コーヒーで旅する日本/東海編|名駅オフィス街を拠点に、ワーゲンバスでどこへでも!「MAGNI'S COFFEE TRUCK(マグニーズコーヒートラック)」
東海ウォーカー
全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。なかでも名古屋の喫茶文化に代表される独自のコーヒーカルチャーを持つ東海はロースターやバリスタがそれぞれのスタイルを確立し、多種多様なコーヒーカルチャーを形成。そんな東海で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

東海編の第18回は、名古屋・名駅にある「MAGNI'S COFFEE TRUCK(マグニーズコーヒートラック)」。会社員時代にドイツに赴任した経験からドイツのカフェ文化に親しんでいた藤澤圭一さんは、古いものと新しいものがミックスされた旧市街マグニの在り方に発想を得た移動式カフェで自家焙煎コーヒーを販売している。屋外のため持ち込める材料や道具に制限があり、さらに天気や気温の影響を受けやすい環境は、コーヒーマンとしては難易度が上がるところ。それでも、「人と関わることが好きなので、店舗よりもお客様との距離が近くなる営業形態を選びました」と話す藤澤さんは、コーヒーを通じてお客とコミュニケーションを取り、一緒に過ごすひと時を作り出すことを何よりも大切にしている。

Profile|藤澤圭一(ふじさわ・けいいち)
1981(昭和56)年、愛知県清須市生まれ。学生時代に「いずれはカフェをやりたい」と志す。会社員として働きながら資金を貯めて準備を進め、2014年に手鍋で焙煎するセミナーに参加。それ以降も、手回しロースターや半熱風式焙煎機を入手して独学で勉強し、焙煎の技術を磨いた。準備が整ったところで会社を辞めて、2016年に「MAGNI'S COFFEE TRUCK」を開業。あえて店舗を構えず、移動できるキッチンカーでコーヒー店を営む。
ワーゲンバス×サードウェーブコーヒー

平日はオフィスワーカーが行き交い、週末はショッピングやお出かけを楽しむ人々でにぎわう名古屋駅界隈。なかでも名駅3丁目エリアは気取らない居酒屋やおしゃれなバルが集まる名古屋屈指の繁華街だ。「MAGNI'S COFFEE TRUCK」は、そんな都心のど真ん中に平日のみ出現する移動式カフェとして親しまれている。
お客を迎えるのは、店主の藤澤圭一さん。「開業から7年間、火曜日から金曜日はずっとここで営業してきました。おかげさまで、朝の通勤時やランチを食べた帰りに、この辺りで働いている方が習慣的に利用してくださいます。さらに、開業当時はちょうどインスタグラムが盛り上がり始めたタイミングで、開業してすぐに『インスタグラムを見ました』という県外の方や旅行者がたくさん立ち寄ってくださるようになりました。今では青空の下に休憩中の会社員の方や旅行者の方が集まる、ゆるい社交場のような空間になっています」

確かに、1967年製造のワーゲンバスを改造したキッチンカーはビジュアルインパクトがあり、カフェ好きの心を打ち抜くには十分。白一色にカラーリングされた車体、古材を使ったカウンター、チョークアートが施されたメニューボードなど、どこを見ても「かわいい」しかない。

バックドアを開けると、車両後部がカウンター席に一変。テーブルには店名ロゴがプリントされ、たくさんのビートルやワーゲンバスのミニカーが飾られている。ここにコーヒーやメニューを置き、写真撮影するのも気分が上がる。

「店のコンセプトは“新旧の融合”です。会社員時代にドイツに4年間赴任していたことがあり、ドイツ北部の都市ブラウンシュヴァイクの旧市街マグニの在り方がいいな、と思って店名にしました。マグニは11世紀から続く古い都市。その中に近代的でアーティスティックな建物が自然と溶け合っている雰囲気が好きで、カフェのコンセプトにしました」と藤澤さん。コンセプトの“旧”に当たる部分はハード面。ドイツに縁があったことから、キッチンカーはドイツ車である中古のワーゲンバスに決定。さらに、古材をあしらったレトロな雰囲気の移動カフェにカスタマイズした。一方、コンセプトの“新”に当たる部分はソフト面。コーヒー豆の個性を浅めの焙煎度合いで表現するサードウェーブコーヒーを主軸に据えた。

コーヒー豆のラインナップは4つ。深煎りのブラジル、中煎りのマグニーズブレンドは定番で、ほかに浅煎り1種類と季節のブレンドが1種類ずつある。「浅煎りは1、2週間でコロコロと変えて、楽しみながらやっています。季節のブレンドは、春は中煎りのサクラブレンド、夏は浅めのものを多く使ったヒマワリブレンド、秋冬はちょっと深めの味をその年でいろいろ作っています」
取材時はまだサクラブレンドのシーズンだったのでオーダーしたところ、深煎り嗜好の筆者としてはなんのストレスもなくぐびぐびと飲める軽さと、コーヒーらしい華やかさを感じさせる、ウキウキした気分になれる味わいだった。桜が持つ木としての力強さと花としての華やかさの二面性をイメージし、香りの華やかさをケニア産の豆で、しっかりと根を張る土台を2種類のブラジル産の豆で表現しているそうだ。
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