美味やレトロな町並み、ワイナリー…古さも新しさも魅力的な能登半島を楽しむ旅プラン

東海ウォーカー

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海に突き出た地形により独自の文化が育まれてきた、石川県の能登半島。「白米千枚田」に代表される「能登の里山里海」は、世界農業遺産にも認定されている。ほかにも日本三大朝市に数えられる「輪島朝市」やパワースポットとしても知られる珠洲岬など、魅力あふれるスポットが揃う。今回はそんな能登を巡る旅のプランを紹介。能登半島先端の珠洲市(すずし)をスタートし、半島中央部の七尾市まで。昔ながらの良さと新しい魅力、その両方に触れながら、能登の旅を楽しもう。

マットな質感が魅了する、モダンな珠洲焼

まずは能登半島の先端にある町、珠洲市へ。石川県の焼物といえば九谷焼が有名だが、ここ珠洲は海運の便がよいという地の利を生かして、平安時代末期から室町時代まで陶器の産地として栄えた歴史を持つ。その後いったん途絶えてしまうが、昭和になって発掘された陶器や穴窯(あながま)の研究が進められ、1976年に蘇ることとなる。

今では40人以上の陶工が独自の珠洲焼を作っているが、そのなかでもモダンな作風で注目されているのが、美しさと実用性を兼ね備えた器を創作する山田睦美さん。実家である臨済宗の古刹「吉祥寺」(石川県珠洲市)には、敷地内から出土したという古い珠洲焼とともに彼女の作品が展示されていて、その共通点を感じることができる。

【写真】珠洲焼の作家、山田さんが作り上げた作品の数々


珠洲の土に含まれる鉄分により、深淵な黒灰色が現れる珠洲焼。釉薬(ゆうやく)は使わず1200度前後で焼き上げており、焼成時に降りかかる灰が溶けて景色となったものも。土や火が作り出す自然な色合いと現代の職人による洗練されたフォルムは、和にも洋にもなじむ不思議な魅力を放っている。市内にある「珠洲焼館」(石川県珠洲市)では、山田さんら数多くの作家の作品を展示販売しているので、ぜひお気に入りを見つけに訪れて欲しい。

珠洲焼の作家として活躍する、山田睦美さん。吉祥寺にて


●吉祥寺 / 住所:石川県珠洲市若山町吉ケ池18部-7の甲 / 電話:0768-82-5808
●珠洲焼館 / 住所:石川県珠洲市蛸島町1-2-480 / 電話:0768-82-5073 / 営業時間:9:00~17:00 / 休み:年末年始

地元で親しまれる里山の味でほっこり

続いては珠洲の西側に位置し、輪島塗など伝統産業が根付く町、輪島市へ。朝市が立つ市街地から車で30分ほどの「農家レストラン能登日和」(石川県輪島市)は、地元の人々に愛される名店。かつて酒蔵だったという建物を改装した店内で、輪島塗の器で提供される料理を楽しむことができる。目の前には畑が広がり、まさに日本の原風景を思い起こさせる。

酒蔵の名残も感じられる、歴史ある建物 / 農家レストラン能登日和


ここで味わえるのは、地元のおかあさんたちが自ら作った野菜で手作りした郷土料理の数々。世界農業遺産にも認定された「能登の里山里海」が育んだ食材だ。自家製塩麹で漬けた魚や豚肉に、自家栽培の大豆で作ったがんもどき、自家野菜の天麩羅など。蔵に残っていたという輪島塗の御膳にずらりと並ぶのは、都会では楽しめないご馳走の数々。心がほっと癒されること間違いなしだ。

朱塗りの漆椀に盛られた御膳料理は税込1000円~※内容は季節により異なる / 農家レストラン能登日和


●農家レストラン能登日和 / 住所:石川県輪島市町野町寺山3-42 / 電話:050-2020-7409 / 営業時間:11:00~14:00 / 休み:火曜

能登の風土を表現!海を望むワイナリー

海を眺めながら、地元の野菜や魚介類を取り入れた料理とその土地でできたワインを味わえる / ハイディワイナリー

同じ輪島市に、能登の美しい自然の新たな魅力を発信しようと、ブドウを栽培しワイン作りに取り組む醸造所がある。2011年に畑を一から開墾してスタートした「ハイディワイナリー」(石川県輪島市)は、能登の風土を表現したワイン造りを目指している。

赤ワインや白ワインのほか、スパークリングワインや品種の違いが楽しめるブドウジュースなど、幅広く揃う / ハイディワイナリー

ワイン用のブドウ品種を7種栽培しており、赤ワインや白ワインのほか、スパークリングワインや品種の違いが楽しめるブドウジュースも製造する。予約すればワイナリーツアーで、醸造所の見学や試飲をすることも可能だ。海を臨むレストランでは、地元の野菜や魚介類を取り入れた料理とその土地でできたワインという、最高のマリアージュを堪能することができる。

●ハイディワイナリー / 住所:石川県輪島市門前町千代31-21 / 電話:0768-42-2622 / 営業時間:ショップ10:00~17:00、カフェ&レストラン11:30~16:30(LO) / 休み:火曜

ふれあいを楽しみながら、レトロな街並みを散策

市内を流れる御禊川沿いや一本杉通りは石畳の道が続く

続いては、半島中部に位置する内浦沿いの町、七尾市へ。600年以上の歴史がある街道「一本杉通り」(石川県七尾市)で、レトロな街歩きを楽しんでみてはいかがだろうか。朱塗りの仙対橋から約450メートル続く通り沿いには、明治時代の建造物が数多く残っている。石川県で唯一和ろうそくを製造する「高澤ろうそく店」など、国登録有形文化財の建物も軒をつらねる。

今も酒屋を営む「高澤勇吉商店」の看板。店内でも珍しい看板を展示している

さらに「語り部処」という暖簾(のれん)が掛かっている店もあり、これは店主らが自分たちの仕事や歴史の話をしてくれるという印。輪島塗の沈金体験や和菓子作りなど、伝統の技や味を体験できるところもあり(要予約)、体験を通して地元の人との交流を楽しめば、旅の思い出がより深く心に残るだろう。

●一本杉通り / 住所:石川県七尾市一本杉町 / 電話:0767-53-8743(七尾家※花嫁のれん館内)

能登の歴史や伝統、美味を体感できるスポットを紹介したが、何より移動中に見える四季折々の美しい景色が魅力の能登半島。食事処や体験施設などは予約をしたうえで、のんびりとしたスケジュールで巡ってみてはいかがだろうか。

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