NMB48・安部若菜「水着になるより恥ずかしい」アイドル×オタクの禁断の愛を描く小説『アイドル失格』執筆秘話

自身が作り上げたキャラクターは「我が子のように愛おしい」

――ファンの方からの質問に答える回もありました。「アイドルもオタクもモデルはいますか？」という質問に、「両方自分がモデルで、恋愛面のモデルはいない」と。

「表紙を公開してからも、『○○ちゃんに似てる』とか『○○ちゃんがモデル？』とかよく言われます。でも、そういうところから気になって読んでもらえたらいいなと思います」

――「登場人物、グループ名の由来は？」という質問に対して、主人公の実々花に関しては「子供の名前ランキングを調べながら、自分が子供につけたい名前にしました」と。

「清楚なイメージが前提にあって、かわいい名前を考えた時に、私が花とか花の名前が入っているのが好きで、“百合ちゃん”とかも考えたんですけど3文字がいいなと思って、同じ名前のアイドルがいないかどうかを調べて実々花にしました」

――グループ名の「テトラ」の由来は、「小説内で説明しているので読んで下さい」と。

「今回、テトラのロゴも作ったんですけど、それも読んでいただいたら『おーっ！』となるデザインなので、楽しみにして下さい」

――小説を書き始めてから作詞のすごさに改めて気付いて、「いつか私もNMB48の歌詞を書きたいと密かに思っている」と。

「書きたいですね。でも、テトラの曲の歌詞を書いてみたんですけど上手く書けなくて、紙をクシャクシャにしてすぐ捨てました(笑)。歌詞は小説を書くより恥ずかしいです。誰にも見せずに封印しました」

――表紙をイラストレーターのyudouhu(ゆどうふ)さんに依頼した決め手は？

「イラストレーターさんの候補を何十人もいただいて、そのなかから選ばせていただいたんですけど、かわいいだけじゃなくて陰のある素敵な表情とか、衣装もかわいく描かれていたところに惹かれました」

――そして「私が想像していたとおりの実々花になりました」と。

「我が子のように愛おしいです(笑)。実々花以外のメンバーも全員かわいいです！」

――yudouhuさんとはお会いしましたか？

「まだお会いできていないです」

――「テトラ」のメンバーを紹介して下さい。まずは主人公の小野寺実々花ちゃん。

「実々花はテトラのセンターで、進路や将来に悩んでいる高校3年生です。自分のファンであるケイタに惹かれていく、すごく真面目な子です」

――2人目は、川嶋サヤちゃん。

「サヤちゃんはテトラのリーダーで20歳。イメージカラーは青で、しっかりしていてクールなかっこいい子です」

――3人目は、空野あかりちゃん。

「あかりちゃんは、元気で明るくて天然！みたいな(笑)。ちょっと空気が読めないところもあるんですけど、その明るさに救われるキャラクターです」

――ラスト4人目は、一ノ瀬萌ちゃん。

「萌ちゃんが1番好きです(笑)。私がもともとツインテールのアイドルが好きなので、ツインテールの子は絶対入れようと思っていました。王道アイドルなんですけど、最年長の22歳で、“後がない”というキャラクターでもあります。気が強くて、実々花のことをライバル視しています」

――そんな「テトラ」がもうすぐ“デビュー”します。

「キャラクターがぶれないようにっていうのを心掛けました。もとの設定の性格から外れる行動は誰もしていないと思うので、1人の人間として、みんなの行動を楽しんでもらえたらと思います」

――『アイドル失格』を読んでほしいターゲット層は？

「アイドルファンの方には絶対刺さると思いますし、アイドルに興味がなくても夢とかやりたいことに悩む世代だったり、誰もが共通して悩む部分でもあるので、幅広い世代に読んでほしいですね」

――最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。

「アイドルとオタクという、現役のアイドルが触れていいのかというテーマを題材にして、自分がアイドルをするなかで感じてきた葛藤や悩みも入れつつ、実々花とケイタの成長物語を書きました。この小説を読んでハラハラドキドキしたり、スッキリした気分になってもらえたらうれしいです！」

取材・文・撮影＝ポッター平井

＜ポッター平井・プロフィール＞
構成作家・ライター。MBSラジオ『NMB48のTEPPENラジオ』などを担当。松田聖子さんの“輝き”に魅せられて以来、30年以上アイドルを応援し続けるアイドル・サポーター。