健気でかわいいスズメの娘がお礼に奮闘!現代版おとぎ話「チュンの恩返し」にほっこり
東京ウォーカー(全国版)
「終わるまで覗かないでくださいね」と言えば、思い浮かぶのが民話・鶴の恩返し。助けられた鶴がお礼のために人の姿を借りて恩返しするというお話だが、それがもし現代、しかも「鶴」ではなく「スズメ」だったら……。漫画「チュンの恩返し」は、化け雀の少女と青年画家の交流を描いた日常コメディ作品だ。
鶴ならぬスズメの恩返し。ところが現代では苦戦して…
ある時、アトリエにぶつかったスズメを手当てした、青年画家の「江垣」。「これが童話なら」と、鶴の恩返しを連想していたところ、その夜、アトリエに「おチュン」を名乗る女性が現れる。そう、昼間のスズメが人間に化け恩返しのためにやってきたのだ。
とは言え、昔話の時代と違い、大体のことは助けもなく便利に暮らせる世の中。片付いた部屋で掃除の必要もなく、夕食はすでに済ませてしまい、さりとて日本円は用意できないとお礼の方法に窮したおチュンだが、画家である江垣のために、画の参考資料のモデルになることを提案する。
「終わるまで覗かないでくださいね」と告げ、別室に消えたおチュン。部屋の奥から聞こえる衣擦れとシャッター音から、ヌード写真を撮っているのではと思った江垣は慌てて静止に入るが、そこにいたのは裸は裸でも一羽のスズメ。スズメの姿でさまざまなポージングを自撮りしていたのだった。
おチュンはセキセイインコだったかも?スズメを主役に選んだワケ
本作は、『くちべた食堂』で知られる漫画家の梵辛(
@sokusekimaou
)さんが2018年、自主制作の短編として発表した作品をリメイクし、自身のTwitterとwebアクション(双葉社)にて2021年から同時連載をスタート。Twitterでは新作が公開されるたび、ユーザーから「かわいい」「めっちゃ萌える」と、ほのぼのした作品世界と、スズメの姿と少女の姿、それぞれの愛らしさを持つおチュンへの反響が集まる話題作となっている。
2022年7月21日、いよいよファン待望の単行本第1巻が発売された同作。ウォーカープラスでは単行本発売を記念し、作者の梵辛さんにインタビューを実施。本作のアイデアのきっかけや、単行本での見どころについて教えてもらった。
――このたびは単行本の刊行おめでとうございます。2018年の自主制作版から数えると4年以上、ファン待望の書籍化となりました。
「最初に商業化のお話をいただいてから、単行本発売まで何年も経ってしまったのですが、これはこの期間に他の作品の連載をいくつも行っており、『チュンの恩返し』はその隙間を縫って少しずつ描き進める形になったからという事情があります。ただ、そのおかげで原稿のクオリティについて、特に後半は自分の最低限目標とするラインまで徐々に達してきたという手ごたえがあり、満を持して単行本を完成させることができたという気持ちです」
――本作は日々の暮らしで馴染み深い鳥であるスズメの「おチュン」が主人公というのがユニークです。本作のアイデアはどんなところから生まれたのでしょうか。
「もともと、セキセイインコと長年暮らしていた経験があり、いずれ鳥をモチーフにした漫画を描きたいと考えていました。その際、まずは『鳥はかわいい』ということに共感してもらおうと、誰でも姿を思い浮かべられる鳥を主人公にしようと思いました。ペットショップで最もポピュラーな鳥といえばセキセイインコなのですが、そういったお店に馴染みのない人でもみんなが分かる小鳥といえばスズメだなと思い、主役に決めました」
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