数百回以上のテストを経て商品化、立てたまま持ち歩ける「TATEBEN(タテベン)(R)」への高級弁当店「神田明神下みやび」の想い

東京ウォーカー(全国版)

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「神田明神下みやび」の屋号でお馴染みの、株式会社 雅は、江戸総鎮守 神田明神の男坂下で創業した「江戸の味、粋なお弁当」として親しまれる高級弁当の老舗。2024年9月1日より、史上初の立てたまま運べてカバンにも入れられる画期的なお弁当「TATEBEN(タテベン)(R)」を販売している。どんな商品なのか担当者に聞いてみた。

お弁当本体が自立可能な「TATEBEN(R)」

ーー「TATEBEN」に関して、意図や狙い、ターゲットについて教えてください。
 
お弁当を持ち運ぶ際、特にレジ袋などに入れると、平行に保てず斜めになってしまうことがあり、蓋を開けたら中身が片寄っていたり、汁が漏れていたり…。とはいえ、お弁当の幅にピッタリな広いマチの袋を持つと、荷物がかさばって邪魔になってしまう…。「TATEBEN」は、そうしたイライラ感から解放され、気にせずお弁当を持ち歩いていただきたいという意図から生まれました。ならば、最初から立ててしまえば?と考案したものです。いまや、歩いて数分のコンビニで、おにぎりやサンドイッチ、お弁当だけでなく、パスタやラーメンなど、さまざまな「食事」が買える時代。そんななか、デパ地下で販売されている和食のお弁当に、若者が興味を示さなくなっているように感じております。縦にカバンやリュックに入れられるという、業界初の画期的なスタイルや、持ち手がついていて、そのまま手に提げて持ち歩ける気軽さから、若い世代の女性のお客様、あるいはご出張の多いサラリーマンの皆様など、さまざまな方々にご関心を持っていただければと考えております。最終的に、皆様の移動時間が少しでもハッピーなものになればと願っております。
 
ーー「TATEBEN」に関して、アイデアはどのように生まれましたか?

【写真】通常サイズのお弁当を平らに持つには、こんなに幅が必要

まずは、コロナ禍の折、会議・会合などお集まりの機会がなくなったことにより、お弁当の売り上げが激減、百貨店も休業になるなど、言ってみれば開店休業の状態が続いておりました。先のことを考える時間の余裕があったため、今後お弁当の売り上げをV字回復させるにはどうしたら良いか?社内で随分話し合いました。そこで話題に上ったのが、お弁当の弱点の数々です。その改善がV字回復につながるだろうと考えました。なかでも最も多かった意見が、上述の通り「持ち歩く際邪魔になる」という問題でした。総料理長が、「最初から立ててしまえば?」と言い出したのですが、当初はみんな、できるワケがないと思っておりました。ですが、やってみなければわかりません。取り組まずに最初からあきらめるよりも、まずはやってみようという社風もあり、立てたまま持ち歩けるお弁当の開発に取り組むこととなった次第です。

ーー構想から2年で販売にいたったとのことですが、苦労した点があれば、それをどのようにクリアしたかも合わせて教えてください。

立てたままでOKなので、カバンやリュックにIN

正確に申しますと、最初に着想を得たのが2020年頃、2021年より本格的に開発に着手し、2023年に完成しました。その後、外装に使用するパッケージを発注、納品されたのは今年2024年に入ってからです。苦労した点は、一番は立てても中身がずれたり、汁漏れしたりしないようにすること。食材の吟味、調理法や盛付、パッケージの工夫と、特許申請中の秘策と併せ、立てても片寄らないように研究を重ねました。当然、おいしくなくてはいけません。立てても崩れたり汁漏れしないことから、「何かそのために薬品のような物が入っているのですか?」というお問い合わせもございましたが、一切使用しておりません。そのため、何度もテストを繰り返しました。実際行ったテスト内容は、以下の通りです。

1. 冷蔵庫の中で3日間立てた状態をキープし、中身がずれたり動いたりしないかを確認する。
2. 少しでもずれたり、汁が漏れたりしていれば、その箇所を改善し、また3日間立てておくという実験を、数百回繰り返す。
3. テストをクリアした段階で、電車通勤のスタッフに、立てたままカバンに入れて持ち帰ってもらい、検証を繰り返した。
4. 外装パッケージサンプルが出来上がってから、改めて、外装の取っ手を持ったまま帰ってもらい、最終チェックをした。
5. 上記4の際、パッケージデザイナー(社外)のご自宅(葉山)まで持ち帰っていただいたところ、残念ながら僅かではあるが汁漏れが認められたため、改めて内容と盛り付けを精査し、再び最終確認を経て、商品化が決定した。

ーー9月1日から百貨店で先行販売しているとのことですが、今後はどのような場所で販売する予定ですか?

9月1日からは、三越銀座店様にて、百貨店先行販売を開始させていただきました。今後は弊社各百貨店店舗にて発売予定です。百貨店店舗は、下記の通りです。

日本橋三越本店/三越銀座店/大丸東京店/京王百貨店新宿店/東武百貨店池袋店
東武百貨店船橋店/小田急百貨店町田店

また、弊社サイトからもご注文が可能です。トップページを下のほうにスクロールしていただき、同商品をご覧いただくか、「お弁当のご注文」のページに進んでいただき、左側のカテゴリーで「TATEBEN」をご選択いただければ、該当ページに進めます。


ーー現在は和風弁当と洋風弁当の2種類展開ですが、今後の展開への展望があれば教えてください。

現在の「TATEBEN」は、大きさの選択肢がひとつしかございませんが、今後は弊社の手のひらサイズのお弁当「ちび弁(R)」がご好評いただいていることを受け、現状のサイズより少し小さめの、気軽に召し上がりやすい量の「TATEBEN」を展開予定です。
※「TATEBEN」「ちび弁」ともに、同社の登録商標。

和風弁当「TATEBENいろは」
【献立】
合鴨ロース・鶏つくね・鮭黄身焼き・はじかみ・金平ごぼう・煮物(六角里芋/花人参/かぼちゃ/こんにゃく)・笹一葉 高菜(笹一枚で包んだひと口サイズのお寿司)・蓮根金平・海老の五色あられ揚げ・あおさ真薯・卯の花・玉子焼き・花麩・花型赤飯(栗/黒胡麻のせ)・鶏めし(鶏そぼろのせ)・花型白飯(梅干し/五色胡麻のせ)

和風弁当「TATEBENいろは」1620円(税込)

バラエティ豊かな料理を彩り良く盛り込み、ちょっぴり贅沢な仕上がりとなっている。

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