高校生が模擬手術体験!ジョンソン・エンド・ジョンソンが次世代を担う医療人材に向けた特別イベントを開催
東京ウォーカー(全国版)
2025年8月11日、ジョンソン・エンド・ジョンソンのメドテック(医療機器)事業「ジョンソン・エンド・ジョンソン メドテック」(以下、J&J メドテック)が、医療系進学を希望する高校生とその保護者を対象にした特別イベント「次世代医療人材シンポジウム」を開催。
模擬手術体験や講演などを通し、高校生約50人が医療技術や、医療・健康への考え方について学んだ。

超高齢社会におけるヘルスリテラシーの重要性
本イベントは、ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下、J&J)と、高校生向けオンラインキャリアプラットフォーム「LEAPLE」を展開する株式会社Batonlinkが共同主催し、次世代の医療人材を育む場として企画されたもの。“医療の最前線に触れる一日”をテーマに、J&J社員による基調講演、手術支援ロボットや外科手術の手技トレーニングの体験を通し、高校生が医療のさまざまな側面を学ぶという内容だ。

基調講演では、臨床医経験もある、J&J メドテック チーフ・メディカル・オフィサーの清水英治さんが「医療の未来と人生100年時代のヘルスリテラシー」と題し、J&J メドテックの取り組みや、ヘルスリテラシーの重要性について語った。
清水さんは、J&Jが医薬品事業「イノベーティブ・メディスン」と医療機器事業「メドテック」の2大事業を展開していることをはじめ、J&Jの理念や世界・日本国内の活動、そして少子高齢化や医師数の減少など医療の現場を取り巻く環境の変化について説明。
J&J メドテックが“人生100年時代”と呼ばれる超高齢社会において、疾患治療を支援するソリューションや、「予防・早期発見」「治療」「治療後のQOL」というサイクルの中で幅広い領域での医療機器を提供し、また、あらゆる形で研究を行っている現状に触れ、医療の現場を支える医療機器・ヘルスケア事業の意義をアピールした。

講演内では、予防・早期発見で重要となる「ヘルスリテラシー」という概念についても紹介。ヘルスリテラシーは健康に関する情報を入手し、それを理解・評価し活用するための能力のことだ。日本、アメリカ、イギリス、オーストラリア、中国、フィンランドの6カ国を比較したJ&Jの調査では、「病気の治療法に関する情報を判断できるか」という問いについて、日本以外の5カ国では73.0~83.8%の人が「できる」と回答したのに対し、日本は54.0%であり、「諸外国に比べてヘルスリテラシーの自己評価も最も低いスコアだった」と清水さん。
続けて、「ヘルスリテラシーが向上していくことによって、個人の健康意識の向上、健康のQOLが向上していくことが期待できます。そうすると医療機関にかかる負担が減り、適切な治療法が提供できるようになりますし、医療資源も適切に活用できるようになる。より多くの人が健康で活躍する社会ができれば、このサイクルが回っていく形になると考えています」と、ヘルスリテラシーの重要性を語った。
プロと同様の手術手技や医療機器を高校生が体験
休憩を挟み、施設内の模擬手術室に移動し、高校生たちの手技体験が行われた。会場となった「ジョンソン・エンド・ジョンソン インスティテュート 東京」は、2014年に神奈川県川崎市に開設された医療従事者向けのトレーニング施設で、病院の手術室や検査室を再現するトレーニング環境を整備した教育拠点として、国内外の医療従事者が訪れている。

実際のトレーニングで使用される模擬手術室では、傷んだ関節を人工関節に置き換える手術において正確な骨切りをサポートする「人工膝関節手術支援ロボット」や、臓器を縫う代わりにステープルで結合することができる「自動吻合器」といった、医療の現場で活用されている医療機器のレクチャーや実演・体験、「腹腔鏡鉗子」や「心臓用カテーテル」の手技のトレーニング体験が実施された。
腹腔鏡鉗子の体験では、開腹をせず小さな穴から鉗子を差し込み、モニターに表示される映像を頼りに手術するための入門トレーニングが行われた。腹部を模した模型の中にビーズが置かれ、腹腔鏡鉗子を用いて移動させるという内容で、使用されたビーズを含め実際の医療従事者が行うものと同様だという。

