あんなに人気だった“板ガム”はどこへ?ロッテに聞く「ガム市場」の現在

東京ウォーカー(全国版)

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“歯の健康のために”“仕事中の気分転換に”など、さまざまな場面で食べられている「キシリトールガム」。

キシリトールガムは今年で誕生25周年を迎え、今後も人々の口内の健康を支えていくと思いきや、現在ガム業界の市場は厳しい状況なのだという。そういえば、最後にガムを噛んだのはいつだったか…。

今回は、ガム売上No.1である株式会社ロッテ(以下、ロッテ) キシリトールブランド課の山本賢一さんに、「なぜ人々はガムを噛まなくなったのか」という疑問をぶつけることに。今、ガム業界に一体何が起こっているのだろうか。

「キシリトールガム 」。1997年に発売された粒ガムのパイオニア。今やガム業界を牽引する存在になっているが…


ガムの概念を変えたキシリトールガム

「粒ガム」の代表的存在であるキシリトールガムが発売されたのは1997年。発売当時、「ガムは歯によくない」という風潮があったというが、この概念をひっくり返したのがキシリトールガム。主成分のキシリトールが食品添加物として使用が許可されたことをきっかけに、「歯にいいガム」として発売され、見事「ガムは歯によくない」というイメージの払拭に成功した。

キシリトールガムといえばミントの爽やかさとカリッとした食感が魅力だが、実は表面のコーティング部分にも旨味成分が含まれているんだとか。粒の表面と内側の絶妙なバランスで味が成り立っている。

「実は1997年の発売以前にもいくつか粒タイプの商品にチャレンジして、キシリトールガムの発売当初は粒タイプと板タイプの両方を販売していました。そして現在、お客様に主に支持されているのが粒タイプになります」

こうしてキシリトールガムの発売が転機となり、粒ガムがガム市場のメインに躍り出たのであった。一方、これまで主流だった「板ガム」は一体どのような変遷をたどったのだろうか。

「キシリトールガム <フレッシュミント>」


レトロブームで再燃?「板ガム」の今

今では粒ガムを食べる人が多くなったが、ガムといえば「板ガム」を想像する人も少なくない。1957年発売の「グリーンガム」や、1960年発売の「クールミント」など、人々の記憶に残る味を数多く生み続けてきたのがロッテだ。

開封した瞬間のフワッと漂う香りやボリューム感、そして噛めば噛むほど口に馴染んでいく食感などが板ガムならではの魅力。しかしそんな板ガムの姿も、今ではなかなか見かけなくなってしまった。

「板ガムには板ガムならではのボリューム感や香り、味わいがあるものの、何かをしながら食べる時は粒ガムくらいのサイズ感が好まれる傾向にあり、板ガムから粒ガムへと移行していったのではないかと私たちは考えています」

「フリーゾーンガム <ミント>」

「フリーゾーンガム <レモン>」


現在、板ガムは主に年配の人に愛されているそうだが、レトロブームの到来で2020年11月に発売した復刻版の板ガム「クイッククエンチ」や「ジューシー&フレッシュガム」が好評に。市場のメインが粒ガムに移行したとはいえ、板ガムの人気はまだまだ衰えそうにないことがわかった。

「クールミントガム」

「グリーンガム」


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