お金が増えても浪費したら意味がない。資産を手にすることで芽生える「ステータス意識」に注意

東京ウォーカー(全国版)

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株式投資では、将来的に数千万円の資産を形成する途中段階である、数百万円の利益を得ただけでも気が大きくなり浪費に走ってしまう人もいる。そんなことでは支出が増え、大きな資産形成は困難になってしまうだろう。「そうならないためのポイントは、資産形成の目的と指針をはっきりさせること。そして、目的に沿った支出のポリシーを持つこと」だと語るのは、米国株投資の人気YouTuber・ロジャーパパさん。株式投資をするうえで大切な、投資家のメンタリティについて聞く。

バフェットに学ぶ、倹約の精神と「お金の価値観」

10兆円もの資産を持つ世界最高の資産家ウォーレン・バフェットは、一方で倹約家であることでも知られています。彼がCEOを務める投資会社バークシャー・ハサウェイの本社は、ネブラスカ州のオマハという、お世辞にも発展しているとはいえない街にあります。

私は学生時代にたまたま、オマハ近郊の大学に留学していたので、あの地域がトウモロコシ畑と小麦畑と大豆畑しかない場所であることを嫌というほど知っています。倹約の精神を持つバフェットにとって、投資会社を運営するうえで本社がニューヨークにあることも、華美なオフィスを構えることも必要とは考えず、むしろ国の重要な穀倉地帯である生まれ故郷に多額の税金を納めることをよしとしたのかもしれません。

そして、彼自身もオマハの街で世界トップクラスの富裕層としてはかなり慎ましい邸宅に住み、普通の食生活を送り、一般人のように投資先でもあるコカ・コーラを飲んで生活しています。

今回は、そんなバフェットの、お金に対する価値観があらわれている格言を紹介します。

「巨大な市場が、金で人の価値を判断するような人々を惹きつけています。どれほど金を持っているか、去年どれほど稼いだかということを尺度にして人生を歩んでいくなら、遅かれ早かれ厄介な問題に巻き込まれるでしょう」<br />——ウォーレン・バフェット

株式投資で成功すれば、投資をせずサラリーマンとしての収入だけで生活をするより、ずっと豊かになるでしょう。そうなると、「自分はすごい!」という自意識が高まり、その根拠は「たくさん稼いだこと」にあるわけですから、稼いだ額で人間の価値を測るような勘違いを起こしてしまうことがあります。

付き合う相手に対しても資産や稼ぎで同じステータスを求め、相手を意識して自分のステータスを表現することにお金を費やしてしまいます。

バフェットのいう「厄介な問題」がなにを指すかはわかりませんが、そのひとつはこの「ステータス意識」ではないかと推測できます。自分の高い価値をあらゆるもので表現しようとするバイアスに囚われ、住居、車、服、食べ物といったものにお金をかけ過ぎてしまうのです。

これは、必ずしも大金持ちに限ったことではありません。それまで年収500万円だった人が2000万円の資産を得たら、生活レベルを上げたり、お金使いが荒くなったりすることは想像に難くないでしょう。多かれ少なかれ、自意識が高くなるほど、その自意識を維持するための出費がかさんでいきます。

そんな価値観では、将来的な支出も高まっていくので、「お金がなくなる不安」や「いまの暮らしが維持できない不安」が生じ、際限なく稼ごうとしてしまうのではないでしょうか。それでは、せっかく資産を築いても、いつまで経ってもクオリティ・オブ・ライブが高まらないように思えます。

資産形成の目的と指針を明確にする

お金に価値観を振り回されないためには、「なにを目的に」「いつまでに」「いくら稼ぐのか」の3つを明確にしておくことが大切だとされています。

例えば、あなたが定年まで安定して働くことが可能な状況で、かつ老後の公的年金の準備や退職金も期待できるものなら、「老後の安心」を目的とした資産形成は、定年までに2000万円もあれば十分かもしれません。

最近では、SNSなどで資産1億円に達した投資家を「億り人」と呼ぶツイートや、YouTubeでも「資産1億円を貯める方法」といったコンテンツを頻繁に目にします。それらを見ると、「資産形成や投資の成功って1億円なのかな」となんとなく感じてしまうかもしれませんが、私からすると「将来にわたって安心して暮らす」なら、1億円も必要ないと思います。

「仕事を一切せず、遊んで暮らしたい」「誰よりも贅沢な暮らしがしたい」のなら、1億円が必要かもしれませんが、それが目的でないのなら、適切な目標額があると思います。みなさんも、株式投資を通じた資産形成が「なにを目的とし」「いつまでに」「いくら貯めたいのか」を改めて試算してみることをおすすめします。

きちんと目的があれば、資産が大きくなっていく過程で、価値観がブレて金使いが荒くなるということはないでしょう。目的の達成には、稼ぐことも大切ですが、投資資金を捻出するために支出を抑えることも大事ですから、そのモチベーションと目的意識を維持できると思います。

「なんのためにお金を稼いでいるのか」——その目的は、人それぞれでしょう。私の場合、資産形成の目的のひとつは「人生の大切なモノ・コトに向き合う時間を得ること」です。

お金だけでは自分も家族も幸せにすることはできないので、その「お金では解決できないこと」にしっかりと向き合い、豊かで幸福な人生を送りたい。そのために、お金が必要です。

私はいま、4歳と6歳の子どもを育てています。私にとって「父親」は人生ではじめて経験する役割であり、正しい方法などわかりません。だから、子育ての本を読んだり、YouTuberの「てぃ先生」の動画を見たりして学びを深めています。

また、「子どもに包丁を持たせたら危ない」と頭ではわかっていても、実際に子どもたちと一緒に料理をして感じる「え、包丁をそんな使い方しちゃうの?」という危機感は別物。体感で得る情報量はまったく違うなと感じます。

こうした育児を学ぶ時間、子どもと一緒に体験する時間は、激務の会社で働いていたときには、なかなか得られませんでした。妻がワンオペ育児にならないよう、子育てに参加するのが精一杯だったのです。それが、株式投資によって資産形成ができ、昨年から独立したことで、ようやく子どもと十分に向き合える時間を確保できたので、あらためてお金の価値を感じています。

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