コーヒーで旅する日本/関西編|Made in Japanの器具を通じて、日本のコーヒーカルチャーを京都から世界へ広げる。「Kurasu」
関西ウォーカー
全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。なかでも、エリアごとに独自の喫茶文化が根付く関西は、個性的なロースターやバリスタが新たなコーヒーカルチャーを生み出している。そんな関西で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

関西編の第50回は、京都市内に3店、海外にも3店を展開する「Kurasu」。金融業界から転身したオーナー・大槻洋三さんが、2013年にオーストラリアで日本の家庭用品のオンラインストアを始め、2年後に日本製コーヒー器具専門店にリニューアル。2016年、京都に初の実店舗をオープンして以降は、焙煎所も開設し、ロースターとしての顔も加わった。器具の販売に端を発し、抽出や焙煎まで、日本のコーヒーカルチャーを世界に発信する「Kurasu」のユニークな店作りを、ヘッドロースターの良原さんにうかがった。

Profile|良原皓介(よしはら・こうすけ)
1991(平成3)年、京都府生まれ。大学卒業後、会社員を経て、京都の小川珈琲に入社。バリスタとして経験を積む中で、「Kurasu」の主催する抽出の競技会で優勝したのがきっかけで、2018年に「Kurasu」に入社、一から焙煎の技術を磨き、現在、ヘッドロースターとして「Kurasu」のコーヒーの品質管理を担う。
Made in Japanの器具を通じて、日本のコーヒー文化を世界に発信

日本語の“暮らす”を店名に掲げる「Kurasu」がスタートしたのは、2013年、オーストラリアから。仕事の関係で当地に移住した、オーナー・大槻さんが、“日本製のプロダクトがいかに海外で愛されているか”を知ったことが原点にある。それまでも度々、海外で生活し、得られた体験をきっかけに、日本の家庭用品を扱うオンラインストアを立ち上げたことで、大槻さんは改めて、日本の職人の仕事やデザイン、そのストーリー性が、世界中で認められていることを実感したという。

その中で、売上の半分以上を占めたのが、コーヒー器具だった。自身も、両親がジャズ喫茶を営んでいたことから、コーヒーは身近に親しんでいたもの。次第に、日本のコーヒーカルチャーに関心を深め、器具のデザインや抽出の細やかさといったユニークな魅力を伝えるべく、コーヒー器具専門店にシフト。サードウェーブの影響で、日本のコーヒー人気が高まっていたこともあり、毎月数百点のアイテムを25カ国以上に届けるまでになった。同時に、日本各地の個性的なロースターと、“Kurasu パートナー”として提携し、定期的に豆を届けるサブスクリプションサービスもスタートした。増え続けるファンの声に応えて、2016年、地元の京都に初の実店舗をオープン。国内外から多くのお客が集まる、京都の新たなスペシャルティコーヒースタンドとして、瞬く間に注目の存在となった。

また、並行して、2017年頃から自家焙煎をはじめ、2018年に伏見に焙煎所を開設し、2021年に西陣に移転。ヘッドロースターの良原さんは、先輩の誘いで会社員からコーヒーの世界へ進み、京都の小川珈琲でバリスタを務めていた時から「Kurasu」との縁があったという。「小川珈琲時代に勤めた京都駅地下街の店が、Kurasuのスタンドと近く、スタッフの行き来もありました。そのつながりでKurasu主催のブリューワーズトーナメントに参加して、優勝したことが、今に至る転機になりました。オーナーの大槻さんと一緒に、一からロースターを作り上げる感覚で、仕事を任せてもらい、継続的に取り組める環境がKurasuの強み」と、新天地での仕事に手応えを感じている。

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