「いつ帰ってくるんだろう」上島竜兵さんの妻・光さんが心境を吐露。初エッセイを上梓した胸中を語る

東京ウォーカー(全国版)

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2022年5月に61歳で亡くなったお笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」の上島竜兵さんの妻・光さん(52歳)が、初エッセイ『竜ちゃんのばかやろう』(KADOKAWA刊)を2023年8月10日に発売。書籍の出版にあわせて、9月12日(火)に都内でトークイベントを開催する。

夫・上島竜兵さんのことを忘れないでと語る光さん(c)カドセミ


タレント広川ひかる名義ではなく、芸人の妻・上島光として壇上に立ち、夫婦の思い出を話したいと光さん。「お葬式もしたし、骨壺を選んだのも、全部私。だけど、今も『いつ帰ってくるんだろう』と思う」と、恐妻家のイメージを振り払う、寂寞(せきばく)の思いを、本記事での取材で語ってくれた。

他界から1年半での出版「何より自分の言葉で伝えいたい」

竜兵さんの1周忌から半年後にエッセイを出版。書籍のなかには「上島夫婦」の出会いから別れ、後悔の夜、葬儀の涙と笑い、残された悲しみと葛藤、苛立つ気持ちまで、実に赤裸々につづられている。

「竜ちゃんが生前よく口にした『人は忘れられた時に、本当の死が待っている』という言葉。皆さんの心の中から、上島竜兵という人を忘れて欲しくない。何より自分の言葉で伝えたかった」と、柔らかな笑顔で強い意志を明かす。

竜兵さんが去ってから約半年間、光さんは葬儀の手続きに始まり、遺品整理に4度の引越しなど、息つく間もなく作業に追われた日々。時々、肥後克広さん(ダチョウ俱楽部)から電話があり「俺なんかさ、ずっと“しくしくタイム”だよ。光ちゃんもそうだろ?」と、気遣う言葉がかけられたが、実際は真逆。「(当時は)何も考えずにずっと『無の状態』で進めました」と振り返る。執筆が決まると、その反動から堰(せき)を切ったように思いが溢れた。

毎日プロポーズの猛アタック! 24歳で結婚するも「私の目は節穴だった」

タレントとして順調にキャリアを積んでいた光さんに、連日猛アタックを続けたのが、既に人気芸人の地位を確立していた竜兵さん。当時、20歳そこそこだった光さんに連日プロポーズを続け、10歳の年の差をもろともせずに見事ゴールインを果たす。

しかし、いざ結婚してみると竜兵さんはとにかく帰って来ない。「毎晩毎晩、仕事や飲み会で家にいない。結婚の意味さえわかっていない未熟者でしたが、『あ―、私の目って節穴だった』と気づきました」と笑い飛ばす。だが、結婚後の光さんは自身の芸能活動をセーブし、過密スケジュールで仕事を続ける竜兵さんを支え続けた。

「竜ちゃんは、すごくすごく甘えん坊(笑)。家の中でも、私の姿が見えないと『ヒーちゃん、どこ?』って探してる。私が『お探しのヒーちゃんは、ここですよ』と顔を見せると、にっこり笑ってまた部屋に戻っていく」という仲睦まじさ。実際、竜兵さんは生前のインタビューで、光さんを”おかあちゃん”と表現している。

献身的に支え続けた光さんだったが、もちろん不満もあった。離婚については「何回も考えましたよ!20代のころなんて『もうだめだ、失敗ダ』と(笑)」。言葉のとおり、光さんは家出を2度敢行している。しかし、竜兵さんは光さんが家出をしたことにも全く気づかず、帰ってきた光さんを「おかえり~」と笑顔でお出迎え。更にお土産を受け取ると「いぇ~い」と素直に喜んでしまう、チャーミングな夫だった。

「家にいないほうが多くて、いても酔っぱらっている。そんなふうだから、離婚の話や子どもを持つ話についても、最後まで真剣に話し合うことはできませんでしたね」と、少し寂しそうに明かした。

海外の長期ロケに出たのかな?いつ帰ってくるのかな?

【写真】時折目を潤ませながらも、笑いを交えて思い出話を語る光さん(c)カドセミ

過去に“上島の家は恐妻家”というゴシップネタが飛び交うこともあったが、すべてはお笑い芸人の軽口から出るフィクション。甘ったれの竜兵さんと、甘えさせ上手な光さんが歩んできた28年の夫婦生活においては、お互いが必要不可欠な存在だったことは間違いない。

「もしも来世で、また竜兵さんからプロポーズされたら?」という問いに、光さんは一瞬の沈黙の後に「気づかないフリをして、1回無視しますね(笑)」と、答えをはぐらかす。以前、海外で『前世占い』を受けたと明かし、「2人の関係は“ご近所さん”だった。若い娘さんと近所のおじさんだったと聞いて、それ以来、竜ちゃんが何か言ってくると『うるさいよ、近所のおじさん』なんて言い返してました(笑)。だから、来世はまた近所のおじさんで」といたずらっぽく笑う。

「亡くなっちゃったのに、笑って話す私もどうかしているな~」と、穏やかな笑顔を見せる光さん。「ただ、ずっと“留守にする”ことが多い人だったから…。今回も長期のロケに出たままの状態が続いているような感覚」と、心のよすがを語る。「お葬式も、骨壺を選んだのも、全部私です。だけど、今も『あのおじさん、どこ行ったんだろう?いつ帰ってくるんだろう』みたいなね」と、目元を潤ませた。前世でも来世でもなく、いまこの場所で、竜兵さんの「ただいま」を待っている。

メディア出演が続くなか、いよいよ観客を前にトークショーへ

竜兵さんとの結婚生活を赤裸々に記した書籍『竜ちゃんのばかやろう』を発表した上島光さん(c)カドセミ

書籍出版で注目を集め、ラジオ出演からワイドショーでの特集、さらに9月1日(金)には中居正広が司会を務める人気バラエティ『金スマ』(TBS系)出演が決定。9月12日(火)には、70名限定のトークイベントも控えている。

イベントでは「写真なども使いながら、竜ちゃんのエピソードを話したいと」と意欲的。書籍に入りきらなかったエピソードや、これまで語られなかった『全てが竜ちゃんファーストだった上島家』を垣間見ることができるはずだ。

竜兵さんの他界後、光さんのInstagramには同じように“遺族”となったフォロワーから、DMが届くという。励ましや悲しみの共感、自身の体験などを投げかけられるそうだが、これまで具体的な返信は控えていた。

「この歳になると、身内や知り合いのなかで(竜ちゃんのように)他界した人が、全く周りにいないという人は少ないのではないか」と光さん。続けて「だから、私と同じように残された人にもお話ししたい。同時に、残された人は絶対に『自分に何かできたんじゃないか』という後悔や葛藤を抱え込む。そう思わせることをしてほしくはないということも、伝えたい」と、力を込めた。

取材・文/こいえさわこ(カドセミ)

【プロフィール】上島光
1970年10月6日生まれ。女性ものまねタレント。高校時代から芸能界を志し、1988年、フジテレビ系の「発表!日本ものまね大賞」で優勝し、芸能界入り。1994 年に上島竜兵と結婚し、結婚後は一時主婦業に専念するが、その後ものまね番組や情報番組のリポーター等で活動。芸名は広川ひかる。

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