奈緒「執着せずに生きたい」喪失感を描く最新作を通して考えた、自身にとって欠かせないもの
東京ウォーカー(全国版)
主人公が親友の遺骨をもって旅に出るというストーリーで2020年に衝撃を呼んだ、平庫ワカによる漫画「マイ・ブロークン・マリコ」が永野芽郁主演で映画化される。

主人公のシイノの親友で、物語のキーパーソンであるマリコを演じたのは、ドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」や映画『余命10年』、『TANG タング』など話題作への出演が続く奈緒。そんな彼女に、今作の印象や、自身にとって欠かせないものなどを聞いた。

“生きる”実感を届けられる作品
――「原作を読む手が止まらず、読み終わったあとは涙が止まりませんでした」とコメントを出されていました。これはどういった涙だったのでしょう?
【奈緒】最初からシイノにすごく魅了されて、シイちゃんと一緒に追体験をしているような気持ちで読み進め、シイちゃんが自分にかけて背負ってきた呪いみたいなものが溶けた瞬間を感じました。最後のシーンで、“あぁここに辿り着いたのか”と、気が付いたらシイちゃんと一緒に涙を流していたという感覚でした。誰かを残して天国へ登っていった人たちが今までたくさんいて、残された今を生きる私たちという存在がある。そんなことを通じて、“生きる”という実感を届けられる作品だなと思います。

――最後のシーンを含め、今作では手紙が重要な意味合いを持ちますね。
【奈緒】そうですね。撮影にあたり、作中に登場する手紙を実際に書かせていただいたんです。そして、まさに最後の手紙をどうしようか、というのがマリコという役をやるうえで答えを出さなければいけないことだったので、監督ともたくさんお話をしました。どんなことが書いてあったのか、自分の中にひとつの答えはあるのですが、観てくださった方たちがどう感じたのかを聞きたいなとすごく思います。

断捨離を通して大事なものと向き合う
――登場人物があまり多い作品ではないですが、共感できる人物はいましたか?
【奈緒】正直、今回の登場人物に共感することは難しかったです。でも、例えばシイちゃんのように身近な人を亡くした経験は自分にもあったので、ついついLINEを送ってしまう気持ちはすごく共感しました。登場人物がそれぞれに痛みを抱えていますが、シイちゃんの喪失感というのは、残された経験がある人なら共感する部分があるのではないかと思います。
――「喪失感」は、今作を語るうえで重要なテーマのひとつですね。
【奈緒】シイちゃんが、目の前にはいないマリコを自分の中にどう存在させるかということに向き合ったのは、すごく大きなことだと思います。自分がもし今後同じような場面に遭遇することがあったら、シイちゃんと同じように喪失感に向き合って乗り越えていきたいなと思いました。


――ちなみに、奈緒さんにとって欠かせない存在とは?
【奈緒】実は今、断捨離をしていて、いろいろなものをなるべく手放すという作業を日常的にしているんです。いつかはなくなってしまったり手放さないといけない瞬間がやってきたりすると思うので、あまり物に執着せずに生きたいなと思っています。
そう考えると、やっぱり家族は欠かせない存在ですね。母と一緒に暮らしているんですが、いずれお別れをする日がきた時、私は新しい家族を作っているかもしれないし、もしかしたらひとりになってしまうかもしれない。でも、どちらにしても、新しく欠かせないものを見つけていくんだろうな、と『マイ・ブロークン・マリコ』を通して思うようになりました。

――断捨離を始めたきっかけはあったのですか?
【奈緒】本当に好きなものや大事なものが何なのか、向き合いたいなと思ったことがきっかけです。例えばストレス発散のために買い物をしてしまうこともありましたが、物が増えて家の中の場所がなくなり、それでまた別のストレスが溜まって……というルーティンになっていることに気が付いたんです。そんな時に「本当に大事なものは減っていく」という言葉を思い出して、最後ひとつになってもいいから、大事なものだけにしようと思って断捨離を始めました。

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