杢代和人写真展「stem」オンライン展示開催中！後藤大とのトークイベントをレポート「バミリアートに注目して」

作品に込めた意味を聞いた時、一緒に作ることができて本当によかったと思った

杢代： こちらが、メインビジュアルとなる大ちゃんとのコラボ作品です。これはもう本当に2人で考えて、描いて、作り上げました。

後藤： そうですね。このメインビジュアルについては、もっちゃんがある程度イメージや世界観を伝えてくれたんですよね。

杢代： はい。まず、モノトーンで仕上げたいというのが最初にありました。モノトーンって“何にも染まっていない”というのを表すことができると思ったので、19歳の今、モノトーンの作品を作っておくことで、年齢を重ねながら、どんどん色がついていけばいいなっていう意味も込めています。写真の構図も、撮る前にしっかり考えていて。なんとなく撮った写真にアートを乗せたというよりは、本当にもう、膝上くらいで仁王立ちでっていうのを決めた状態で、撮影が始まってるんです。ビタビタで、ね？

後藤： ビタビタで。

杢代： 最初からしっかりと想像して撮影に臨んだ作品なので、やっぱり思い入れがちょっと違います。

後藤： 最初は結構アップのほうがいいかなって話もあったんだけどね。他のアーティストさんとのコラボ作品と比べた時に、仁王立ちでどんって撮影するのが、メインビジュアルとしてインパクトも強くなるんじゃないかなってことで。それと、さっきも言ってくれたんですけど、もっちゃんがトーンにもすごくこだわって。

杢代： そうだね。

後藤： この年齢でトーンにまでこだわるのが素晴らしいですよね、しかもモノトーンに。最初はもうちょっと、もっちゃんのイメージカラーである緑だったり、紫だったりを入れようっていう話もあったんだけど。

杢代： あったね。でも、こうしてコラボして初めて作る作品だったらモノトーンが一番なのかなっていうところもあって、モノトーンにしましたね。

後藤： はい。何回かすり合わせて、自分の考えを3回くらいもっちゃんに送って、もっちゃんからも意見をもらって、本当に2人で作り上げました。

杢代： 僕も大ちゃんからいただいたものを飲み込んで解釈したうえで、「ここはこうしてほしい」と意見交換をしながら作った作品で。そして何より、大ちゃんがデジタルで描いてくれたイラストですよね。

後藤： デジタル部分は「Procreate」というアプリで描いて、さらに上からアナログで点描画をてんてんてんてん……って描きました。(※オンライン展示で鑑賞できるのはデジタル描画までの作品)

杢代： じっくり見たらわかるところです。そして、グラフィックのところにも意味がしっかりあるんですよね。

後藤： そうです。今回の写真展の名前「stem」は“幹”という意味なんですけど、もっちゃんはなぜタイトルを“幹”にしようと思ったんですか？

杢代： はい、これは僕の1st写真集が「SPROUT」で“芽”という意味で、これから成長していく過程だったりを表したんですけど、今回はいろんなアーティストさんとコラボしていく中で、枝分かれしていく表現をしたくて。軸になる存在は僕だけど、いろんな枝分かれをしていって、どんどん違った自分を表すことができたら、という意味を込めました。

後藤： 素敵ですね。僕も“幹”の意味合いを自分なりに色々と調べてみたんですけど、“才幹”という才能に近い意味だったり、主要部分や軸という意味がありました。なので、「根が深く、強く堂々と立ってる姿」を表現している仁王立ちの姿と、ところどころに入れた木目や木の様相でもっちゃんを“幹”に例えつつ、周りには5月20日の誕生花であるカタバミやデイジーなどいろんなお花を散りばめて、それらが全部、もっちゃんの才能と融合して絡みついてるっていう表現をしてみました。

杢代： これを聞いた時はもう、一緒に作ることができて本当によかったなと心から思いました。

後藤： ありがとうございます。

杢代： それに、これだけ親身になって一緒に作品を作ってくれたっていうことも、本当にすごくうれしくて。

後藤： ちょっと感動。うれしい。

杢代： 本当にそうなんですよ。僕は、いわゆるアートというものを知らなかったので無理を言った部分もあったと思うし、本当にふわっとしたイメージを伝えたのに、これだけ親身になってくれて。一緒に作品を作れて本当によかったと思う分、この作品は思い入れが深いです。