【漫画】「イヤイヤ期の子供を怒鳴って自己嫌悪…」教育のプロに聞く、子供の可能性を広げる行動&言葉がけのコツ

東京ウォーカー(全国版)

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てらいさんは取材を通じて、いろいろな「言葉がけ」を実践し、それを漫画化している。漫画化にあたって、華子先生が思ったことを聞いてみた。

【華子先生】「文章だと伝わりにくい部分が、漫画だとわかりやすくリアルに表現されているなと感じました。文章だと、言葉がけの提案から結果までを書くにあたって、その過程にあるいろいろなプロセスまで説明が難しいんですよね。書いてある通りに言葉がけをしたからといって、その次の場面で100%すぐにうまくいくことってまれなんです。書いている側も、もちろんすぐにできるとは想定していないんですけど、起こりうるの可能性のすべてをわかりやすく書き出すことは文章だと難しいんですよね」

「今回は、実際にてらいさんの体験を交えての漫画だったので、いろんな方がイメージしやすくて、受け止めやすいんじゃないかなと思いました。たとえば、ユララちゃんがなかなか寝ない、というエピソード。まこと旦那さんが“ルールの境界線”を引き、本人に伝え続けるんですが、最初の1週間くらいは、号泣して暴れて、言うことを聞かないっていうのが続いた、というのが現実」

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「本や文章で読んで『こんな一言言うだけででうまくいくわけないじゃん』って思っている方も漫画を見ると、その過程をイメージできることで『小さな変化を何度も繰り返して、うまくいく日といかない日があるんだ』と受け止められるんじゃないかなと思います」

「漫画化していただいたことで自分では表現できない部分を、てらいさんが心情とかお子さんの表情を通して表現してくださっています。文章と画とストーリーがマッチングすることで、言いたいことが包括的に伝えられるというのがすごいステキなポイントですよね」

「てらいさんがギクッとしてる様子とか、我が子が意外にすんなり言うことを聞いてくれた時にドキドキしている背中とか…。一つ一つのイラストに気持ちがこもっているところがすごく好きです。全部に魂が込められているところに、私のアドバイスをうまくのせていただけてよかったです」


「上の子が身体を自分で洗うのを嫌がっていたのが、『言う』と『やる』を分けたら意外にすんなりできるようになった、というエピソードの、『期待するな自分!』って言い聞かせているてらいさんの背中の描写があるんですが、そこも好きなシーンですね」

――どんな人に作品を読んでもらいたいですか?

【てらい】「自分は、育児をしていてあらゆる場面で「今なんて言ったらいいんだろう?」とフリーズする瞬間が多々あったんですよね。ほかにも、そういう経験をされている方いると思うので、そんな風に悩んだことがある人に読んでもらいたいなと思っています」

「先生に取材する前後を比べると、取材前に比べて言葉が出てきやすくなって、前より悩まなくなりました。タイトルの通り『言葉がけのコツ』をつかめたのかなと思っています(笑)。あと、私がそうだったように『〇〇しないといけないんじゃないか』と固定概念を持ってしまっている、思い込みが激しめの人に読んで知っていただきたいですね」

【華子先生】「お子さんがいてもいなくても皆さんに読んでもらいたいなって思っています。子供を公共の場で見た時に、“子供を理解する”ことで今よりも優しい目線を持てると思うんです。たとえば、騒いでいる小さい子供を見た時に『悪いことをやろうと思ってやっているんじゃないんだな』『まだ理解できない年齢なんだな』ということがわかってもらえたら、接し方も変わってくる。そういう優しい、子育てしやすい社会を作るためには、お子さんがいてもいなくてもみなさんに知ってほしい知識だなと思うので」


「普段言葉がけに困っている方はもちろんなんですけど、“社会の一員としてみんなで子供を育てていく”という意味では、お子さんの有無や子供との関わりに関わらず読んでもらえたらうれしいですね」

――反響の大きかったエピソードを教えてください。

【てらい】「SNSで反響があったのは、昨日までできていたことを急に『できない』と言い出してやらなくなる、というエピソードでした」

今までできていたことを「できない!」と言い出した。それはワガママではないんです


「同じように思っていた親御さんがすごくたくさんいたんだなと気づかされましたね。『大人も卵を完璧に割り続けられるかと言われたらそうじゃない』という言葉に、『確かに!』と納得しました。2歳や3歳の子供は『できない』が当たり前なんだなと気づかされましたね。読んでくださった方から『1回できたらできるものだと思ってました』というコメントをいただくことも多くて、“期待値を下げる”ことを伝えられたのはよかったなと思います」

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「“ほめ方”の回もいろんな反応がありましたね。そもそも子供をほめるという行為が『子供に対していい評価を与える』のではなく『喜びを子供と共有する』ということにびっくりされた方が多かった印象です。私もなんですが「すごい!」とか「やる~!」とかいい感じの言葉を子供に言っておけばいいと思っていた節があったなということに気づかされました」

「指摘されてみると、具体性が欠けているのはその通りだと思ったし、“喜びを共有する”という発想がなく、評価を与えるということに目を向けてしまっていたので…。読者の方からの共感も多かったですね。実践できるアドバイスとして『パラレルトーク』を紹介しているんですが、『実況するだけでいいんだ』と驚きの声も挙がっていました」


【華子先生】「『何から始めるのがいいか?』と聞かれたら、今てらいさんの話に挙がった、『まずは実況中継してみる』が一番やりやすいかもしれませんね。書籍の中でもあった『セルフトーク』や『パラレルトーク』がそれにあたります。自分のやっていることをそのまま言葉にして言ってみるのが『セルフトーク』、お子さんのしていることをそのまま実況中継のように見たままを描写するのが『パラレルトーク』。それをきっかけにお子さんとの対話を増やしていくことを大切にしてくださいね」


「私の周りでは『ジェンダー』に関して、踏み込んだエピソードが入っているのがよかったという声も多かったです。この部分は自分でもすごくこだわったところで、正直に言うともっと盛り込みたかったくらいです…(笑)」

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「無意識の中で自分がしてしまっている差別や偏見をまず理解してもらいたいなという気持ちがこもっています。1人1人が意識を高めて、無意識の差別や偏見があふれている“生きづらい世の中”を1人ずつでも自己変容することによって、変わっていったらいいなと。それをすごく意識しているので、そのイントロダクションとしてこのエピソードが入れられたのはよかったです」

「そのほかにもいろいろなシチュエーションや方法を紹介しているので、ご自身が悩まれていることとか、お子さんの発達状況にあったもの、『これやってみようかな』と思えたものを気軽に取り入れてみてください」

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