【毒のこども】育児放棄された弟と姉が再会!「いい話」「泣ける」、ラストシーンには「4つか、そっか」の声【作者に聞く】
東京ウォーカー(全国版)
「私に弟がいた!!」主人公の恵(めぐむ)は家の押し入れで1枚の写真を見つける。その古びた写真には離婚した父と母、そして小さな自分と弟が写っていた。弟がいることに大喜びした恵は、写真の裏に記された住所を元に、弟に会いに行く。しかし、そこには悲惨な現実が待っていた…!!

学校帰りに友達に付き添ってもらって訪ねたアパートの1室は、まるでごみ屋敷だった。育児放棄されて学校にも通っていないであろう弟がやせ細った姿でドアを開け、奥にはだるそうに寝そべってっている女の人の姿が…。恵は言葉が出なかった。友達が「やばいって、ちょっと…帰ろう。これは無理」と促す。ドアを閉められたあとも恵は「弟…かわいかった」と大粒の涙を流しながら絞り出すように言うのだった。恵はそのまま帰ることができなかった。今帰ってしまえば、もう二度と“お姉ちゃん”だと名乗れない気がしたから…。

本作のタイトルは「毒のこども」。作者は、2017年冬期のゲッサン新人賞(小学館)や、2021年5月期の新世代サンデー賞(小学館)で佳作受賞の経歴を持ち、2024年12月まで「DLsite comipo」(viviON)にて「強がりユキヒト君はデレたくないのに」を連載していた漫画家・墨染清(@sumizomesei)さんである。墨染さんに本作について話を聞いてみた。

――恵は弟の存在について友達に「さっぱり覚えてない」と笑っていましたが、本当は覚えていたのでしょうか?それとも、つらい記憶を自分で意識せずに封印していたのでしょうか?
恵は弟のことを忘れていたわけではなく、考えないようにしていただけです。"弟の記憶=自分の負の歴史の象徴"だったため、普段明るくふるまっている彼女は、その話題に触れようとしませんでした。誰かに話すことも、自分で思い出すことも避けていたのです。
――本作も含めて墨染清さんの作品の9割は、埼玉県が舞台になっていると聞きました。埼玉を舞台にされる理由はありますか?

埼玉県が好きだからです。一度も訪れたことがないのに、なぜか惹かれるものがあります。東京ほど人が多すぎず、かといって田舎でもなく、適度ににぎわいがありながらも穏やかな空気が流れていそう…。そんなイメージが私の中で定着しており、それが私の描きたい世界観とぴったり合うため、自然と埼玉を舞台にすることが多くなりました。いつか必ず埼玉県を訪れて、本場の空気を味わいたいと思っています!
――今後の新作のご予定はありますか?
まだ詳細はお話しできませんが、確定している読切作品が1本あります。家族がテーマの話なので、私が描く家族テーマの漫画を気に入ってくださった方は、こちらもチェックしてもらえるとうれしいです!ほかにも、今まで取り組んだことがないチャレンジも予定していて、たぶんこのチャレンジはフォロワーさんに「えっ!?」と少し驚いていただけるんじゃないかな?と私も期待しています。進捗については、たまにXをチェックしていただければうれしいです。

本作について読者からは「いい話でした」「ただ一言お姉ちゃんに『よく頑張ったね』って言ってあげたい」「ひぃ~ひぃ~泣けるぅ〜」という感想のほか、ラストのシーンについて「4つなんだ、ケーキ」「4つか、そっか」という感想も。最後の展開までこの姉弟の心の動きを温かい目で見守り、読み進めてほしい。
取材協力:墨染清(@sumizomesei)
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