模擬手術室は内装や器具を含め、病院の手術室と遜色ない実践的な環境。多くの人間が患者としてしか接することのない手術室の雰囲気の中で、高校生たちは医療器具の使い方や、医療従事者がどういった技術で手術を行っているのかを興味深げに学んでいた。
夏休みに職業に関する課題が出されたことをきっかけに参加した神奈川県の高校生は「不整脈の治療をする心臓カテーテル体験がすごくよかったです。ヘルスリテラシーの存在自体は知っていたんですが、意識したことはなかった。『日本はヘルスリテラシーの水準が低い』といった話を聞いて、自分が認識していたよりも大事なものなのだと感じました」とコメント。
また、看護師を目指しているという東京都の高校生は「腹腔鏡で四角いものを三角形に折る体験をしました。YouTubeには『腹腔鏡で鶴を折る』という動画もあって、『意外と簡単かな』と思っていたら本当に難しくて。医療従事者はすごく難しいことをされているのだなと思いました」と話し、「人として患者さんに寄り添い、いち早く異変に気づけるような看護師になりたい」と将来への想いを教えてくれた。
高校生それぞれが考える未来の医療の形
その後、講演会場に戻った高校生たちは、J&J メドテックが展開するヘルスリテラシー向上プロジェクト名でもある「My Health, Myself ― 私の健康のために、私ができること。」をテーマに、医療への想いや理想の姿を言語化・可視化するアウトプットを制作。自身が思うヘルスリテラシーの重要性や、どんな医療従事者になりたいかというビジョン、未来の医療に必要なことなどを一人ひとりが発表し、清水さんらJ&Jのスタッフが個別にフィードバックする。
高校生たちは「私が思うヘルスリテラシーの重要性は、受け身にならずに、能動的に自分の健康や体の状態と向き合って考えることだと思います」、「私は患者さんに寄り添い、ニーズに正確に応え、安心して任せられる医師になりたいです」、「『医療アクセス』をテーマに、未来の医療に必要なことを考えてみました」と、本イベントでの気付きや、治療歴、周囲の体験など、それぞれが持つ医療にまつわるバックボーン、独自の視点などをもとに、千差万別のプレゼンテーションを行った。


イベントの終了後、J&J メドテック コミュニケーション & パブリックアフェアーズの渡辺奈々美さんは主催者側としての想いを以下のように話す。
「医療従事者を志す熱い想いを持った高校生の皆さんに多く集まっていただき、感謝しています。私たちは2023年の11月から『My Health, Myself ― 私の健康のために、私ができること。』という、“人生100年時代”のヘルスリテラシーを向上させる大きなプロジェクトを展開しています。昨年、兵庫県の中学校でヘルスリテラシーの大切さについて学んでいただく出張授業を行った際、『勉強になった』『自分だけでなく家族や周りの人にも伝えていきたい』という声があり、今年は全国に対象を広げ、医療従事者を志す全国の高校生をお招きする形で本シンポジウムを実施しました。
先ほど参加した高校生から『参加するのをずっと楽しみにしていました』『すごくよかったです』という感想を聞き、うれしい驚きを感じています。ヘルスリテラシーや医療の未来について自分の中で咀嚼をしたうえで、もともと持っている知識や意欲と合わせ、自分の言葉で発表していただき、本当に感銘を受けました。
我々には、ヘルスリテラシー全般を高めることで、“人生100年時代”に人がより健康に、より幸せに生きられる社会づくりに貢献し続けていきたいという想いがあるので、今後もさまざまな形でヘルスリテラシー向上に向けた取り組みを続けていきます」

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