「カプリチョーザ」創業者の娘が守るのは、若くして亡くなった父の味。日本で“本格イタリアン”が成功した理由とは？

父の想いを胸に、さらなる未来に向かうカプリチョーザ

カプリチョーザの歴史をたっぷり聞いたところで、あらためて定番メニューを紹介しよう。野菜の上にどっさりと具材がのせられた「イカとツナのサラダ」は、さっぱりとした味わいのオリジナルドレッシングがかかっており、ボリューミーでもペロリと食べられるおいしさ。

ピザ「マルゲリータ」は、濃厚で酸味のある本場・イタリアのトマトソースを使用。同じくトマトソースとガーリック強めのスパゲッティ「トマトとニンニク」は、一度食べると止まらないやみつきメニューだと好評だ。

そして「シチリア風ライスコロッケ ミートソースがけ」は、米1合分を使っているという贅沢なひと品。このメニューには、征昭さんならではの秘密が隠されている。

「『シチリア風ライスコロッケ ミートソースがけ』は、父の拳のサイズで考案されたものです。他店にはないボリューム感だと思います！」

ここまで45周年を迎えたカプリチョーザの変遷に迫ったが、理奈さんは、これから先も征昭さんが創業当初に掲げていた「お客様の笑顔を大切にしたい」という想いを胸に、さらに邁進し続けるという。

「父が創業当初に考案したものはしっかり残しながら、それだけにこだわらず、時代のニーズに合わせて変化し続けていくべきだと考えています。これから先も、さらなる未来に向けてカプリチョーザの味と楽しさをつないでいきたいです」

取材・文＝松田義人(deco)