コーヒーで旅する日本/九州編|一度は諦めかけた夢が導いた、コーヒーへと真っ直ぐに伸びる道。「YOAKE COFFEE」
九州ウォーカー
全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。
なかでも九州はトップクラスのロースターやバリスタが存在し、コーヒーカルチャーの進化が顕著だ。そんな九州で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

九州編の第54回は、大分市中央町の「YOAKE COFFEE」。JR大分駅から徒歩約5分、ガレリア竹町というアーケード内に店を構え、同じ建物内にはドーナツショップと惣菜店もある。建物はTAKENISHI TERRACEという名称通り、店内のイートインスペースに加え、テラス席を備える街の憩いの空間だ。店を営むのはバリスタの宝満洋平さん。地元である大分にコーヒーショップを開くことを夢見て、そしてそれを叶えた宝満さん。これまでの歩みを聞くと、コーヒーに傾ける情熱も自ずと見えてきた。

Profile|宝満洋平(ほうまん・ようへい)
1985(昭和60)年、大分県宇佐市生まれ。大学卒業後、一度はサラリーマンとして働くも、海外で暮らす夢を叶えるために一念発起し、退職。ワーキングホリデー制度の年齢制限を迎える直前の29歳でオーストラリアへ。現地で1年間暮らす中で、日常的にコーヒーがあるオーストラリアのカフェカルチャーに魅了され、いつかは自身のコーヒーショップを開くことを決意。帰国後、長野県の丸山珈琲で約2年、その後、福岡市のハニー珈琲で約3年、バリスタとして腕を磨く。2021(令和3)年3月、大分市内に「YOAKE COFFEE」をオープン。
オーストラリアでの経験が人生を変えた

「YOAKE COFFEE」の宝満洋平さんの人生を変えたのは、中学生の時。語学研修のため2週間滞在したオーストラリアでの経験を大人になっても忘れることはなかった。「その時の体験をきっかけに『いつかは海外で暮らしてみたい』という夢が芽生えました。ただ、徐々にその目標も薄れていったんですが、普通にサラリーマンとして働いていた20代半ばで『やっぱり海外で暮らしてみたい』という思いを強くしました。やらずに後悔するぐらいなら、失敗しても良いからやってみようと決意して、28歳で会社を辞めました」と宝満さん。

その後、すぐにワーキングホリデー制度を利用し、オーストラリアへ渡った宝満さん。その当時はコーヒーは普通に好きという程度で、自身がコーヒーに関わって生きていこうとは考えていなかったそうだ。ただ、オーストラリアは世界的にみてもコーヒーが身近にある国。現地の人々は出勤前にコーヒーをテイクアウトし、仕事の合間にコーヒー片手にミーティングをし、仕事終わりにまたコーヒーショップに立ち寄るなど、コーヒーと日々の暮らしは切っても切り離せない。その暮らしを間近で目にした宝満さんのベクトルは一気にコーヒーに向いた。
正攻法にこそ自身の答えがある

「バリスタになる」という確かな目標をもって帰国した宝満さんは、まったくの未経験ゆえに、しっかりと勉強できるコーヒーショップで働くことに決めた。それが、長野県の丸山珈琲。言わずと知れた日本を代表するコーヒーショップの一つだ。「九州を離れることはまったく気になりませんでしたし、一から勉強するならしっかりと学べるコーヒーショップが良いと考えました」
この選択からして、宝満さんのマジメな性格がうかがえる。やるからには然るべきところで修業したいと考えるのは当たり前かもしれないが、一切の躊躇なく、夢を叶えるために一直線に進み始めたのは、宝満さんの性格あってのことだろう。

30歳とやや遅咲きでバリスタの道を歩み始めただけに苦労もたくさんしたそう。ただ、「丸山珈琲で働いた2年間は、今の僕の土台になっています。コーヒーの入口が丸山珈琲で良かったと今も強く思いますし、サラリーマンを一度辞めて退路を断ったことも逆に良かったのかもしれません」と長野で過ごした2年間を振り返る。
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