風間俊介「きっと“ほかの家庭を覗き見してみたい”という気持ち」TVer総再生数が1500万を突破した『それでも俺は、妻としたい』劇場版が公開
東京ウォーカー(全国版)
連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)の脚本などを手掛けた足立紳さんが、自身の私小説を原作に紡いだドラマ『それでも俺は、妻としたい』。本作で愛すべきダメ夫を演じた風間さんが、撮影秘話や作品の魅力、さらに“無駄”を愛する風間さんだからこその驚きのエピソードを語ってくれた。

ドラマを楽しんだ視聴者は「“ほかの家庭を覗き見してみたい”という気持ち」
――TVer総再生数が1500万を突破したドラマ版が3月に最終回を迎えました。ドラマ版の放送を振り返ってみて今どのような心境でしょうか?
【風間俊介】起承転結はあるものの、ドキュメンタリーのようなリアルさで物語が進んでいくので、最初は視聴者からどう受け止められるのかわからず少し心配していたところもあったんです。いざ放送が始まったらすごく好評で、感想を見かけるたびにうれしい気持ちになったのを覚えています。
――どういったところが視聴者に響いたと思いますか?
【風間俊介】例えば、数人の友達と集まった時に、「うち、今ちょっと(家庭が)うまくいってなくてさ…」という話題が出ることもありますよね。僕もそういった話をされた経験があって、もちろん愚痴は聞くんですけど、心の中では“なるほど…◯◯は今そういう悩みを抱えているのか…”と、興味津々になっていたりするんです。
きっと視聴者の方も同じで、“別の家庭をちょっと覗き見してみたい”という気持ちでドラマを楽しんでくださったのではないかなと思います。

――まさに、覗き見しているような感覚で豪太とMEGUMIさん演じる妻のチカのやり取りを見ていました。豪太を演じるうえで大事にしたことや気をつけたことを教えていただけますか?
【風間俊介】台本を読んだ時に、過度に物語を盛り上げる必要性を感じなかったので、生っぽさやリアルを大事にしたといいますか、ただただ豪太とチカの日常を表現できたらいいなと思いながら撮影していました。
――本作は足立紳監督の私小説を実写化した作品なので、豪太のモデルは監督ということになりますよね。
【風間俊介】今や連続テレビ小説「ブギウギ」の脚本も手掛けるような方ですが、本作を観ると“昔はこんなにダメ人間だったの?”と驚きます(笑)。“このあとの豪太は朝ドラの脚本を手掛けるような活躍をするんだ”と思いながら本作を観ると感慨深いですよね。


――チカと言い争うシーンや豪太が一方的に罵倒されるシーンが多かったですが、MEGUMIさんとはどのようにコミュニケーションを取っていかれたのでしょうか?
【風間俊介】監督のお家を借りて撮影していたのですが、空いている部屋でMEGUMIさんと待機することが多く、その時にたくさんお話しました。MEGUMIさんとしっかりとコミュニケーションを取れたことで、“豪太とチカの今のシーンすごくうまくいったな”と思える瞬間がいっぱいありました。

――チカのキレっぷりに思わず笑ってしまうシーンもありました(笑)。
【風間俊介】MEGUMIさんのお芝居は切れ味抜群でしたよね。辛辣な言葉をたくさん浴びせられましたが(笑)、そんなチカの姿を惚れ惚れしながら見ていました。

本作で感じた家族とのコミュニケーション「“それぞれの形がある”とあらためてわかった」
――個人的に印象に残ったのが、物語の後半で豪太とチカが二人であるチャレンジをするシーン。このシーンの撮影エピソードをお聞かせいただけますか?
【風間俊介】あのシーンは、監督に「地獄の空気にしてほしいです」と伝えたら本当に地獄の空気になりました(笑)。豪太はチカの隣でただただ呆然としているだけですが、振り切ったお芝居をされたMEGUMIさんは本当にすごかったです。強烈なシーンになっているので、楽しみにしていただきたいですね。

――本作を通して家族とのコミュニケーションの取り方や気配りなど、あらためて気づかされたことがあれば教えていただけますか?
【風間俊介】この作品を観て“それぞれの形がある”とあらためてわかったので、“僕はこうしたほうがよいのでは?”という気づきは逆に一切ありませんでした。“みんな違うからこそ覗き見が楽しい”。そんな風に思いました。それぞれ家族の形が違うところが本作のおもしろさだと思うので、ぜひそこに注目していただけるとうれしいです。
――本作の鑑賞後、“家族って一体なんだろう”というシンプルな疑問が生まれました。
【風間俊介】キラキラしているだけが愛じゃないよねっていう(笑)。
――ドロドロしていてもそこには愛がありますし、愛情がなかったら罵倒する言葉すらも出てこないですよね。
【風間俊介】愛情がなければ相手に対して“無”でしょうね。マザー・テレサも「愛の反対は憎悪ではなく無関心です」と言っていますしね(笑)。

――もしも豪太のような人が周りにいたら、風間さんはどんな言葉をかけますか?
【風間俊介】「とりあえず目の前の仕事と一回ちゃんと向き合ってみようか。家族が喜ぶと思うよ」って言いたいです。仕事が忙しくて家族に寂しい思いをさせる旦那さんもいるかもしれませんが、豪太に関してはチカにしか気が向いていないので、仕事を一生懸命頑張っている姿を見てもらわないと始まらないなと、そんな風に思いました。
――豪太ほどではないですが、たまに仕事から逃げ出したくなる時があります。風間さんはそう思ってしまう時はありますか?
【風間俊介】山ほどあります。ただ、こちらの事情は仕事相手には関係ないんですよね。もしもこちらの都合に100パーセント合わせてもらいたかったら“死ぬほど傲慢な人間”になるしかない。だけど僕はそこまで傲慢にはなれないので、「1回タイムタイム!今は何もやらなくていいよ」なんて世界全体がストップしてくれないと無理なのかなと(笑)。
ポジティブな“頑張ろう”ではなく、ほぼ諦めに近い状態で気持ちを立て直すことがほとんどです。急に逃げ出すことはできないけれど、お正月休みはしっかり取ることができるので、毎年2月ぐらいから年末年始を楽しみに働いています(笑)。

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