コーヒーで旅する日本/九州編|”やってみたい”を実践し、地域の憩いの店として親しまれるまで。「アルマロードコーヒー」

九州ウォーカー

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全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。なかでも九州はトップクラスのロースターやバリスタが存在し、コーヒーカルチャーの進化が顕著だ。そんな九州で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

地元のカフェに始まり、メルボルンのカフェカルチャーを体験したことが、コーヒーショップ開業のきっかけ

九州編の第27回は、長崎県・大村市にある「アルマロードコーヒー」。アパレル、アウトドアグッズ、食品など幅広いアイテムを販売する「LONG TABLE」というショップの一角に店舗を構え、今年で8年目を迎える。23歳の時から移動販売、イベント出店などをメインに「アルマロードコーヒー」を立ち上げ、24歳で現在の店を開いた店主兼バリスタの森采(もり・あや)さん。一般的に考えれば、かなり若い時期に独立開業を決めたことにまず驚かされる。森さんは「若かったからこそ、怖いもの知らずだった」と謙遜するが、それでも8年にわたり愛される店を作り上げているのは事実。そんな同店の魅力に迫る。

Profile|森采(もり・あや)
1991(平成3)年、長崎県長与町生まれ。高校卒業後、菓子作りに興味があったことからパティシエの専門学校に入学。接客もするカフェというスタイルに強く惹かれ、シアトル系のコーヒーチェーンでアルバイトを経験。その後、カフェが日常の暮らしに根付くオーストラリアのライフスタイルを肌で感じるために、メルボルンへ。帰国後の2014年、23歳で無店舗で「アルマロードコーヒー」を開業。約1年後に大村市の「LONG TABLE」内に実店舗をオープン。

選んだのは、接客×菓子×コーヒー

「アルマロードコーヒー」があるのは、ライフスタイルショップ「LONG TABLE」内

「アルマロードコーヒー」が店を構えるのは長崎自動車道大村ICからまっすぐに長崎空港に向かう、通称・空港通り沿い。地元で親しまれるライフスタイルショップ「LONG TABLE」内という、一風変わったロケーションだ。「LONG TABLE」と「アルマロードコーヒー」の境界は設けられているものの、かっちりとした区切りではなく、空間全体を活かしたのびやかな雰囲気で、とてもバランスが良い。カフェ単体の利用はもちろん、ショッピングついでに立ち寄るでもOKで、訪れる人にとっては、さまざまな楽しみ方ができる。

観葉植物や本棚などで、緩やかに「LONG TABLE」と区切られた店内

森さんが「アルマロードコーヒー」を立ち上げたのは、23歳のころ。パティシエの専門学校に通う中、インターンで足を運んだカフェでの接客に強く惹かれた。「お菓子も作って、接客もするカフェが私には一番合っていると感じました。それを機にシアトル系のコーヒーチェーンでアルバイトを始め、接客・お菓子・コーヒー、すべてが叶うコーヒーショップを開くという目標をおぼろげに持ち始めました」

アパレル、アウトドアグッズなど幅広い商品を取り扱う「LONG TABLE」

それが20代前半の時。まだまだたくさんの経験をしてみたいと、次に選んだのはオーストラリアへの留学。ワーキングホリデーの制度を利用し、1年間メルボルンで暮らした森さん。「オーストラリアは独自のカフェカルチャーが根付いていて、みんなコーヒー片手にカフェでおしゃべりしたり、街を歩いたりしているのが当たり前でした。メルボルンではバリスタとして働く機会もあり、その経験からよりコーヒーへの興味は強くなりました。おいしくコーヒーを淹れるための知識、技術を意識しだしたのもこの時ぐらいから」

毎日手作りするスイーツ。スコーン(240円〜)、レモンケーキ、バナナケーキ(各300円〜)など焼き菓子がメイン。持ち帰りもできる

やりたいことを、まずやってみる

現在使っているエスプレッソマシンはLa Marzocco Linea-2。最初に購入したのは、VIBIEMME

帰国した森さんは長崎を離れ、東京や福岡などに出ることも視野に入れていたそうだが、両親のことなどを考え、長崎に残る決断をする。「ただ当時、長崎にはコーヒーショップはそこまで多くなくて、バリスタの求人もほとんどありませんでした。どうしようか悩んでいた時、よく通っていた長崎市のひとやすみ書店のオーナーさんに、『自分がやりたいことがあるなら、とりあえずやってみたら良い』とアドバイスをいただいたんです。当時、私は23歳。怖いもの知らずの勢いだけで、『やってみよう!』って決断して、すぐにエスプレッソマシンを購入しました」と森さん。「アルマロードコーヒー」を立ち上げ後、無店舗という業態を活かし、移動販売、イベントなどに積極的に出店する日々を1年ほど送った。そんな時、偶然知り合った「LONG TABLE」のオーナーに大村市のショップ内でカフェをやってみませんか、と相談を受けたのが、現在のスタイルに至った経緯だ。

屋号はメルボルンの通りの名前から命名。「アルマロードは雰囲気がすごく良くて、今でも印象に強く残っています」(森さん)

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