「稼ぐ」より「節約」をまず選ぶ。人生における選択がお金に与える影響
東京ウォーカー(全国版)
チャンネル登録者数55万人超えのYouTubeも副業からスタート

【澤円】いわゆるサラリーマンの場合、会社の業績がよくてボーナスがポンと上がることはあっても、給料自体が大きく上がることは滅多にありません。そう考えると、転職の他に「副業」も収入アップのための有効な手段のひとつだと思います。

【節約オタクふゆこ】実は、今の私のメインの活動であるYouTubeは、もともとは副業だったんです。
【澤円】そうだったんですか!どういった経緯で始められたのですか?
【節約オタクふゆこ】給料がなかなか上がらなかった会社員時代に、なんとなくインターネットで「ライフプランシミュレーション」をやってみた結果、「このままだとあなたは〇年後に破綻します」みたいな結果が出たのがきっかけです(苦笑)。それまでは浪費家だったのですが、急に意識が変わり節約をやってみたのです。すると、試行錯誤を繰り返すうちに節約がうまくいきはじめて、「この経験はコンテンツになるのでは?」と考えました。最初はブログで情報発信をしていましたが、途中でYouTubeに挑戦したら結果がついてきたという流れです。
【澤円】それが今では、チャンネル登録者数が50万人を超えるとは、なにがうまくいくか本当にわからないものですね。副業を始めるときに、あえて時給制の仕事は選ばなかったわけですね?
【節約オタクふゆこ】そういう仕事はまったく頭にありませんでした。というよりも、そういった仕事が嫌だったのです。会社員時代に、上司のいうことを聞いて与えられた仕事をするということ自体が、自分には向いていないんじゃないかと思っていたこともあり、自分ですべて自由にできるブログやYouTubeを選択しました。
【澤円】「自由にできる手段」としての、ブログやYouTubeという発想だったのですね。そのチャレンジの結果、なにか得られた気づきはありますか?
【節約オタクふゆこ】「私は文章を書くのが苦手」という反面、「動画で話すのは得意だ」ということがわかりました。自分でいうのも恐縮ですが、YouTubeではかなり高い評価をしていただいているので、情報を整理して話すということに適性があったのかなと見ています。
節約も副業も、「続ける」ことが最重要

【澤円】ちなみに、YouTubeはどれくらい続けているのですか?

【節約オタクふゆこ】2021年2月からなので、3年以上が経ちました。
【澤円】節約にしろ副業にしろ、やはり「続ける」ことに大きな重要性があるとご著書でも説かれていますよね。でも、続けることはそう簡単ではないと考える人も多いものです。「ふゆこさんだからできるんでしょ?」と考えるような、迷える人たちに向けて贈る言葉はありますか?
【節約オタクふゆこ】私の言葉ではありませんが、『限りある時間の使い方』(オリバー・バークマン著/かんき出版)という本のなかの、「この欠点だらけで、傷つきやすくて、ものすごく短くて、思い通りにならない人生が、ただ一度きりのチャンスだということ──、その事実を、僕たちは認めたくないのだ」という言葉ですね。
【節約オタクふゆこ】私には完璧主義の傾向があって、やろうと思ったことを続けられないことも多く、「100点を取れなかったな」と自分で思うと、以前ならすぐに投げ出したくなっていました。でも、この言葉が心に響いて、「失敗だらけの自分も自分だ」「完璧じゃなくていいんだ」と思えるようになったのです。
【節約オタクふゆこ】かつては、YouTubeも1カ月更新しなかったこともあったのですが、ブランクを空けながらも続けてこられたのは、この言葉に出会って考え方が変わったからです。
【澤円】実は私も、ふゆこさんと同じような考え方を持っています。続けることについて「頻度を変えることで少し休むこともできる」という考え方です。なにかを続けるというと、それこそ「毎日続けなければ負けだ」といったマインドを持つ人もいますが、しばらくのあいだ週1回に変えてもいいじゃないですか。いくら休んだとしても、最終的に再開すればやめたことにはなりませんからね。とらえ方次第で、ずっと気楽に続けられるのだと思います。
習慣化は、「続けよう」ではなく「やめられない」を目指す

【節約オタクふゆこ】「続ける」という意味ですと、澤さんが数年にわたって「Voicy」を毎日公開していると知ってとても驚きました。澤さんの続けるコツは、どのようなところにあるのでしょう?

【澤円】もう6年以上も毎日続けていますから、驚かれる人がいるのもわかります。でも、僕としては、「続けている」というよりは、ただ「やめられない」だけ。なにかをはじめて1回軌道に乗ると、「やめ方がわからない」という感覚になるのです。続けているという心理はなく自然にやっているだけですから、コツらしいコツをお伝えするのは残念ながら難しいかもしれません。
【節約オタクふゆこ】それは完全に習慣化できているということですよね?以前に読んだ習慣化についての本には、習慣化したいことを「3カ月以上にわたって1週間に2回以上継続する」と、習慣として定着して逆にやめるのが難しくなると書かれていました。
【澤円】そういったテクニカルな部分に加えて、僕からアドバイスできることがあるとしたら、なるべく「我慢の割合」を減らすことになるでしょうか。いくら続けたいことであっても、我慢の割合が大きくなれば途中で心が折れてしまう可能性が高まりますからね。ですから、「めちゃくちゃ楽しい!」とまでいかなくとも、苦もなくできて、なおかつ自分にとってプラスに働くことがわかっていることが重要ではないでしょうか。
【節約オタクふゆこ】ちなみに、Voicyを収録する時間などは決めているのですか?
【澤円】「毎日やる」ということを決めているだけで、そこは緩いのです。その緩さも、気負わず続けられるコツのひとつなのかもしれません。
経済的自立あってこその「FIRE」

【澤円】「やめる」ということに関連してお聞きしたいのですが、経済的自立と早期リタイアを合わせた概念である、いわゆる「FIRE」についてはどのようなお考えを持っていますか?

【節約オタクふゆこ】お金についてきちんと考えたときから、実はFIREを目標にしてきました。先ほども少しお話しましたが、会社員時代にライフプランシミュレーションをしてみたのです。そのなかでFIREというものを知り、「会社を辞められるかも」と考え、節約や投資をはじめたわけです。
【澤円】端的にいうと、本当に会社が嫌だったというところからスタートしたということですか?
【節約オタクふゆこ】そうですね。当時は短絡的に、「これって、ワンチャン、会社を辞められるかもしれない」という感じですよ(笑)。それが原動力となって「節約を頑張るぞ!」「投資も副業もやってみよう!」という発想に至りました。
【澤円】ただ、FIREに関しては、早期リタイアだけを目的にしてしまうと、「経済的自立はどうするの?」という懸念もあります。僕としては、そこには注意が必要かなという気もしています。
【節約オタクふゆこ】私の場合、当初は確かに早期リタイアにばかり目が向かっていましたが、副業でYouTubeをはじめて今の立場になってからは、結局「仕事って楽しい」と思えるようになりました。ですから今は、「仕事を辞めたい」という気持ちは持っていませんね。
【澤円】会社を辞めて自由に働くのは楽しいし、節約や投資でお金も貯められるようになったし、今のふゆこさんにはもはや死角なしですね。
構成=岩川悟(合同会社スリップストリーム)、文=清家茂樹、撮影=石塚雅人
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