タザキの投資本案内「私は株で200万ドル儲けた」/ボックス理論の元祖!プロダンサーから投資のプロへ!

東京ウォーカー(全国版)

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こんにちは。YouTubeチャンネル「聞いてわかる投資本要約チャンネル」を運営している、二児の父でサラリーマン投資家のタザキ( @tazaki_youtube )と申します。

学生時代に株の魅力を知って以来、投資本好きが高じて自分の学びをYouTubeで発信したところ、想像以上の反響を呼び、3年間でチャンネル登録者が10万人を超えました。これまでに読んだ投資・マネー系の本は300冊以上。

その経験から、ここでは特におすすめの書籍や、コスパの高い書籍を、経験値や投資スタイル別で紹介していきます。本日は、 「私は株で200万ドル儲けた」(著:ニコラス・ ダーバス/パンローリング) を紹介したいと思います。タイトルが少々怪しげに感じられるかもしれませんが、その見かけによらず、これは素晴らしい名著であり、高く評価されている一冊です。

新装版 私は株で200万ドル儲けたパンローリング


この本の主人公、ニコラス・ダーバス氏は、元々株について何も知らないプロのダンサーでした。その彼が株式市場で成功を収める物語が描かれています。

読者は、彼が市場の変動に一喜一憂する心理描写、そして全くの素人から一流の投資家へと成長するまでの考え方の変化を、追体験できるのが非常に魅力的な部分です。

さらに、ダーバス氏は 「ボックス理論」 という投資のテクニカル分析の手法を発案した人物でもあります。

投資のきっかけ

元プロダンサーのニコラス・ダーバス氏が、ダンスの報酬として受け取った株が全ての始まりでした。ダーバス氏は株についてほとんど何も知りませんでしたが、2カ月後、その株式が3000ドルから1万1000ドルまで増えるという衝撃の結果に、株式市場への興味が湧きました。

初めて株式市場に挑戦しようとしたダーバス氏は、楽屋でのうわさ話や、ブローカーからのアドバイスに耳を傾けましたが、成功には至りませんでした。その結果、彼の投資資金は1万1000ドルから5800ドルに減ってしまったのです。

しかし、この経験は彼にとって貴重な教訓となりました。彼は投資情報の信頼性を問い直し、ブローカーや業界人から聞いていたファンダメンタルズ分析に関わるキーワードを深く理解しようと決意しました。それから彼は、 ファンダメンタル投資のような信頼できる理論に基づいた投資方法を学び、市場の格言や歴史的な知識を得ることができました。

さらに、売買のタイミングを研究することが重要だと理解するようになりました。これら全てを学ぶことで、彼の知識と理解は徐々に深まっていきました。

彼は投資理論に基づいて徐々に成功するようになり、その結果、自信を持つようになりました。しかし、この自信が彼に信用取引を試す勇気を与え、結果として大失敗を経験することになりました。

この時点で、彼はファンダメンタルな理論や基本的な知識は理解していましたが、それでも成功することは難しく感じていました。そんなとき、偶然にも彼はチャートだけを見て感じた勢いに従い、株を購入します。それがきっかけとなり、彼はチャートを読む感覚を掴むことができるようになったのです。

テクノファンダメンタリスト理論

ダーバスは ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析を融合したテクノファンダメンタリスト理論を開発し、一貫して利益を出すようになりました。 この理論を確立した直後、彼は2年間の世界ツアーに出発します。

50年以上前の書籍で、当時の状況を考えると、インターネットや一般的な国際電話は存在せず、ダーバスはブローカーとの連絡を電報で行っていました。文字数制限により、彼はブローカーに対して最低限必要な情報だけを伝えるように指示していました。それは特定の銘柄の1日の高値、安値、終値、そして市場全体の流れだけでした。週刊誌は4日遅れで調べることができました。

しかし、それだけの情報で投資を行っても、彼の資産は順調に増え続け、最終的には200万ドルまで到達しました。 この当時に、彼はボックス理論を開発し、トレードの要点を掴んでいきました。

ボックス理論とは

ボックス理論は、株価が最高値と最低値の間で行き来するという考え方 です。この範囲をボックスと定義し、株価がボックス内で活発に動くことを好む。株価がボックスの上限を突破した場合、それは買い時であり、下限を突破した場合、それは売り時と定義します。ボックスを突破すれば、その上(または下)に新たなボックスを形成します。

彼の電報には、ボックスに基づいてどこにストップオーダーとストップロスオーダーを設定するかの指示だけが含まれていました。たとえば、60ドルから70ドルの間で株価が動いているとすれば、67ドルまで上昇した場合、逆指値注文を利用して購入し、一方、65ドルまで下落した場合、ストップロスオーダーを使用して最小限の損失で売却するといった具体的な指示が送られていました。

図1 ボックス理論


結果は約50%の確率で決まりますが、「損小利大」の原則に従っています。つまり、損切りは小さく、利益は大きく取るという形です。 これは株取引における理想的なシナリオであり、損切りが心理的に難しい場合でも、勝率が50%以下であっても、勝ちを大きく取り、負けは小さく抑えるという戦略は非常に有効でした。

ダーバスが電報だけで投資指示を行い、資産を順調に増やしていった様子は驚異的です。しかし、この電報のやりとりがどのように影響を及ぼしたかについては後ほど触れていきます。

過剰な情報はノイズに過ぎない

世界公演の2年間を終え、ニューヨークに帰国したダーバスは大失敗を犯します。彼は再び投資を始めますが、初期の挫折を再び体験します。何がその失敗の原因だったのでしょうか?

市場の噂、ブローカーからの情報、他人の動向に気を取られるなど、心的な混乱がダーバスの行動に影響を及ぼします。世界公演中に発揮していた独自の直感や独立した精神、自己信念は次第に失われ、他人の動きに迎合する結果、一連の失敗を招き、資産を減少させてしまいます。

このストーリーから皮肉な点として、彼が限られた情報だけでトレードしていた時期には勝ち続ける一方で、情報が氾濫するニューヨークに戻った途端、結果が振るわなくなったという事実があります。ウォーレン・バフェットも、市場の情報をノイズと認識し、オマハに住み続けています。

ダーバスが成功していたとき、彼は信じる銘柄だけの情報を送るようにブローカーに指示していました。しかし、ニューヨークに移住したとたん、彼が必要とする情報だけでなく、ほかの情報が波のように押し寄せてきました。その結果、不要な情報まで頭に詰め込むことになったのです。

ここから学べる教訓は、「自分が必要とする情報を見極める」こと、そしてそれ以外の情報は全てノイズとして排除するという心構えが投資において重要であるということです。 現代では、スマートフォンがあれば大抵の情報は手軽に手に入ります。さらに、SNSなどでは望まない情報まで流れ込んできます。 ダーバスの教訓、すなわち情報は選んで取り入れるべきだという考えは、ダーバスの時代以上に情報が氾濫する現代こそ、大事にすべきです。

著者が市場の波に一喜一憂する描写は読者の共感を呼びます。また、彼自身の思考の変化も興味深いです。初期の素人っぽさから、徐々に洗練された投資家へと成長する過程は、初心者だけでなく、中級者や上級者にも学びのある内容です。

何十年も読み継がれる本には普遍的な魅力があります。その中でも、ダーバスが試行錯誤を重ねながら成功へと繋げていった過程が特に重要です。 この本は、自らの意思とスタイルを貫き、困難を乗り越える彼の意志力と努力を反映しています。「株の勉強っておもしろいんだな」と感じ始めた人々にとって、この本は刺激的な一冊でしょう。

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