スターバックスのサイレンがモチーフの和様美がつまった人魚が誕生!JIMOTO Made +の新作は京都・御所人形作家とコラボ

東京ウォーカー(全国版)

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「JIMOTO Made + 東山 人魚」8500円

一体一体、丁寧に長い黒髪を描いていく島田さん。美しい歌声で航海士たちを魅了するギリシャ神話のサイレンを和様式で表現するにあたり、“古代からの日本の美しい人”を意識したという。
「日本の美人の象徴であるお福顔にしました。古くは日本神話に出てくる天鈿女命(アマノウズメ)がお福顔だったと言われていてね」
手に平和の象徴の白いハトを持って笑みを浮かべるお福顔の人魚は、平安時代の長く垂れ下がった垂髪に、下半身は女官の緋袴をモチーフにした美しい立ち姿になっている。こうした人魚の装束にも願いが込められている。
「日本の星の表現方法は、絵に描くときは点か丸なんです。黒地に金の砂子を散らして銀河をイメージし、星を模した蛇の目(二重の丸)を描いています。この星が、持つ人の願いの道しるべになるようにと思いを込めました」

一体一体思いを込めて制作している

銀河に輝く星をイメージした服の柄


「JIMOTO Made + 東山 白鯨」7000円

スターバックスの社名のルーツは、小説『白鯨』に出てくる航海士の名前。貝殻からつくられる日本画の白色絵具・胡粉を下塗り、中塗り、上塗りと、濃度を変えて何重にも塗り重ね磨き上げるのは、御所人形の伝統的な技だ。その技法を用いているのが白鯨。
「御所人形にとっては、この仕事がいちばん大事な作業。塗り重ねていくと貝のエナメル質の光沢がのって、ほわっとしたやわらかな白になるんです。その白を大事にして白鯨の存在感をみせています」
全体に丸みを帯びて頭は大きく、尾は小さく、どこかユーモラスな形は、幼い鯨のイメージ。尾とひれには金泥(金粉をにかわ液でといたもの)を、噴気孔には星印をあしらっている。

粉状の胡粉を練って溶き、塗り重ねていく

意思を感じるような白鯨の瞳はスターバックスにちなんだグリーン


「JIMOTO Made + 東山 宝船」7500円

人魚、鯨とともに航海する色鮮やかな宝船は、先端に邪気を払う赤い房をつけている。船前部には米俵を、後部にはコーヒー豆の麻袋を積み、世界の農園からコーヒー豆を届けるスターバックスらしい宝船だ。宝船というと「宝」という文字が描かれたものが多いが、「獏」も古くから描かれる文字のひとつだという。
「初夢を見るときに枕の下に宝船の絵を置いて寝ると幸せを運んできてくれるという言い伝えがあるんですよ。悪夢を食べてくれると伝わる“獏”は、よい夢を見るようにと描かれたんです。宝ではなく、”獏”にして、幸せを追求して航海する船にしました」

帆には金粉が散らされている

後部には千両箱とコーヒー豆の麻袋


いずれもスターバックスにちなんだ星のマークがあしらわれ、「幸せに導かれますように」という願いが込められている。「お店がお向かいさんでスターバックスの帰りに、工房を訪ねてくれる人も多い」と、身近に感じているからこそ、その思いはさらに深まるのだと語ってくれた。

数百年の歴史のなかで受け継がれていく想い

江戸時代から数百年、受け継がれてきた御所人形。伝統を受け継ぐ者として「僕たちの仕事は一つひとつ作り上げていく、積み重ねの仕事」だと島田さんは語る。それを支えるもののひとつは、先代との思い出だ。幼少期からこの工房で先代の仕事を見て育ち、ふとした時にその光景や感情を思い出すと言う。

先代との記憶が「人形作りの人生での判断材料のひとつになっている」と語る


「僕が幼稚園くらいやった時に夜、ストーブの横に座って作ってるのをずーっと見ててね。いっしょに仕事をしていた時も、昼間に流れるジャズ、夜のラジオ、オヤジとの距離感…。情景として残ってるんです。それが、ここに生まれたからこそ感じられる、代を継ぐことのひとつやと思います」

それはいま、未来の6代目となる息子さんへと受け継がれようとしている。大学卒業とともに工房に入り、2階で職人さんたちとともに人形作りに精を出す。
「この仕事は跡取りというだけでできる仕事ではないというのが実感で。おそらく息子も今、それを感じてるんじゃないかなと思います。でもその先に行かなんだら、この仕事の深いところがわからんからね。僕も今、65歳になってそういうことを感じられるようになったんです」

40年以上使い込まれたものもある彫刻刀。息子さんにも工房に入るときに一式贈ったそう


愛らしい姿の中には数百年続く御所人形の歴史や文化だけでなく、それを受け継ぐ人たちの歴史や記憶、生きざま、そして受け取る人たちの想い、さまざまなものを内包しているのかもしれない。星に祈りを込めるように、JIMOTO Made +の特別な人魚、白鯨、宝船に願いを託してみたい。

なお、ロースタリー東京と島田耕園人形工房が制作する毎年恒例の限定商品は、今年も12月13日(火)から販売される。「JIMOTO Made + 東山 御所人形 鯛持ち」5万5000円、「JIMOTO Made + 東山 招き猫金」5万5000円、「JIMOTO Made + 東山 小御所人形 鯛釣り」4500円、「JIMOTO Made + 東山 干支土鈴セット『うさぎのお願い』」7000円、「JIMOTO Made + 東山 干支置物『はんなりうさぎ』白/青/黒/黄/ピンク」各1500円の全9種類だ。こちらはロースタリー 東京での数量限定販売なので、ぜひ足を運ぼう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

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