アイスの「白くま」が今、白くなくなっている?鹿児島のローカルスイーツが全国で愛される理由とルーツに迫る
東京ウォーカー(全国版)
コンビニやスーパーで当たり前のように見かけるアイスの「白くま」。カップに入った練乳氷にフルーツがトッピングされた華やかなビジュアルのものや、フルーツや小豆が入ったアイスバー状のものなどが主流で、これから到来する本格的な夏に欠かせないひと品だ。
しかし、白くまはもともと鹿児島のご当地スイーツだったのをご存知だろうか。今ではどこでも見かける商品であるため、てっきり発売当初から全国展開がされていたものだと思いきや、実は九州の一部の地域だけで販売されていた商品だったのだ。
では、なぜ全国デビューに至ったのだろうか。白くまを全国で販売している丸永製菓株式会社 取締役の永渕寛司さんに話を聞くと、今や身近な存在となっているコンビニが全国展開の鍵だったことが判明。さらに最近は“白くない”という新事実も!まだまだ謎多き白くまのルーツに迫った。
コンビニ展開が成功の鍵!時代の流れで全国区へ
白くまの誕生の経緯については諸説あり、本場・鹿児島で白くまの原型となっている「氷白熊」の本家と言われる「天文館むじゃき」が発祥という説が有力。鹿児島で白くまを販売しているかき氷屋さんは県内に何店舗も存在する。
「約50年ほど前にご当地スイーツを市販化する流れがあり、同時期に九州のいろんなメーカーが白くまの商品を開発し、販売を始めました。当社もそのうちの1つです。ちなみに商品名の由来として、真上から見たときに“白くまっぽい”という説があるみたいです(笑)」
市販化からしばらくは主に個人商店で販売されていたため、九州以外での販売はなかったが、1994年に当時流通のメインになりつつあったコンビニに展開されたことがきっかけで一気に全国区の商品に。もしかすると、当時テレビなどで取り上げられているのを見て白くまを知った人も多いのではないだろうか。
「もちろん全国のスーパーで採用していただいたのも知名度向上の理由の1つですが、コンビニはトレンド商品を多く取り揃えていますし、なにより東京を基点として全国津々浦々に商品が行き届くので波及効果がすごかったですね」
そして衝撃的な全国デビューから30年近く経った今、白くまにある変化が起き始めている。
今はもう白くない!?シンプルな味わいを生かした工夫
全国的な知名度になった白くまだが、本場の鹿児島では従来のスタイルにとらわれない豊富なバリエーションが展開されているんだとか。調べてみると「天文館むじゃき」でもいろんな種類の白くまが提供されていて、チョコレート味やストロベリー味など、もはや私たちがイメージする“白い白くま”ではなかった。なかにはプリンが乗っているものもある。
丸永製菓もこれまでになかった自由度の高い白くまを開発している。なかでも「白くまデザート」シリーズは新たな試みがなされており、練乳氷だけでなくバニラアイスが入っていたりするものも。そしていちごやメロンソーダなどフルーツの鮮やかな色合いにより、現在の本場と同じ“白くない”新たな白くまとなっている。
「表面だけでなく底にまでバニラアイスが入っているので、最後のひと口まで楽しめます。また、フルーツが多めなので少しお得感もあります(笑)。また、このシリーズは主にスーパーで展開している商品で、発売してから売上は常に右肩上がりなんです。練乳ベースなので、どんな素材とも基本的に相性が良いんですよね。個人的にはブランデーで風味付けして食べるのがとてもおすすめです。一度試してみてください!」
今注目したいのが、2022年2月21日に発売された新シリーズ「PREMIUM しろくまパフェ」。バニラアイスの下にかき氷があり、最後まで飽きの来ないおいしさになっている。このシリーズもこれまでとは一線を画した新たな白くまといえる。
もちろん、1972年に発売された初代「白熊」や1986年に発売されたアイスバーの「白くま」に加え、家族で楽しめるマルチパック、フルーツ多めの大容量のものなど、従来の味わいを守り続けている商品も健在。ぜひお気に入りを見つけてほしい。
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