“キラキラ”よりも“ワクワク”を。テレ東からベンチャー企業への転職、福田典子アナに聞く「新しい時代の新しいシゴト観」
東京ウォーカー
異業種へのキャリアチェンジを決意した理由
ーー局アナという仕事を辞める決断をされた背景には、どのような考えがありましたか?
【福田典子】テレビ東京には本当に感謝しています。でも、出産と育児を経験してみて、やはり自分の時間が制限されると感じるようになりました。それに伴い、私の優先順位も変わってきたんです。自分の時間をどう使い、どう働いていけば、自分が実現したい人生に近づけるかを深く考えた結果、健康とスポーツが自分のなかでやはり大きな存在だということに気がつきました。
【福田典子】それで、じゃあどうしたらいいかと考えているタイミングでSCOからのオファーを受けたんです。何か変わりたい、現状にどこか満足していない気持ちを持っていたからこそ、その縁に引き寄せられたのかもしれません。
ーー縁とタイミングが大きいわけですね。
【福田典子】本当にそう思います。引き寄せみたいなものがあるのかもしれませんね。私が何かを変えたいと思っていたのは明確でしたし、周りの人たちもそれを感じ取ってくれていたのだと思います。そして、提案された条件も非常に良くて、これだけのタイミングと条件がそろったのなら飛び込まない手はないと思い決断しました。
ーー歯科業界への転職、どういった想いで新たなステップを踏み出されたのですか?もともと健康への関心が?
【福田典子】はい、アスリートを取材する機会が多かったので、スポーツに真剣に向き合う選手たちから、自分の体とどう向き合うかということの重要性を学びました。選手は自分の体を理解しているからこそ、けがを防ぎ、キャリアを長く維持できるんです。一方、私はといえば、アナウンサーとして発声には注意を払っていましたが、具体的な体の使い方については深く知らなかったんです。さらに、子どもが生まれたことや、親や友だちとの間で健康についての会話が増えたことで、健康との向き合い方、その具体的な方法について、あまり考えていないことに気づかされたんです。そんなこともあって、「健康に関することをいつか仕事として伝えられたら、すごくやりたいことに近いし、楽しいだろうな」とぼんやり思っていました。その時点で何か新しいことを始めたいと考えていたんです。
ーー歯科業界への興味は具体的にはどうして生まれたのですか?
【福田典子】実は、私自身が体験したある出来事がきっかけでした。以前、ゴルフ中継の帰りに雨の中を走っていて転んでしまい、顎と歯に大きなダメージを受けました。そのとき歯が5本割れてしまい、顎にもひびが入りました。その3日後に「モヤさま」のロケがあり、さらに海外ロケも控えていたので、痛みを避けるために神経を抜くことにしました。歯医者さんは「抜いたら歯がもろくなるから」と教えてくれていましたが、私は簡単に「痛まないように神経を抜いちゃってください」と言ってしまいました。でも、歯について知識がもっとあれば違う選択肢があったかもしれないと、今になって思うんです。
ーー新たにベンチャー企業に入社された理由は?また、福田さんが思う、ベンチャー企業の魅力についても教えてください。
【福田典子】入社してまだ少しですが、既に会社の風通しの良さや、チームとして一丸となって働く雰囲気を強く感じています。特に、毎朝行われる朝会が印象的で、リモートを含めて全員が参加します。そこでは日々の方針や会社の業務に関する発表があり、とても活気があるんです。みんなが明るくて元気で、とてもポジティブな空気感のなかで仕事が進んでいることを実感しています。
ーーそういった環境が福田さんを引きつけたのでしょうか?
【福田典子】はい、ベンチャー企業らしい勢いや若々しさ、エネルギーに魅力を感じました。また、社長との距離が非常に近いことも大きな魅力のひとつです。珍しいことに、オフィスの真ん中に社長席があるので、朝イチで「おはようございます」と声をかけることから始まり、自然と社長とスタッフとの会話が生まれやすい環境が作られています。(社長の)玉井(雄介)さんの理念が会社全体に理解されていて、社長自らが積極的にコミュニケーションを取ることで、オープンな雰囲気が保たれています。もちろん大企業の良さは大企業の良さであるんですが、玉井さんが目指す空気感をみんなもわかっていて、「これってすごく素敵なことだな」と感じています。
フリーアナウンサーと企業広報のダブルワークで、新しい働き方に挑戦
ーー正社員としての仕事と、フリーアナウンサーとしての仕事を両立していますね。
【福田典子】SCOグループでは、フリーアナウンサーとしての活動も柔軟に続けることができています。たとえば、フリーアナウンサーとして、SCOの名前を使ってのヘルスケア分野での仕事は業務時間カウントでOKとされていますし、SCOの名前を使わずに私個人として活動する場合はお休みを取って参加できます。すでに受けている仕事はすべて許可されていますし、とても寛容な環境で働かせてもらっているんです。
ーー寛容な働き方を受け入れてくれる会社ですね。
【福田典子】はい、本当にありがたく感じています。玉井さんは「みんなそれぞれちゃんとやりたいことをやる。人生を豊かにすることで、仕事もより豊かになっていく。仕事も遊びも全力で」という考えを持っています。私もその柔軟さに大変感謝していますし、こういった働き方を許容してくれる企業はなかなかないと思いますよ。
ーー新しい働き方ににはすぐ対応できましたか?
