コーヒーで旅する日本/九州編|山口に8店舗を展開する「徳山コーヒーボーイ」。60余年の歴史を刻み、今あらためて考える豆屋としてできること

東京ウォーカー(全国版)

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全国的に盛り上がりを見せるコーヒーシーン。飲食店という枠を超え、さまざまなライフスタイルやカルチャーと溶け合っている。なかでも九州はトップクラスのロースターやバリスタが存在し、コーヒーカルチャーの進化が顕著だ。そんな九州で注目のショップを紹介する当連載。店主や店長たちが気になる店へと数珠つなぎで回を重ねていく。

ハンドドリップする際もコーヒー豆が持つ甘味を引き出すイメージで

九州編の第89回は山口発のロースタリー「徳山コーヒーボーイ」。カフェの1号店である周南市のPH通り店をはじめ、山口市の道場門前商店街にたたずむ山口店、光市のショッピングモールBe st内にある光店、旧家をリノベーションした萩店、山口市の商業施設・維新ナインテラス内のTo Go 吉敷店など、山口県内に全8店舗を展開する人気コーヒーショップだ。

現在代表を務める河内山嘉浩さんの両親が1961年(昭和36年)から焙煎を始めたのが「徳山コーヒーボーイ」の起源。それから60年以上の歴史を歩み、着実にファンを増やし続ける山口が誇るコーヒーの名店。店ごとに雰囲気が異なるのも同店の大きな特徴であり、今回は九州から最も近く、豆売り、カフェ利用と幅広いシーンで使い勝手が良いと評判の新下関店に足を運んだ。

「徳山コーヒーボーイ 新下関店」店長、大下剛さん

Profile|大下剛(おおした・つよし)さん
山口県下関市生まれ。徳山コーヒーボーイで勤め始めて約5年、2019年に店長として新下関店に赴任。ファッション、音楽に加え、バイクや車が好きなこともあり、コーヒーの抽出器具に対する造詣が深い。「徳山コーヒーボーイで働き始めて、ずっと不思議に感じているのが、東西に広い山口県で、西部は深煎り、東部は浅煎りが好まれていること。水質の違いもきっとあると思っています」と話す。

開業10年目を迎えた新下関店で

徳山コーヒーボーイ 新下関店。駐車場を22台完備し、車で来店しやすい

「徳山コーヒーボーイ 新下関店」があるのは中国自動車道下関ICを下りて、山陽新幹線の新下関駅方面につながる県道34号沿い。県道34号は下関市内で交通量が多い幹線道路で、一帯にはカーディーラーや自動車用品店をはじめ、ドライブスルー併設のチェーン店があったり、いわゆる郊外でよく見かける大型の店舗が軒を連ねている。そんな中で街の雰囲気とは一線を画す、白い外観のシンプルな建物。外壁には「COFFEEBOY」のサインを掲げているが、店の存在を知らなければ確実に見落としてしまうほど小さい。

「美しく、自然な方を選ぶ」という河内山さんの考えを大切にした洗練された店内

新下関店がオープンしたのは2014年(平成26年)とまもなく10年を迎える。ただ、店内に入ると店中央にレジや豆販売のカウンターを兼ねたアイランドキッチンを設け、内装デザインは温かみのある木材と無機質なメタル、コンクリートをバランスよく配すなど、10年前にオープンしたとは思えないほどおしゃれな空間。

ちょっとひと息、コーヒー片手に打ち合わせなど、さまざまなシーンで利用できそう

店長を務める大下剛さんは「店を開くにあたり代表の河内山らスタッフがオーストラリアに視察に行って、現地のカフェの雰囲気を参考にしたと聞いています」と教えてくれた。2016年、2017年ごろからこんな雰囲気のカフェが福岡市内などでも増えていたが、きっとコーヒーショップ開業を目指す多くの若者たちに多大な影響を与えたのではないかと推察されるデザイン性の高さだ。

【写真を見る】その日おすすめの本日のコーヒー(496円)、ブレンド(496円)、ストレート(518円)など豆が選べる。「アン・シャーリー」のケーキとのペアリングをぜひ

そんな「徳山コーヒーボーイ 新下関店」は山口県内に全8店ある中で唯一のパティスリー併設の店舗になっている。パティスリーは「アン・シャーリー」という別経営の店だが、「徳山コーヒーボーイ」でコーヒーを、「アン・シャーリー」でケーキを注文し、店内のカフェスペースで一緒に楽しむといった利用法もOK。店内にはソファ、テーブル、カウンターなどさまざまなシーンで利用できる全40席を用意し、こだわりのコーヒーとおいしいケーキのペアリングを目当てにカフェ利用するファンも多いそうだ。

焙煎を通してどれだけ豆の甘味を引き出せるか

ブレンド、ストレートに加え、プレミアム焙煎やプロフェッショナルセレクトといった特別なコーヒーも人気がある

60年以上前から焙煎を行っている「徳山コーヒーボーイ」は山口県内でも随一の老舗ロースタリー。その歴史の長さから、豆を買って自宅で淹れてコーヒーを飲むというライフスタイルを山口に根付かせてきたと言っても過言ではない。

現在、焙煎は下松市の本社併設の工場で行っており、使っているのはPROBAT UG-22という焙煎機。およそ50年前に製造された、いわゆるOLD PROBATの通称で呼ばれるマシンだ。PROBAT UG-22を長く使っている理由を代表の河内山さんに聞いてみた。

「一度に20キロまで焙煎が可能なので、効率がいいのはもちろんですが、窯が大きいと焙煎が安定するというメリットもあります。またUG-22は半熱風式の焙煎機で、輻射熱・伝導熱・対流熱のバランスに優れているのもポイント。そして、バランスに優れた熱伝導と高い蓄熱性、最大20キロという大量の豆をしっかりと時間をかけて焙煎することで引き出されるのが、コーヒーの甘味です。『徳山コーヒーボーイ』ではこのコーヒーの甘味にこだわって、焙煎、抽出を長年続けてきました。ぜひ最大限引き出した『豆の中の甘味』を感じていただけたら幸いです」

新下関店はパティスリー併設でカフェ利用も多い方だが、「徳山コーヒーボーイ」のアイデンティティはやはり豆売り


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