EXILE NAOTO「パフォーマーと役者、どちらも大事な表現方法」“おもしろさ”の違いとは
東京ウォーカー(全国版)

SABU監督最新作『DANCING MARY ダンシング・マリー』で長編映画単独主演を務めたEXILE NAOTO。EXILE /三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのパフォーマーでありながら、土屋太鳳とW主演を務めた映画『フード・ラック!食運』などの俳優業や、自身がクリエイティブディレクターを務めるファッションブランド「STUDIO SEVEN」など、新たなフィールドでも活躍している。今回、初タッグを組んだSABU監督の現場や役柄についてや、共演者の石橋凌との撮影エピソード、さらに憧れのハリウッドスターについて語ってもらった。
“誰も観たことのないような映画”を作るために「全員が全力で挑んでいる現場でした」
――NAOTOさん演じる主人公の市役所職員・藤本研二と、山田愛奈さん演じる霊能力を持つ女子高生の雪子が各地を駆け巡り、幽霊の恋を成就させるために奮闘する姿を描いたSABU監督オリジナル脚本の本作。台本を読んだ時の感想を教えていただけますか?
【NAOTO】幽霊と協力し合ったり、幽霊同士の恋を成就させたりと相当変わったストーリーなので、SABU監督はなんでこんなことを思いつくのかと衝撃を受けたのを覚えています(笑)。ただ、それだけじゃなく“人は役目をもって生きてきた”というテーマも描いているので、台本を読んでいてグッときましたし、純粋に良い作品だなと思いました。

――SABU監督の演出はいかがでしたか?
【NAOTO】言葉は少ないのですが、重要なポイントを的確に伝えてくださったのですごくありがたかったです。監督はこだわりを持って演出してくださいましたし、スタッフ、役者みんなが集中して“誰も観たことのないような映画”を作るために全力で挑んでいる現場でした。
――SABU監督とお話しされた中で印象に残った言葉はありますか?
【NAOTO】物語の終盤で藤本が初めて感情を露にするシーンがあるのですが、監督が「普段NAOTOくんはかっこいいパフォーマンスをしているけど、このシーンはかっこ悪くやってほしい。そうすることで藤本がかっこ良く見えるから」と仰ったんです。そのシーンにはアクションというか殺陣もあったのですが、監督の言葉を受けて“グチャグチャに動く”をテーマにやっていました(笑)。結果的にかっこ良く見えたらいいなと思いながら演じていましたが、ご覧になっていかがでしたか?
――ずっと頼りなかった藤本の意外な一面が見られてうれしかったですし、かっこ良かったです。あのあと、きっと彼の人生は大きく変わっていくんだろうなと想像しながらエンドロールの余韻に浸りました。
【NAOTO】確かに、あのあとの彼が少し変化していくような見せ方をしたいねと監督と話していたので、そう言っていただけてうれしいです。

「あまりの神々しさに圧倒された」先輩俳優・石橋凌の殺陣シーン
――幽霊が見える雪子と手を繋ぐと藤本も幽霊が見えるという設定でしたが、NAOTOさんは実際に幽霊を見たことはありますか?
【NAOTO】みんなひとつぐらいはそっち系のエピソードを持っているじゃないですか。でも、僕は今まで1回も見たことがないんです。藤本を演じてみて気付いたのは、実際に見えても見えなくても怖さは一緒ということ。例えば、夜中にお手洗いに行こうとして“いま幽霊が見えたら嫌だな”とか、鏡を見た瞬間に“誰か知らない人が映ったら嫌だな”と思うことってありますよね(笑)。
そう考えると、実際に見えなかったとしても恐怖心を抱いていることには違いないなと気付いて。なので、そういった想像力を膨らませながら藤本を演じるようにしていました。


――本作に登場する幽霊はどこか悲しげで切ないオーラを纏っていますが、石橋凌さん演じる伝説のヤクザの幽霊には思わず笑ってしまいました(笑)。
【NAOTO】アニキ(ヤクザの幽霊)は、ドスがたくさん刺さった状態で登場するのでパンチがありますよね(笑)。石橋さんとは今回初めてご一緒したのですが、アニキの殺陣シーンは現場で見ていても本当に美しくてかっこ良くて。あまりの神々しさに圧倒されました。大きなお屋敷で撮っていたのですが、偶然にも雪が降ってきて、その瞬間も“神がかっている!”と興奮しましたね。

