まさに職人たちの技術の結晶!津軽びいどろの魅力が凝縮した、スターバックス リザーブ(R) ロースタリー 東京のJIMOTO made +の新作がアツい!!

東京ウォーカー(全国版)

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スターバックスの店舗のワークショップからガラス職人に

入社4年目と、職人の中では最も若手の小笠原若菜さん

北洋硝子でガラス製品の生産に携わる職人は約25名。女性のガラス職人も活躍しており、2022年6月現在、4名が社員として在籍。その一人が小笠原若菜さんだ。2000(平成12)年、青森市生まれで、今年で22歳と職人の中では若手。高校生のころ、ものづくりへの興味から、スターバックス コーヒー 青森西バイパス店の『コーヒーの知識と北洋硝子の工場見学をする』というワークショップに参加。この経験がきっかけとなり、北洋硝子への入社を熱望した経緯がある。

作業中の小笠原さん。溶解炉、再加熱炉から発する熱によって工場内は常に暑い

小笠原さんは「職人さんが働く姿を見て、『ここで働きたい!』と強く思いました。青森市で生まれ育ったので、津軽びいどろのことは昔から知っていたのですが、どうやって作っているかといった知識はまったくありませんでした。工場見学を通して、より身近に感じるようになりましたし、ガラス製品を見る視点も変わりました」と当時を振り返る。

工場長である中川さんが話す、その時のエピソードも印象的だ。「私も彼女がワークショップで工場見学に来た時のことを鮮明に覚えています。一通り見学を終え、最後になにか質問はありませんか?と参加者のみなさんにたずねたら、彼女がすぐに手を挙げて、『どうやったら、ここで働けますか!』と質問してきたんです。その年は求人を出していなかったのですが、すぐに社長に求人募集をかけるよう持ちかけましたね(笑)」

箸やスプーンが置きやすい形状に成形していく

現在、小笠原さんは箸置きの製作をメインに行っており、今年の7月12日(火)に新たにJIMOTO made +の商品に加わる、津軽びいどろのスプーンレストの一部はまさに小笠原さんが手掛けたものだ。小笠原さんは「私自身、スターバックスさんのワークショップをきっかけに北洋硝子に入社したので、JIMOTO made +の製作に関わることができ、とても驚いています」と話す。

同社が手掛けている通常の箸置きの場合、直径35ミリが基本のサイズだが、JIMOTO made +のスプーンレストの場合、それよりも5ミリ大きい40ミリが規格。サイズが違うということは、吹き棹で巻き取るガラスの量から異なるわけで、その差を目視で判断するのは想像以上に難しい。なにより、職人たちはいとも簡単に吹き棹で溶解したガラスを操っているように見えるが、自身が狙った量を巻き取り、それを理想の形に成形できるようになるには、日々練習を繰り返しながら3カ月以上はかかるという。

透明なガラスに色とりどりのカレットを付けて、良い塩梅で溶解させるのはさらに難しく、スプーンレストのくぼみをどの製品もほぼ同じにようするのも神経を使う作業だ。つまり、スプーンレスト一つとっても、すべての工程において一切気を抜くことは許されない。

規格が5ミリ違えば、カットするガラスの量ももちろん変わる

完成間近の箸置き、スプーンレスト。バーナーで表面を炙り、よりなめらかな質感に仕上げる

「2021年夏から箸置きの製作を任せていただけるようになりましたが、それまでは先輩方の補助をしながら、作業の流れや技術を学びました。ただ、見るのと、実際にやってみるのとでは、まったく違い、ガラス製品を作る難しさを日々感じているところです。今は箸置きの製作がメインですが、1日も早くスピン成形、型吹き、宙吹きといった技術を覚えて、自分のものにしていきたい。将来は、青森県の伝統工芸士になるのが目標です」と小笠原さんは力強く語ってくれた。

技術を磨くほどに大切にするチームワーク

ピンブローで一輪挿しを製作中の舘山美沙さん

北洋硝子では青森県認定の伝統工芸士が2022年6月現在、4名在籍する。その一人が入社25年の舘山美沙さんだ。2021年12月に認定され、北洋硝子では初にして、唯一の女性伝統工芸士となった舘山さん。率直にそのことをどう感じているのか。「今まで伝統工芸士に認定された職人を含めて、多くの先輩たちの背中を追いかけてきましたので、大きな目標の一つではありました。実際に昨年、自身が認定され、身が引き締まる思いです。ただ、ガラス職人としてはまったくゴールではないですし、おそらく一生、『これで納得』ということはないと思っています」

「一つ一つ手作りしているので、その時の自分の心情が投影されると私は思います」と舘山さん

25年間、ガラス職人一筋でやってきて、伝統工芸士というだれもが認める高い技術の証を持ちながら、“まだまだ”と自分を戒めながらガラスと向き合う舘山さん。現在は単独班という、最初から最後まで一人でガラス製品を作る部隊に属し、箸置き、一輪挿し、オーナメントなど、さまざまな製品を手掛けている。単独で行うということは、一通りすべての技法をマスターしている熟練の職人だけが配属される部隊であるのは言わずもがな。ただ、舘山さんはこう話す。「単独班だから、一人で完結というわけではありません。津軽びいどろ作りにはチームワークが最も大切。それが全員の共通意識としてあるからこそ、すべての製品を通して高い品質を維持できています」

スピン成形、ピンブロー、型吹き、宙吹きなど、作るガラス製品ごとに技法を使い分ける。複数人でチームを構成することも多い

工場長の中川さんも、チームワークの大切さをこう話す。「当社では、舘山や小笠原のようにガラス製品を作る生産部をはじめ、原料を配合し、溶かして成形できる状態にする溶解・調合部、サンドブラストやガラスカットなどを行う加工部、製品にひずみやゆがみなどがないか細部までチェックする検品・梱包部の大きく4つの部署に分かれています。どの部署も熱心に業務に取り組む職人が集まっており、一つでも欠けると津軽びいどろは完成しません。つまり、この工場で働くすべての人間が大切だということです」

経験を積むほどに、ともに働く人々を強くリスペクトし、さらに良い製品を生み出そうと努力を重ねる。これは、チームワークの大切さを日々の仕事で身にしみて体感している北洋硝子独自の社風であり、多くの名品を生み出してきた原動力だ。

「新たに製作したJIMOTO made +には、目黒川の流れやスターバックス リザーブ(R) ロースタリー 東京のシンフォニーパイプなどを模様で表現した製品もあります」と舘山さん

舘山さんはJIMOTO made +の商品開発段階で、ピンブローで作り出す一輪挿しのデザインを主に担当。「今回、スターバックスさんと一緒に作り上げたJIMOTO made +の一輪挿しでは、色の配色、溶けたカレットの流れ方などを特に工夫しました。さまざまな色のカレットにより描かれる模様が途切れなく流れるように成形する。細かなことですが、そういった点にも注目していただけたらうれしいです」と舘山さん。実際、25年にわたり津軽びいどろを作ってきた舘山さんでさえ、模様の細かなバランスを意識しながら成形するのは非常に難しく、片時も集中を途切れさせられないという。

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