【福田典子】切り替え自体は非常にスムーズでした。テレビ東京側での最後の仕事を終えたあと、普通に週末を休んで、すぐにSCOグループでの勤務が始まりました。まとまった休みを欲しかったわけではなかったので、テレビ東京では有給を消化しながら移行して、長期の休みを取ることなくSCOでスタートできたんです。切り替えといえば、出社時の気持ちの切り替えくらいで、静かなエレベーターや、まったく違う環境にワクワクしています。テレビ東京時代はスニーカーを履いてすっぴんで出社していましたが、丸の内OLになったので、パンプスを履いて、ヘア&メイクをして出勤しています。でも、いつスニーカーに戻そうかなとも考えています(笑)。
ーー広報ブランディングの具体的な仕事内容について教えてください。
【福田典子】広報ブランディングのお仕事については、まず普通の広報業務から始まります。具体的には、プレスリリースの準備やイベントの広報窓口としての役割を担っています。日程調整から始まり、イベントの企画や情報共有の段階にも深く関わっています。たとえば、(2024年)5月12日(日)にはモンテディオ山形の冠試合があり、それに向けたプロモーション活動も手掛けています。
【福田典子】広報としての業務は、私が以前からアナウンサーとして持っていた情報発信のスキルを活かすことができるので、新しいことを学びながらも、すでに得意としていた分野を活かせるのが魅力的です。私たちのチームは専任で2人と小規模ですが、サッカーのスポンサーシップや天皇杯の特別協賛など、大きなプロジェクトも手掛けています。多忙ですが、忙しさを楽しんでいます。
【福田典子】企業としては、従来のBtoBではなく、消費者向けのBtoCへのアプローチが必要とされています。特に私たちが扱うヘルスケア分野では、一般の人々への認知や関心を高めるための戦略が求められているんです。これは新たなチャレンジであり、私にとっても新しい学びの場となっています。広報として、自分がどのように会社に貢献できるかを考えること、自己分析を深めることが今後の課題です。アナウンサーとしての経験を活かしつつ、新しい環境でどのように成長できるかを模索している段階なんです。
ーー広報としての新しい役割では、アナウンサーとしてのスキルをどのように応用していますか?
【福田典子】アナウンサーとして培ったスキルは、情報を伝える点で非常に役立っています。広報は情報を正確に精査し、内容を効果的に伝える役割が求められます。テレビで視聴者の方に情報を提供する際、どのように伝えれば理解しやすく、興味を持ってもらえるかを追求してきました。この経験が、情報をちゃんと精査し、自分が学んでそれをみなさんに伝える広報活動に活きると感じています。ただ、広報は用意されたものを読み上げるだけでなく、その情報がどのように受け取られるか、どのように伝えるべきかを深く考え、より計画的に実行する必要があるんです。
【福田典子】新しいアイデアをゼロベースで考える機会も多いのですが、広報としての経験がないからこそ、新鮮な視点で提案できると感じています。テレビ東京でアナウンス部のSNSを運営した経験も活かし、SNSを通じて情報をどのように広めるか、その戦略を考えることも私の役割です。ここでは単にフォロワーの多さを利用するのではなく、どうやって質の高い内容を自ら発信していくかが課題です。
ーー歯科業界で福田さんが成し遂げたいことは?
【福田典子】歯科医療の重要性をわかりやすく広く伝えることですね。アナウンサーとしての経験を活かし、歯科医や患者さんだけでなく、一般の人々にも歯科医療の情報をわかりやすく、興味深いものとして提供することが目標です。それを実現するためには、予防医療や最新の歯科治療に関する知識をしっかりと身につける必要があると考えています。私が特に重視しているのは、健康ヘルスケア分野での情報提供者としての役割を強化し、最終的には「福田典子=健康・ヘルスケア・歯のことを語る人」というイメージを持ってもらえるようにすることです。そして、予防医療やオンラインカルテにも興味を持ってもらえるよう、その一端を担えれば本望ですね。
ーー予防医療って、実は大切なんですよね。
【福田典子】そうなんですよ。歯(永久歯)は一度失うと生え変わらないのに、その重要性がどうしても忘れられがちだと思うんです。現在、日本では歯科医院の数が非常に多く、実はコンビニよりも多いのですが、多くの人が歯科医院へ行くことに抵抗を感じています。その理由のひとつとして、古いイメージ、つまり「痛い」「怖い」といったイメージがあるようです。
【福田典子】これを変えていくためには、歯科医療の現状についての正しい情報を広め、人々の意識を変えることが必要です。歯科診療がもっと気軽に、美容院に行くような感覚で利用するようになればいいなと思うのですが、そのためには大きなムーブメントやブームが必要です。私たちにはそれを起こせる力があると信じています。また、メンテナンスの習慣があまりなく、痛くなったら歯科医院に行く方が多いですよね。その場合、すでに虫歯がひどくなっていることが多いですから、そういった点も改善していきたいですね。
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