――石橋さんとご一緒されたシーンで、印象に残っていることがあれば教えていただけますか?
【NAOTO】劇中では、“アニキが藤本のことをどう思っているのか”が描かれていないので、最初はアニキの心理を掴めないまま演じていました。その後、物語の中盤でアニキが藤本に向かって「お前は本当にこの子のことを守る気があるのか?」と問いかけるシーンの撮影の時に、「ここで初めて君の目を見て演技をするからね」と石橋さんが仰ったんです。
そのひと言で、アニキはすべて見抜いたうえで藤本を試して成長させようとしているんだなと気付いて、心の中で「アニキ!」と叫びました(笑)。石橋さんは、寒い中での撮影中もずっと凛々しい表情で現場にいらっしゃいましたし、すごく優しくて温かい方でした。
――またおふたりの共演が見たいです。
【NAOTO】石橋さんとバディを組む役柄でご一緒してみたいです。
いつか憧れのジェームズ・ボンドのように「ドライマティーニを注文してみたい」
――パフォーマーとしての表現のおもしろさと、役者としての表現のおもしろさの違いをどんなところに感じますか?
【NAOTO】役者として作品に参加させていただく時は、共演者の方のお芝居から何かしらの影響を受けるので、それによって自分の表現が変わってくるところにおもしろさを感じます。ライブ会場などでパフォーマーとしてステージに立った時は、演者側とお客さんがお互いにポジティブなエネルギーをぶつけ合うのですごく楽しい時間を過ごしているのですが、お芝居の現場では演じる役の感情を役者同士でぶつけ合ったりするので、恐怖や怒り、喜びや哀しみなど、自分が受けるエネルギーがポジティブなものばかりではないんです。
だからこそ、自分でも予測がつかないような表現が生まれることもあって、そこにおもしろさを感じます。パフォーマーと役者、どちらも僕にとっては大事な表現方法ですね。

――今後挑戦してみたい役はありますか?
【NAOTO】これまで重いテーマやストーリーに挑戦したことがないので、機会があればサスペンス作品などでシリアスなお芝居に挑戦してみたいです。
――好きなサスペンス映画を教えていただけますか?
【NAOTO】『セブン』は映画自体も好きですけど、なにより主演のブラッド・ピットがかっこ良すぎたという印象が強く残っていて。犯人を追っているうちにどんどん闇に堕ちていく彼のお芝居がすごくいいんですよね。
――『セブン』は公開当時劇場で鑑賞したのですが、ラストがショックすぎて手に持っていたコーヒーのカップを落としたのを覚えています(笑)。
【NAOTO】わかります(笑)。あれはショックでしたよね。だけど、あの辛いシーンがあるからこそ名作と言われているような気もします。その数年後にブラッド・ピットが出演した『ファイト・クラブ』も最高で、主人公を演じたエドワード・ノートンにもハマりました。
――最近おすすめの映画もご紹介いただけますか?
【NAOTO】ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドが大好きで、彼がボンドを演じる最後の作品『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は近いうちに劇場鑑賞する予定です。その前に『007/カジノ・ロワイヤル』から『007 スペクター』までダニエルのボンド作品を全部見返そうと思っていて、いまやっと『007/慰めの報酬』を観終わったところです。
――時間が経ってから見返すと、新たな発見があったりしませんか?
【NAOTO】昔は007シリーズをアクション映画として楽しんでいましたが、仰ったように改めて観ると思わぬ発見があっておもしろいですよね。例えば、僕はファッションがすごく好きなので、今回改めて見返してみて、ダニエルのボンドがトムフォードのスーツをクールに着こなしていて素敵だなと思いましたし、ボンドが乗っているアストンマーティン(ボンドカー)もクールでかっこいいなとか、憧れるポイントが満載で。
だからこそ世界中の人たちから長く愛されてきたんだと思います。僕もいつかバーで、ボンドみたいにかっこ良くドライマティーニを注文してみたいです(笑)。

取材・文=奥村百恵
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