“自分時間”のお供の定番に!お酒の飲み方を変えたサントリー「ほろよい」大ヒットの理由とは?
東京ウォーカー(全国版)
お酒が強くない人でも気軽に飲むことができるお酒「ほろよい」。2009年の発売以来、ほのかな甘味とやさしい飲み心地が普段あまりお酒を飲まなかった人たちに支持され、また度数3%という低アルコールながらお酒好きからも人気を集めている商品だ。
今年30歳を迎える筆者にとってこのお酒は、アルコールデビューのきっかけとなった思い出深いもの。大学生の頃、夏の夜には京都・鴨川のほとりを季節限定のほろよい片手にぶらぶらしたのを覚えている。筆者と同じように、若い頃ほろよいでお酒のおいしさを覚えた人や、ほろよいとともに季節の移ろいを楽しんだという人も多いのではないだろうか。
今ではほろよいはコンビニやスーパーでも当たり前のように見かけ、いつしかお酒を買う際の選択肢の1つとして当たり前のように選ばれている。今でこそ若者を中心に幅広い層に飲まれているが、実はこの商品が生まれた背景には「若者のお酒離れ」があったという。今回はサントリースピリッツ株式会社でほろよいのブランドマネジャーである三枝遼太郎さんに、ほろよいが誕生したきっかけなど開発秘話を聞いた。

お酒の飲み方を大きく変えた「ほろよい」
ほろよいの開発がスタートしたのは2007年。若い世代がビール等のお酒を買わなくなったり、飲み会への参加が減ったりする“若者のお酒離れ”が話題になっていた頃、危機感を募らせたサントリーの商品開発部門が「このままでは厳しい。若い人にお酒の楽しさを届けたい!」と、若者が飲みやすいお酒の開発を進めることになった。
「『ほろよい』の開発を始めたのは、ちょうど若者のお酒離れがニュースや新聞で話題になった頃でした。お酒離れの理由を調査すると『お酒にお金を使うのがもったいない』『お酒はおいしくない』という声が多く、お酒の存在意義が伝わってないと感じていました。そこで『楽しいお酒、おいしいお酒もあるんだ』ということを伝えようと開発が始まりました」

開発が始まった2007年頃は、旧来の“男らしさ”や“女らしさ”といった概念が薄くなり始め、おうちデートなどインドアな遊びも定着し始めた時期。そこで「堅実」「淡々」「優しい」といった若者の価値観に合ったお酒の開発を始めたという。
「若者の味覚調査を行うと、甘舌化が進んでいること、居酒屋でもサワーやチューハイ系のアルコール度数3%前後が人気だということがわかりました。そこで、今まで主流だった刺激が強いシャープなチューハイではなく、慣れ親しんだ味でお酒の入口として手に取りやすいものを目指して開発を進めました」

研究を重ねたサントリーは2009年に「ほろよい〈レモン〉」「ほろよい〈うめ〉」の2種類を発売。若者だけでなく普段お酒をあまり飲まなかった人や、ビールなど苦いお酒が苦手だった人にも「飲みやすい」と大好評。発売後すぐに大ヒット商品となった。
ほろよいの存在は、新たな飲酒スタイルの誕生にも繋がった。これまでお酒といえば飲み会などで大勢での飲み方が主流だったが、自宅でくつろぎながらのんびり飲む「宅飲み」も、新しい飲酒スタイルとして確立された。
「これまでのお酒を飲む場のイメージを一新させることができたと感じています。大人数での飲み会だけでなく、1人で飲むスタイルを定着させることができました。アルコール度数も高くないので、ネットサーフィンをしながら、テレビを観ながら、といった“ながら飲み”に活用してもらっています。近年のステイホームにも相性のよい商品だと思います」

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