あんなに人気だった“板ガム”はどこへ?ロッテに聞く「ガム市場」の現在
東京ウォーカー(全国版)
縮小するガム市場。その活路とは?
では、一体なぜガム市場が縮小しているのだろうか。その要因の1つが、「ガムに代わるさまざまな商品や時間の過ごし方の台頭」だと山本さんは話す。
「以前は通勤や電車の待ち時間などにガムを噛んでいる人がいましたが、グミやタブレット菓子、コンビニコーヒーなどガムに代わる商品がたくさん出てきました。また、喫煙者がガムを噛むことが多かったのですが、喫煙者の減少傾向もガムの売上に影響していると考えられます」
理由はこれだけではなく、スマートフォンが普及したことも大きな要因に。時間つぶしにスマートフォンを使う時間が増え、暇さえあれば画面を眺めるようになってしまったことで、昔のように“手持ち無沙汰の時間”自体がなくなってしまっている。
また、追い打ちをかけるようにコロナ禍となり、外出する機会が減少。人と会う時の口臭予防やオフィスでのリフレッシュなどにガムを噛む人が少なくなり、売上はさらに厳しくなった。


一方で、希望の光も。最近は新たな習慣が生まれつつあるのだとか。
「リモートワークでメリハリのない暮らしのなか、『ガムを噛むことでリフレッシュできる』『眠気覚ましになる』というお声をいただきます。なかでも特に好評なのはボトルタイプで、家やオフィス、車などに常に置いておけるというのが人気の理由ですね。そして今では、ボトルタイプが市場の約半分を占めるほどになっています」

納豆味にからあげ味も!?「あなたの推しガム総選挙」が開催
ガム市場全体が苦戦を強いられているなか、ロッテは熱狂的なファンや懐かしい味を求める消費者に対してのキャンペーンを積極的に行っている。公式サイトでは、かつて人気を博した板ガムのなかから最も人気の板ガムを決定する「あなたの推しガム総選挙」が開催中。レトロブームど真ん中の、懐かしさあふれる企画だ。(5月31日まで)
「1954年に発売された『スペアミントガム』や、1990年代に発売された『マスカットガム』、『スウィーティガム』など、懐かしフレーバー10種がラインナップになっています。また、1位になったフレーバーに投票していただいた方のなかから抽選で10名様に“超ビッグなガム”をプレゼントいたしますので、ぜひ投票してみてください!」



さらに投票した人には、「ナポリタン味」「からあげ味」「納豆味」といった“幻の没ネタガム”が抽選で10名にプレゼントされる。特に「おもしろい」と感じたボツネタを選出したのだとか。
「実は粒ガムと比べて板ガムのほうが味を再現しやすいので、いろんなフレーバーにチャレンジしやすいんですよ。そのため、もし今回の企画が好評だったら、バラエティあふれるフレーバーにチャレンジできればと考えています。ちなみに、『納豆味』は人と会う前に食べることはおすすめしません(笑)」



粒ガムが市場のメインになった今もなお、板ガムにしかできない試みがある。もしかすると板ガムが思わぬ形で再びフィーチャーされる日もそう遠くないのかもしれない。
「まだまだ新規ファンを増やしたい」ロッテが掲げる目標
今年で誕生25周年を迎えたキシリトールガム。山本さんは「これからも新しいガムのファンを獲得していきたい」と意気込む。
「まず『噛み続けられる食品』としてガムの良さを啓蒙していきたいですね。また、オーラルケア意識の向上に向けたさらなる販売の強化や、復刻商品やコラボレーション商品などエンタメ性のあるガムを発売することで、ガム市場全体を盛り上げていきたいです」
これまで幅広い世代に愛される商品を開発し続け、ガムの歴史を大きく変えた商品をも排出してきたロッテ。厳しい状況においても活路を見出しつつある、ガム業界の今後の動きが楽しみだ。
取材・文=西脇章太
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