583段の先に奥社が祀られている

道中には、書道の大家・安東聖空(あんどうせいくう)が手がけた「北原白秋歌碑」や、紅葉の名所として知られる「白峰神社(しろみねじんじゃ)」、学問の神様・至誠の神様として信仰される菅原道真を祀った「菅原神社」など見どころが充実。

また、朱色の東屋「卯花谷(うのはなだに)休憩所」もあり、休憩をはさみながら登ることができる。やがて朱色の手水舎が見えたら、奥社まであと107段。一歩一歩、足を踏みしめて進むと、目的の奥社に到着する。最初の表参道から数えると、石段は全1368段。神社の関係者が「御本宮よりも高い場所にあるため、そのぶん景色の美しさも格別ですよ」と話すように、言葉では言い表せないほどの達成感が待っている。

海抜421メートルの場所に、御本宮を見守るようにして祀られた「厳魂神社(奥社)」

金刀比羅本教の教祖・厳魂彦命(いずたまひこのみこと)が祀られている奥社。海抜421メートルの急斜面に祀られており、「威徳巖(いとくのいわ)」と呼ばれるこの断崖は、かつて厳魂彦命が祈願のために籠もった場所だ。断崖の上方には、天狗とカラス天狗の彫物を拝むことができる。

【回り方・混雑情報】体力に自信がなくても安心!マル秘参拝術をご紹介

参拝する際は、可能な限り身軽な状態がベター。最寄り駅であるJR琴平駅、高松琴平電気鉄道琴電琴平駅を利用した場合は、駅のロッカーに荷物を預けるのがおすすめだ。

体力に自信がない人は、表参道の土産店などで竹製の杖がレンタルされているので利用しよう(100円、無料店舗もあり)。また、時間が限られている場合は、「こんぴら参拝登山シャトル」(片道1人700円)が便利。参道のほぼ半分の地点にあたる365段目の「大門」まで、バスで移動することができる。詳細は琴平バスの公式サイトで確認を。

ちなみに年間の参拝者数は、なんと300万人以上。正午に近い時間帯は特に参拝者が多いので、混雑を避けるなら9時から10時、もしくは15時から16時が狙い目だ。

【イベント】江戸時代より前から続く大行列は一見の価値あり!

金刀比羅宮では、年間を通してさまざまな祭典や行事が行われている。なかでも毎年10月9日〜11日の「例大祭」は、金刀比羅宮で最も厳粛な祭典。10日の21時から始まる「御神幸(おみゆき)」では、総勢約500人による平安絵巻さながらの神輿行列が繰り広げられる。ただし、2020年は神輿行列が中止。祭典のみが御本宮で、9・10日の2日間の日程で行われた。

「おさがり」の俗称で親しまれている「御神幸」

また、初詣スポットとしても人気で、元旦の午前0時からは、安寧と繁栄を祈願する「歳旦祭」が行われる。2021年は新型コロナウイルスの影響により、祭典や行事の内容が変更・中止となっているため、あらかじめ金刀比羅宮の公式サイトをチェックしておこう。

【グルメ】参道の飲食店でひと休み!こんぴら名物で元気をチャージ

カフェ&レストラン「神椿」は、参拝中の食事休憩にぴったり

門前町の参道だけでなく、石段の道中でも名物グルメを楽しめる。365段目の「大門」をくぐると見えるのが、境内での営業を特別に許可された「五人百姓」と呼ばれる5軒の店。大きな白い傘の下に腰を下ろして、こんぴら名物の加美代飴(かみよあめ)でリフレッシュしよう。扇型の飴を付属の小槌で砕いて口に含むと、やさしい甘さと柑橘の爽やかな香りがいっぱいに広がる。

また、「表書院」の前にある玉垣と石畳の広場の地下には、資生堂パーラーが手がけるカフェ&レストラン「神椿」が。美しい緑と自然光に癒やされながら、「神椿パフェ」などのスイーツや軽食、コース料理などを味わえる。

【お土産】参拝の記念にお守りや「こんぴらみやげ」をゲット!

門前町の参道には、多くの土産店が軒を連ねている。饅頭にせんべい、アクセサリーにブリキの玩具と思わず目移りしてしまうが、参拝前の買い物はグッと我慢。少しでも身軽にするために、参拝後に立ち寄るのがおすすめだ。

「幸福の黄色いお守り」と「ミニこんぴら狗」が一緒になった「ミニわんこお守りセット」(税込1500円)

785段を登りきって御本宮にお参りしたら、すぐそばにある神札授与所をチェックしよう。「幸福と健康にご利益のある黄色のお守りは、ご高齢の方やご家族で参拝された方に好評です」と神社の関係者。「幸福の黄色いお守り」「笑顔元気くん朱印帳」「笑顔元気くん守り」といった可愛らしいお守りや御朱印帳は、参拝した記念に受けると良いことがありそうだ。

【アクセス】最寄り駅から散策しながら参道へ!車は境内に入れないので周辺の駐車場へ

電車の場合、JR岡山駅から琴平駅まで特急で約50分。琴平駅から金刀比羅宮の石段登り口まで徒歩で約20分。また、県内を観光する際は「ことでん」の愛称で親しまれている高松琴平電気鉄道も便利。琴電琴平駅からは、徒歩15ほどで到着する。

車の場合は、高松自動車道善通寺ICから国道319号を南下。琴平町榎井の交差点を右折し、県道206号へ。そのまま直進すると表参道周辺に到着。車は境内に入れないので、町営駐車場などに停めよう。所要時間は約15分。

【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】

・参拝は24時間可能。授与所の開所時間は9時から16時になります。
・御本殿内、緑黛殿祈祷待合所内、御札所前、博物館施設内ではマスクを着用ください。
・各所の手水舎は利用できません。
・祭典、行事の参列や参加を一部自粛または縮小しています。
・37.5度以上の発熱や倦怠感、咳などの症状がある場合は参拝をお控えください。
・ほかの参拝者との間隔をできるだけ空けて見学してください。

取材・文=岩佐企画

<施設情報>
住所:香川県仲多度郡琴平町892-1
アクセス:【電車】JR琴平駅から石段登り口まで徒歩20分。高松琴平電気鉄道琴平駅から石段登り口まで徒歩15分 【車】高松自動車道善通寺ICから約15分
参拝時間:9:00〜16:00(授与所の開所時間も9:00~16:00)
定休日:なし
駐車場:なし
料金:博物館施設 大人800円、中人(大学生・高校生)400円、祈祷料5000円から

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

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※2020年10月時点の情報です。

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