念願の作家デビュー！日本人K-POPアイドル・高田健太が語る生い立ち、苦悩、SNSとの向き合い方。「暴露本にはしたくなかったんです」

しんどい執筆作業の先に見えたのは、自分自身を誇らしいと思う気持ち

――本を作る過程は自分の半生を振り返る作業でもあったはずです。振り返ってみてどんなことを感じましたか？

正直、精神的に辛かったです。タイムスリップしたかのように１つ１つ鮮明に思い出して紙に書き出して、それをパソコンで打ち込む作業をしてたんですけど、チャプター３くらいから重い内容しかなくなってきて、ズーンと沈んでしまう。それをそのまま書くと読み手にとってプラスにならない内容になるので、バランスを考えながら書く作業に苦労しました。ただ、書きながらすごく自分が誇らしく思えたんですよ。これまでの人生をこうして本に書けて、今笑って過ごせて、これがたくさんの方に読んでいただけるというのを考えたらすごく誇らしくなって。自分自身を誇らしく思えるなんて簡単なことじゃないじゃないですか。でも、それを心から思えてる自分がいたんです。その自分を発見したときに、なんか規模感デカいんですけど、生きててよかったって思いました。「生きる」（P.140）ってエピソードにもあるように、母の死、突然死、いつ人が亡くなるかわからないという経験もして、人生を生きる意味みたいなものをここ数年すごく考える機会が多くて。それは“僕だからできること”をするのに意味があって、それを伝えていく、表現していくことが僕の人生だと思っているので、そういうことを発見できた執筆作業だったかなと思います。

――古家正亨さんやONFのUさんとの対談はいかがでしたか？

イベントなどでもたくさんお世話になっている古家さんと改めてオフィシャルで話したら、どんな話ができるんだろう？と気になっていたので、実現できて嬉しかったです。K-POPアイドルの形やリテラシーの話など、めちゃくちゃ深く話したので、本に載せきれなかった部分もあるんです。ゆーちゃん（Uさんの愛称）とはやっと一緒にお仕事できました！とっても楽しかったです。また何年後かに対談して、お互いの近況報告とか、もっとディープな話もしてみたい。お二方ともそうなんですが、話し足りなかったので、気楽に飲みながらでも深いお話しませんか？僕からのお誘いです（笑）。

「光を照らしていく」30代を目指して、ラストイヤーを走りきりたい

――SNSとの向き合い方はどうですか？本の中でも触れていましたし、昨今話題になることが多いです。

僕、言いたいことがいっぱいあるんですけど、SNSとの向き合い方はまず、「自分の人生生きろよ」って思うんです。芸能人がどうであるとか、あなたの人生においてそんなことどうでもいいんです。関係ないの。他にやることないの？って思っちゃうんですね。僕のファンにもよく言うんですけど、「皆さんの人生、今を生きてくださいね」って。本にも書いてますけど、今を生きてたらこうはならないはずなんです。叩くだの炎上するだの。今を生きられてない人がそうなるから、やっぱりSNSとの向き合い方＝今のリアルを生きることだと僕は思っています。対面で会話や仕事ができなくなっている若い方が多いらしくて、「SNSが全てではない」「今を生きていくことを大切にしてほしい」って伝えたいです。そうしたら多分変わっていくんじゃないかなって。本当の意味で自分に向き合う生き方ができれば、そうはならない。僕はそう思います。

――講演や個展開催など、様々な活動をされていますが、これからやってみたいことはありますか？

今回出版の機会をいただいて、文章を書くのがすごく楽しいと思ったんです。だからまた何かを書いてみたいです。次はフィクションに挑戦したいかな。あと教育というか、若い方に向けた活動をしていきたいです。最近もやっているのですが、K-POP界を目指す方たちや、夢を持っている若者に向けた、僕の経験から伝えられること、お手伝いみたいなものをいっぱいしていきたいなと思っています。

――最後に、20代ラストイヤーということで、どんな１年にしたいですか？

20歳の目標が「輝く20代」だったんです。結果的に輝けたと思うんです。じゃあ、30代の目標はどうしよう？って最近考えていて。まだ完璧に決まってはいないんですけど、僕の中での30代は「光を照らしていく」。もう一段上のステージに上がれるようになりたいです。その30代に向けたラストの準備期間だと思っているので、今まで活動してきたいろんなことを1年にギュッと詰めたいなと思っています。楽しみにしていてください！

※高田健太の「高」は「はしごだか」が正式表記

取材・文＝鈴木惠