日本初のマヨネーズ製造・販売から99年!!整髪料に間違えられたことも!?キユーピーの歴史とマヨネーズ100周年への意気込みを聞いてみた!

東京ウォーカー(全国版)

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どの家庭でも当たり前にあるマヨネーズ。“マヨラー”と呼ばれる熱烈なマヨネーズ好きもいるほどなじみのある調味料を、日本で初めて製造・販売したのはキユーピー株式会社だ。1925年の発売当時は知られていなかったマヨネーズを、日本の食文化に根付かせるまでにどんな企業努力があったのか。そして、2025年の100周年を控えるなかで、どんな取り組みがあるのか。マヨネーズの開発に従事するキユーピー株式会社 家庭用本部 開発企画部 調味料チーム マヨネーズ担当の中村友美さんに話を聞いた。

キユーピー株式会社 家庭用本部 開発企画部 調味料チーム マヨネーズ担当の中村友美さん。ベビーフードやパスタソースの研究・開発を経て、マヨネーズ担当に。おいしさに加えて、料理を作る楽しさ、食べる楽しさも届けたいと話す【画像提供=キユーピー株式会社】


整髪料に間違えられた!?日本の食文化にマヨネーズがなじむまで

1919年に食品工業株式会社の名前で誕生したキユーピー株式会社。ソースや缶詰の製造を事業としていた。創始者の中島董一郎(なかしまとういちろう)氏は会社設立前の1912年に、農商務省の海外実業実習生に選ばれ、アメリカとイギリスに派遣され、缶詰の勉強をしていたという。

「中島董一郎がマヨネーズに出合ったのはアメリカでのこと。ポテトサラダのおいしさに感動したそうです。そして、アメリカの人たちの体格がいいのはマヨネーズのような栄養価の高いソースを使った料理を食べているからだと考え、いつか日本でもマヨネーズを販売したいという思いを持って帰国しました。ただ、当時の日本では全くマヨネーズは知られていなかったので、いきなり売り出すのは難しいだろうと機会をうかがっていました。転機となったのは1923年の関東大震災。震災後、女学生たちが和装から洋装に変わるなど西洋文化の波が押し寄せたのをみて、マヨネーズの製造販売を決心。1925年3月に発売が開始されました。これを記念して、3月1日は“マヨネーズの日”になっています」

【写真】1925年発売当初のキユーピー マヨネーズ。100グラムの小さな瓶で、高級食材だった【画像提供=キユーピー株式会社】

名称とパッケージには現在にも続く「キユーピー」を採用。キューピーは1909年にアメリカのイラストレーター、ローズ・オニールが生み出したキャラクターで、当時の日本でも非常に人気があった。キューピーのように愛される存在になることを願ってマヨネーズの名称に採用されたのだそう。しかし、満を持して発売したマヨネーズだったが、すぐにポピュラーになったわけではないようだ。

発売当時の広告用ポスター。マヨネーズを取り入れた食卓を提案している【画像提供=キユーピー株式会社】

「発売当時のマヨネーズは瓶入りで、100グラムと小さなものでした。整髪料(ポマード)に間違えられたというエピソードもあります。それだけなじみのないものだったんですね。そこで、マヨネーズを知ってもらうために創始者の中島は、広告・宣伝に力を入れました。売り上げのほぼすべてを広告・宣伝費に使っていたそうです。有名な画家にマヨネーズを囲む食卓の絵を描いてもらったり、試食販売をしたり。当時は生野菜を食べる文化もなかったので、肉や魚に付けるソースとして提案していました」

そうした活動が徐々に実を結び、1941年には出荷量は約500トンに。第二次世界大戦で一時製造がストップしたが、1948年には製造を再開。そして、1958年に赤いキャップのポリボトル容器入り「キユーピー マヨネーズ」が販売された。

「実は日本で初めてのドレッシングを発売した年でもあります。というのも、このころから日本で生野菜を食べる食文化が広がり、マヨネーズを使ってもらう量も格段に増えました。より多くのお客様が使いやすいようにと片手で使える容器としてポリボトルが開発されました。ただ、瓶入りの販売は継続していて、今でも根強いファンがいますね」

瓶入りマヨネーズが支持される理由はどこにあるのだろうか?

瓶詰めのマヨネーズも複数販売。写真はこだわりの卵「エグロワイヤル」を使用した「卵を味わうマヨネーズ」【画像提供=キユーピー株式会社】

「少し前までは瓶のほうが圧倒的に保存性に優れているということがありました。マヨネーズは酢と塩が入っていることで、防腐剤や保存料が入ってなくても腐らないという特性があるのですが、酸素には非常に弱いんですね。空気に触れることで油が酸化していって、風味が落ちてしまいます。瓶は酸素を通さないので、長くおいしい状態を保てるという特徴がありました。あとはデザインを気に入ってくださっていることも多いですね。キャラクターデザインのものや、年末年始には干支をモチーフにした瓶を販売していて、コレクションしている方もいるようです」

とはいえ、ポリボトルは瓶よりも保存性に劣っていたというのは過去のこと。さまざまな技術を駆使することで、瓶と遜色のないところまできているという。

「現在のポリボトルは1枚のシートがボトル状になっているように見えますが、実は多層になっているんです。これによって酸素の透過を防げるようになりました。ほかにもボトルの口部に残る空気を窒素に置き換えたり、アルミシールを貼って酸素を遮断したり、植物油にわずかに残る酸素も取り除く製法を開発することで、瓶入りもポリボトル入りも未開封状態ならば賞味期限は1年に設定しています」

ちなみに開封後は、瓶入りもポリボトル入りもどちらも酸素に触れるため、冷蔵庫に入れて1カ月程度を目安に食べ切ってほしいそうだ。

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