コーヒーで旅する日本/東海編|「From Seed to Cup」の理念を胸に、自分に何ができるのかを問い続ける。「スギコーヒーロースティング」

東海ウォーカー

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全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。なかでも名古屋の喫茶文化に代表される独自のコーヒーカルチャーを持つ東海はロースターやバリスタがそれぞれのスタイルを確立し、多種多様なコーヒーカルチャーを形成。そんな東海で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

店内は、コーヒー農園がある現地の倉庫をイメージした空間

東海編の第3回は、愛知県高浜市にある「スギコーヒーロースティング」。オーナーの杉浦学さん、奥様でありバリスタでもある優子さん、ロースターの大島順司さんの3人が中心となり、人口5万人足らずの小さな町からコーヒーの魅力を発信している。父が興した自家焙煎珈琲店を受け継いだものの、おいしいコーヒーとは何か?という壁にぶち当たった20代。スペシャルティコーヒーを知り、おいしさの理由を知った30代。COE(カップ・オブ・エクセレンス)国際審査員として品質を見つめ続けた40代。そして50代を迎え、のどかな故郷に腰を据えてコーヒーと向き合う今。杉浦さんの歩んできた人生を振り返りながら、コーヒーマンとしての理想を探ってみたい。

オーナーの杉浦学さん

Profile|杉浦学(すぎうら・まなぶ)
1969(昭和44)年、愛知県高浜市生まれ。両親が1977年に創業した自家焙煎コーヒー店「アイガーコーヒー」で、コーヒーに親しみながら成長。24歳ごろから家業を手伝うようになる。1999年、スペシャルティコーヒーとの出合いをきっかけに「スギコーヒーロースティング」をスタート。同業者と切磋琢磨しながらカッピング、仕入れ、焙煎技術、マーケティングなどを磨く。2008年から、COE国際審査員を務める。現地の生産者を訪ね、地元ではコーヒー教室を開催するなど、農園と消費者の架け橋となるべく精力的に活動を続けている。

コーヒーのおいしさを届け、地域に愛されて45年

2002年に、現在の外観になった

愛知県高浜市は、知多半島と海を挟んで向かい合った三河地方にある人口5万人弱の小さな町。この地で45年にわたって自家焙煎コーヒーを扱ってきた「スギコーヒーロースティング」が、実はコーヒー業界の最前線をいくスゴイ店だということは、あまり知られていないかもしれない。のんびりとした風景に映えるオレンジの外観は、一見してコーヒー店とは思えない。店を訪れる人の約8割がご近所さん。豆を買うついでにスタッフと世間話に花を咲かせ、1000円以上の購入でサービスされる無料コーヒーを飲んで、「ありがとね」と帰っていく。

2002年にアメリカで行われたSACC(アメリカスペシャルティコーヒー協会)主催のセミナーへの参加証。杉浦さんは勉強の一環として参加した

1999年にスタートした「スギコーヒーロースティング」の前身は、1977年創業の「アイガーコーヒー」。オーナーである杉浦学さんの父が始めた自家焙煎コーヒー店だった。「当時はちょうど自家焙煎ブームで、コーヒーに親しむ人がいっきに増えたタイミング。父は、喫茶店などに焙煎した豆を卸す業務用コーヒーをおもに手がけていました。家にはコーヒーの香りがいつも漂っていたものです。社会人になって数年が経った24歳ごろから、父の体調が思わしくなく、家業を手伝うように。29歳の時、父が亡くなりました。小売に力を入れ始めたのはこのころからですね」と当時を振り返る杉浦さん。家業を継ぎ、コーヒーのおいしさに思い悩んでいたころ、世界的に巻き起こった高品質コーヒーの波に遭遇する。

スタッフそれぞれがプロフェッショナルに!

スタッフが獲得したトロフィーなど

オーナーとなってからの杉浦さんは、店を運営しながら有名店をまわってコーヒーの教えを請い、セミナーやブログで情報収集するなど積極的に知識を求め、どうすればコーヒーがおいしくなるのかを考え続けていた。そんななかで、全国各地にスペシャルティコーヒーを広めたメンバーが多く所属した「珈琲の味方塾」にたどり着く。のちに「JRN(ジャパン・ロースターズ・ネットワーク)」と改称し、仲間たちと切磋琢磨を続けていくことになる杉浦さんのホームグラウンドだ。この出合いを通じて、2001年にグアテマラで行われたCOEにおいて落札された豆を購入する機会を得た。「高品質コーヒーを知って、世界が変わりました。当時感じた『この本当においしいコーヒーをたくさんの人に知ってほしい』という気持ちは、今も変わっていません」と杉浦さん。

【写真】現地を視察した時の様子。生産者と杉浦さんの交流がよくわかる

それからというもの、アメリカのカンファレンスやセミナーに参加し、ブラジルのオークションで豆を落札し、現地の農園を視察してダイレクトトレードを行うなど、杉浦さんの活動域は世界に広がった。そして、いかに高品質な豆を見極めて仕入れるのかを追及し、2008年からCOE国際審査員を務めるなど客観的に品質を評価するプロフェッショナルとして活躍するようになった。当時からともに店を支えていた優子さんはバリスタとしての技を競う「JBC(ジャパン バリスタ チャンピオンシップ)」に挑戦し、2012年にはセミファイナリスト、2014年にはファイナリストに。焙煎を担当する大島さんはカッピング技術を競う「JCTC(ジャパン カップテイスターズ チャンピオンシップ)」で2011年の日本チャンピオンに輝くなど、スタッフが一丸となってそれぞれの技術に磨きをかけた。

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