お金が増えても浪費したら意味がない。資産を手にすることで芽生える「ステータス意識」に注意

東京ウォーカー(全国版)

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自分にとっての幸福を軸に、支出を考える

「自分や家族の人生を豊かにしたい」と思って資産形成をしているのですから、支出についても「自分や家族にとって必要なこと」に使うようにしています。資産があるからといって、幸福に直結しない無駄なことには使いたくありません。つまり、私の場合はバフェットのような「倹約の精神」というより、「意味のあるお金の使い道をしたい」と考えています。

例えば、子どもたちにはたくさんの経験を与えたいと思い、今年はロサンゼルスに家族旅行に出かけました。ただし、飛行機はLCC(格安航空会社)の「ZIPエア」です。そのぶん、現地のディズニーランドは2日間のパスが高額で、飲食費なども含めて20万円近くかかってしまうのですが、あの素晴らしいパフォーマンスを体験してほしくて惜しみなく費用をかけました。

「なんのためにお金を稼ぐのか」と同じぐらい、「なんのためにお金を使うのか」を意識し続けることが大切だと思います。みなさんの資産がどれだけ増えようとも、自分の価値観や目的に沿って支払うべきところには支払い、必要のないところでは節制する意識を保つのです。そうすれば、先のようなステータス意識に囚われることなどはいはずです。

また逆に、「資産形成のためにお金を使わなすぎる」ことも考えもの。以前、とある20代の若い男性が「僕のポートフォリオ見てください!」といって私のもとに来てくれたのですが、なんと20代で2000万円も投資していました。

「こんなに、どうやって増やしたの?」と聞くと、生活費を極限まで抑え、住まいもボロボロのアパートにして給料をほとんど投資に充てているのだそうです。そのストイックさに感服すると同時に、「人生で、いましかできないことは楽しめているのだろうか」とちょっと心配にもなりました。

20代には、20代にしかできないことがたくさんあります。私のように40代にもなると、高級な和牛をオーダーしても脂にやられて食べきれず、すぐお腹を壊してしまいます。

海外旅行だって、若いから行ける場所、若いから交流できる人たち、体験できる時間があります。ビジネスクラスに乗れなくても、格安旅行券と鉄道を使えば、世界中のいろいろな場所に行くことができるのです。

「将来のための資産形成」を目的にして、いましかできないことを犠牲にするのは、人生の大きな損失になりかねません。20代に限らず、30代、40代、50代以上でも、それは同じでしょう。年を経るごとに、「できなくなること」は増えていきます。

みなさんの資産形成の目的がどんなものであれ、「いつまでに」「いくら貯めるか」という計画のなかに、「いまの人生も幸福」も勘定に入れて投資と支出のポリシーを設定することが必要なのだと思います。

この記事のひときわ #やくにたつ
・「なにを目的に」「いつまでに」「いくら稼ぐのか」の3つを明確にしておく<br />・「いまの人生も幸福」も勘定に入れて投資と支出のポリシーを設定する

構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、取材・文=吉田大悟

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